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『魔法少女サイト』尖ったキャラばかりの物語を振り返る【第1話~4話】

『魔法少女サイト』エキセントリックなお兄ちゃん(CV:岡本信彦さん)をはじめ、尖ったキャラクターばかりの物語を振り返る!【第1話~4話】

2018年4月より放送スタートしたTVアニメ『魔法少女サイト』。本作は、秋田書店のウェブコミック配信サイト「Champion タップ!」や「週刊少年チャンピオン」で連載された、佐藤健太郎先生による漫画を原作とした作品です。

不幸な境遇の女の子たちの前に現れる謎のWEBサイト“魔法少女サイト”。作中ではその管理人たちによって、魔法の力を秘めたアイテム“ステッキ”を授けられた女の子たちが、様々な思惑の交錯する物語を展開していくことになります。

魔法少女たちがそれぞれに何らかの不幸や葛藤を抱えているの点も見どころのひとつ。また、その裏で迫る“テンペスト”という謎の現象に関するあれこれなど、一言では言い表せない魅力を秘めています。

ここでは、そんな本作の第1話~4話を一挙に振り返ります! 本作は陰鬱とした世界観かつ凄惨な描写が目を惹きますが、決してそれだけに留まらない物語に注目してください!

彩を取り巻く閉塞した世界

第1話冒頭ではオープニングが開けたところで早速主人公の朝霧 彩(CV:大野柚布子さん)が登場するのですが、ちょっと待って欲しい。いきなり怯えた様子で踏切から電車に飛び込もうとしているではありませんか!! いやいやいやと焦ったのもつかの間、いきなり主人公の自殺からスタートかと思われましたがそこは安心、直前で怖くなってやめるのでした。

それにしても通行人が全く優しくないのも、本作ならではの辛いところ。踏切前で座り込んだ中学生に、声も欠けないどころか舌打ちはちょっと厳しいのではないでしょうか……。続いては場面転換して学校の下駄箱前へ。なにやら偉そうな赤髪の女の子と、その取り巻きふたりが彩の様子を窺っているではありませんか。この3人組はどうやら彩を虐めているようで、彼女の上履きには何やら刃物の刃らしきものと画鋲がびっしりと詰められており、彩はケガを負ってしまうことに。

これだけでも相当に陰湿ですが、教室でも机に落書き+木工用ボンドを椅子に塗りたくられる。トイレに連れ込まれ便器の中に顔を突っ込まれる。など、虐めにしても色々通り越した逆境にさらされています。


そんな彼女の唯一の心の拠り所と思われるのが、高架下で面倒をみている野良猫のみゃーちゃん。視聴者側としても心安らぐ場面なのですが、「学校にもどこにも居場所なんてない」という彩の言葉がものすごく引っ掛かります。さらに不幸なことに、彼女が猫を世話しているのを先ほどの3人組の取り巻きのひとりが覗き見ており……もう嫌な予感しかしないです。

そうして帰宅してきた彩。家族団らんの食事風景が広がっているように見えるのですが、どうしても彼女の兄・朝霧要(CV:岡本信彦さん)から漂うこれまた嫌な雰囲気が拭い去ることができません。父親から期待をかけられているように見える要ですが、優しそうな声色なのになぜか芝居がかって聞こえるところがあまりにも胡散臭く、両親に向ける笑顔もまるで貼り付けたかのよう。隣でその話を聞いている彩が一切笑っていないのも、それに拍車をかけています。


こんなキャラは十中八九裏があるのが定番ですが……と思ったらいきなり彩のお腹を全力でぶん殴った!? 「一発でゲロかよ」って、そりゃ中学生の女の子のお腹をそんな全力で殴ったらそうなるでしょ……。もう見ているこっちまで気分が沈み込んでいきます。本当に彩の居場所はどこにもないんでしょうか。この兄も兄で、どうやら理解の無い父親からのプレッシャーにかなりのストレスを感じている様子。それを理由に妹に暴力はどうかと思いますが、原因の一端は父親にもありそうです。

その夜、彼女のパソコンの画面がひとりでに点灯。そこには“魔法少女サイト”の文字が……!! そして翌朝学校の下駄箱を開けてみると、銃のような形をしたアイテムが入っていました。説明書によると使い方は引き金を引くだけとなっていましたが、どのような効果があるのかは一切不明。

放課後、いつも通り虐められている彩の下へスペシャルゲストこと翔太先輩が登場!彩を襲おうとした先輩を突き飛ばして何とか逃げ出したものの、やっぱり捕まってしまう彩。

さらに、そこに合流してきた貝島えりか(CV:喜多村英梨さん)が放り投げて寄こしたのは、彩が猫のみゃーちゃんに付けていた首輪……。「一瞬で肉塊になるんだもん」とのたまっていましたが、朝、踏切で猫が轢かれた場面が挿入されていたのはこういうことか……嫌な予感が当たってしまいました。このアニメはゲスしかいないんでしょうか。

彩がこの窮地に際して思い出したのは、使い方は“引き金を引くだけ”というあのアイテムの存在。「この地獄を終わらせて」と願って引き金を引くと、次の瞬間、えりかと翔太先輩が電車に轢かれていました。

自業自得、因果応報と言えばそれまでですが、彩は自分がふたりを殺害したと恐怖におびえることに。その原因となった魔法少女サイトにアクセスしてみようとすると、サイトの存在自体がなくなっており、彩はさらに混乱します。

翌日学校に来ると、教室で3人組のリーダーだった雫芽さりな(CV:山崎はるかさん)から物凄い形相で睨まれているではないですか。それにしても兄の要しかりさりなしかり、顔芸の多いアニメです。

トイレでさりなに問い詰められる彩。「一生消えない傷を付けてやる!」と口の中にカッターナイフを突っ込まれ、あわやと言った瞬間、もうひとりのヒロイン・奴村露乃(CV:茜屋日海夏さん)が現れます。彼女も彩と同じ魔法少女であり、その能力は“時間停止”。

それによって身動きの取れないさりなの首を、彼女自身が切り裂いたように見えたところで第1話は終了しエンディングへ。


続く予告はまさかの兄・要が担当! 「初めに言っておく、僕は生まれた瞬間から神に祝福された存在だ」って、どこからツッコミを入れればいいのでしょうか。なぜかこの予告、笑えてくるのですがもしかして要はネタキャラ……!?
 

彩と露乃の出会い……そして、テンペストとはいったい何なのか

第2話に入ると、露乃の尖ったキャラクター性がより明らかに! さりなを“生ゴミ”と切って捨てると、本当にその通り処分してしまいました。彼女は自分に実害があると判断した相手を間引いて来たようなことを話しており、どういった経緯でその性格になったのか気になるところ。

露乃が彩に接触を図ったのは、彩のステッキの能力である“瞬間移動”の力を欲したため。彩は、露乃から魔法少女サイトと魔法少女の力についてのレクチャーを受けます。魔法を使うと寿命を削ることになることが明らかになり、魔法少女サイトは純粋な善意で不幸な少女に力を与えている訳ではないことを予感させます。


また他人のステッキを回収している魔法少女がいるようで、犯人はその際に相手を惨殺する模様。露乃と協力関係にあった潮井梨ナもその犠牲となり、その犯人“魔法少女狩り(マジカルハンター)”を追うために露乃は彩の力を必要としているのです。

そんな矢先、翌日、下校途中の彩に巨乳のお姉さんが近づいてきます。最初はフレンドリーな相手かと思いきや、「早速なんですけど、死んでもらいまーす!」と顔芸と共に本性を現すお姉さん。彼女の展開した空間に閉じ込められた彩は、ピンチに陥ることに。

ステッキの使用をためらう彩を、駆け付けた露乃がなんとか説得。露乃の時間停止との合わせ技で空間内から来襲者を転送し、身動きの取れない彼女をふたりで取り押さえました。

なんとその巨乳の正体は、死んだと思われていた潮井梨ナ。地味な見た目のハズの彼女の見た目が変わっていたのは、ほかの魔法少女のステッキの“写真を撮影した相手の姿になる”能力の賜物でした。

どうして裏切ったのかを問い詰めていくと、梨ナは自分は生き残りたかっただけだと語りだします。なんでもそのためにはより強いステッキを手に入れる必要があり、そうしないと“テンペスト”という現象によってみんな死んでしまうのだとか。


そして、さらに情報を引き出そうとした瞬間、梨ナは唐突に血を吐いて意識を失ってしまいます。彼女の持つ情報を手に入れたい彩と露乃は、今後は彼女の意識を取り戻すために行動することになります。
 

アイドル“にじみん”の裏の顔は……!?

第3話では意識を失った梨ナを回復させる力を持った魔法少女を探すため、彩と露乃は人気アイドルグループ“いぬあそび。”のメンバー、にじみんこと穴沢虹海(CV:芹澤 優さん)と接触を図ります。


ほかの魔法少女との交流を喜ぶ虹海の部屋に入ると、ファンのみなさんがなぜか働いていて……!? なんと虹海のステッキは“パンツ”型で、これを穿くとみんながみんな自分の思い通りに動いてくれるのだとか。そうして思い通りに動かせるファンのみなさんを、お手伝いさんとして侍らせているようです。

彩と露乃との交流に喜んでいたとはいえ、無警戒でふたりを部屋に招き入れたのはこれが理由。命じれば他人が思い通りに動くというのは恐ろしい力ですが、これならば意識が戻らなくとも梨ナから情報を引き出せそうです。そう思い至った露乃は、虹海を味方につけるべく、慎重に自分たち以外の魔法少女と交流を持ったことがあるかを尋ねます。

すると、虹海は唯一の親友だった魔法少女がある人物に殺されてしまた過去を語りだします。そして、その相手はなんと梨ナ! 虹海は今度会ったらこいつだけは絶対に殺すと決めているため、梨ナが今意識不明であることを知られるわけにはいきません。上手くごまかしたところで、梨ナの病室へ戻る二人。しかしその様子を見ている怪しい影が……。

第3話はエンディングも虹海の特別仕様になっており、彼女を演じる芹澤さんによるMVとアニメ映像のスペシャルバージョンになっています。まさに“にじみん”とシンクロしていると言えるキュートな映像ですので、見逃さないようぜひ注目してください。

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復讐へ向かう魔法少女たち

第4話では、ついに魔法少女サイトの管理人が動き出します。彩と露乃の様子を窺っていたさりなと管理人が邂逅。再起不能な梨ナに変わって、マジカルハンター=ステッキの回収役をやらないかと囁いてきます。最初は警戒している様子のさりなでしたが、自分に傷を負わせ親友を殺害した力が魔法少女の力だと知り、管理人と手を結んでしまいました。



一方、彩は露乃に、さりなたち3人から虐められるキッカケとなったエピソードを明かします。

自分の過去を露乃に話し、全て自分が悪いのだと過去を背負い込む彩に、露乃は語ります。強くなってほしいと。露乃の言葉に、背中を押されて少しずつ変わりだす彩。しかし、別れて帰宅した露乃は、急に血を吐いて倒れてしまいました。


翌日、彩が登校すると、唐突に虹海が彩の学校へと転校してきます。その目的は友達を殺した梨ナへ復讐するためで、アイドルも休業。その執念深さは末恐ろしいものがあります。

放課後、無断欠席になっていた露乃を心配して露乃の自宅へ向かった彩は、そこで倒れた露乃と磔にされ身動きの取れない男性を目撃します。

彼はかつて露乃の家族を惨殺した犯人だそうで、魔法の力を使って復讐をしている途中。簡単には殺さずに生きながらに苦しみを与え続けるとは、中学生にしてそこまでの憎悪を抱いた露乃の凄惨な過去もここで明かされます。だからこそ自分に害を為す相手を“生ゴミ”扱いし、あそこまで苛烈に対応するのですね……。一体彼女たちに救いはあるのでしょうか。

一方、虹海は復帰したさりなから、梨ナの行方を知らされます。こちらも彼女が今後どんな行動に出るのか、この後が気になります。

以上、TVアニメ『魔法少女サイト』を第4話まで振り返って行きました。散りばめられた謎に、尖りに尖りまくったキャラクターたちの紡ぐ物語。どの要素をとっても一度ハマったら抜け出せない面白さをはらんでいますので、ぜひぜひ1話だけでもご覧になってみてはいかがでしょうか?

[文/胃の上心臓]
 

TVアニメ『魔法少女サイト』作品情報

 
抗わず生きるか、抗って死ぬか

どうやらそのサイトは不幸な人間しか出会えないらしい。だから彼女たちは選ばれた——。

どこにも居場所のない彼女は、いつも死ぬことばかり、考えている。学校ではクラスメイトからのいじめを受け、家では実の兄からの虐待に耐える日々。朝霧 彩。中学2年生。14歳。ある日、彼女は不気味なWEBサイト「魔法少女サイト」と出会い、魔法の力を秘めた”ステッキ”を手に入れる。

彩は魔法の力を手に入れたことで、同じくステッキを持つクラスメイトの奴村露乃、そしてほかの“魔法少女”とともに、苛烈な運命に巻き込まれてしまう。

これは、魔法の力を手に入れた不幸な少女たちの、友情と青春、そして運命を変える戦いの記録。

<放送情報>
4月6日よりMBS/TBS/BS-TBS
“アニメイズム”枠 他にて放送開始!
・MBS:4月6日より毎週金曜26:25~
・TBS:4月6日より毎週金曜25:55~
・BS-TBS:4月7日より毎週土曜24:30~
・SBS:4月17日より毎週火曜25:58~
・ATV:4月23日より毎週月曜25:28~
・AT-X:4月11日より毎週水曜22:30~
(※リピート放送:毎週金曜14:30~/毎週火曜6:30~)
Amazonプライム・ビデオにて日本・海外独占配信!
※放送日時は変更になる可能性がございます。

<STAFF>
原作:佐藤健太郎(秋田書店「週刊少年チャンピオン」連載)
監督:松林唯人
シリーズ構成:伊神貴世
キャラクターデザイン:渋谷 秀
サイト管理人デザイン:岩永悦宜
サブキャラクターデザイン:久留米 東
プロップデザイン:小澤 円
美術監督:秋葉みのる(スタジオじゃっく)
色彩設計:のぼりはるこ(緋和)
撮影監督:山根裕二郎(いなほ)
特殊効果:松本乃吾、松尾幸奈(いなほ)
3DCG:山本祐希江、塩野修平、山根裕二郎(いなほ)
編集:岡 祐司
音響監督:納谷僚介
音響制作:スタジオマウス
音楽:井内啓二
音楽制作:エイベックス・ピクチャーズ
アニメーション制作:production dóA
製作:「魔法少女サイト」製作委員会

<CAST>
朝霧 彩:大野柚布子
奴村露乃:茜屋日海夏
潮井梨ナ:鈴木愛奈
穴沢虹海:芹澤 優
雫芽さりな:山崎はるか
雨谷小雨:原 由実
燐賀紗雪:M・A・O
泉ヶ峰みかり:本渡 楓
水蓮寺清春:松井恵理子
滝口あさひ:Lynn
朝霧要:岡本信彦
美炭貴一郎:鈴木達央
サイト管理人 漆:中尾隆聖
サイト管理人 弐(ひょっとこ):悠木 碧
サイト管理人 捌(おかめ):キズナアイ
直戸圭介:安里勇哉

TVアニメ『魔法少女サイト』公式サイト
TVアニメ『魔法少女サイト』公式ツイッター(@mgsanime)

(C)佐藤健太郎(秋田書店)/「魔法少女サイト」製作委員会
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