声優
小倉唯さん初の単独アリーナ公演をレポート

小倉唯さん・2万2千人を動員したライブツアー追加公演レポート――皆さんの貴重な人生のなかの1分、1秒を預かっていく責任を持って

人気アニメ『HUGっと!プリキュア』や、話題のアニメ『ポプテピピック』など、多数の人気作に出演する、声優アーティストの小倉唯さんが、2018年5月12日(土)、東京・武蔵野の森総合スポーツプラザメインアリーナにて、LIVE TOUR『「Platinum Airline☆」 ~Tomorrow Town~』追加公演を開催しました。

ソロデビューから7年目を迎えた小倉さんの自身初となる単独アリーナ公演、かつ、この春大学を卒業し新社会人としての初ライブという特別な日にどんなライブが繰り広げられたのか──本公演の詳細をお届けします。

高さ10メートルのブランコに乗ってキュートに登場

「アテンションプリーズ。本日はプラチナエアライン815便Tomorrow Town行きにご登場いただき、ありがとうございます。最高の空の旅を楽しんでいただくため、出発の前に機内での注意事項を申し上げますので、しっかりとご注目ください」

この日のライブは、メインツアーと同様に小倉さんが空の旅に誘うユニークなオープニング映像で開幕。キャビンアテンド姿の小倉さんのアジテートでファンのテンションが高まるなか、高さ10メートルのブランコに乗った小倉さんが「Honey♥Come!!」で登場。

<私推しのキミが大事 笑顔にさせてあげたい><キミのエール 熱いエール 絶対!無駄にしないよ ハ・ニ・カ・ム>──と、今日のライブへの意思表明にも感じる熱のこもった言葉をキュートに紡いでいきます。

曲の中盤でステージに降り立ち、レーザービームとコールが飛び交うなか元気いっぱいに歌唱。立て続けに「Happy Strawberry」「Merry de Cherry」をダンサーと共にパフォーマンスします。序盤から一気に空高く上昇していくような、そんな盛り上がりを見せました。

「みなさん、早速盛り上がってくれてますね~! ありがとうございます!」と笑顔で最初のMC。今回のライブがプラチナエアラインのパスポートを持った皆様を“明日の街”に連れていくというコンセプトのツアーであること、初めてのアリーナ公演であること、そしてツアーの会場では歌ってこなかった曲も「みんなが応援してくれたら」披露することを伝え、愛に溢れた声援でいっぱいになりました。

「今日会場を見て(広さに)ビックリして……お客さんが入るとペンライトが綺麗で。ピンクのお花畑のような、幻想的な景色を見させてもらっています。これが“Tomorrow Town”ですか~!」と客席を見渡しました。「今日初めての人~?」と問いかけると多くの手が上がり「俄然、やる気が湧いてきました!」と気合いを入れます。

「今の私にできる最大限のパフォーマンス、ステージをお届けできるように頑張りますので、プラチナエアラインに乗客の皆さん、今日も楽しんでってくださ~い! 一緒に盛り上がっていきましょう~!」。

そんな言葉から続いたのは「パンドラ♡ショコラ」「Baby, Baby, Baby♡」「アコガレCollection!」と三者三様のスタイルの曲。「Baby, Baby, Baby♡」ではうちわの演出があり、「アコガレCollection!」では傘を持ってのパフォーマンスがありと、趣向を凝らしたステージでカラフルに彩っていきます。

ここでライブの定番である映像コーナー。今回はライブコンセプトにちなんで「ゆいゆい散歩」台湾編が流れます。なお、映像内での小倉さん曰く「臭豆腐」がかなり臭かったとのこと。「美味しい」と「クサイ」が交互にくる感じだそうです(どれくらい臭かったのかが気になります…!)。

台湾マッサージではあまりの痛さに「ママッ……!」と叫ぶ場面も(笑)。この「ゆいゆい散歩」は2回に渡り上映。ファンも、台湾の街を楽しむ小倉さんの姿を時に声をあげながら見守りました。

表情豊かな中盤戦 ダンスパートでは前髪が崩壊?

中盤は表現者としての小倉さんの進化を堪能するかのようなブロックになりました。イヤーマイクから通常のマイクに切り替えて表情豊かな3曲を披露。まずは「シュガーハートエイク」をしっとりと届け、「Dear」では階段に座ってエモーショナルに歌唱。

続いては、「winter tale」で<伝えたい 伝えなきゃ キミがココにいるコトを/大げさじゃなくてキセキみたいに思ってるよ>と、ファンへの思いを重ねるかのように明るく歌います。

夢心地な雰囲気から一転、世界観をガラりと変えたダンスブロックではチャイナドレス風の衣装に。レーザーが客席を照らすなか「エンジョイ!」「ガーリッシュエイジ」「ドキドキラビリンス」というアッパーなナンバーを連射。

「ゆいゆい散歩」の映像を挟み、決意と希望の歌である2曲「Tomorrow」「Future Strike」をエモーショナルに熱唱して、また別世界に誘っていきます。

「皆さんの熱気のせいに押されて、私の前髪が崩壊しています(笑)。映像うつり、大丈夫かしら」

客席のあちこちから「かわいいよー!」「大丈夫だよー!」という声が上がるなか、息を整えて今日が初のアリーナ公演であり、初の社会人ライブであることを話します。今は少し「大学ロス」の気分でしばらく寂しかったそう。

「今まで当たり前にあったものだったので。学校があったから埋められていたものが自分のなかにあったのかと思います。学校の友達と社会人になってから色々と話をしたりしたんですけど、違う業界ならではの大変さがあって。ここにいる皆さんもいろいろな職業の方が集まっているわけですからね。今日はお仕事のことは忘れて、ライブでエンジョイしてください」と話しました。

また「学生のかたってどれくらいいらっしゃるかな?」と問いかけると想像以上の人数の手が上がり驚いた様子の小倉さん。「年下のかたは?」と聞くと再びたくさんの手が上がり「えーっ! 絶対ウソでしょ~?」とファンとの会話を楽しみました。

そしてここにいる全員が「明日からもステキでハッピーになるように」という願いを込めて「エブリデイ☆ハッピーデイ」「Baby Sweet Berry Love」を爽やかに届けます。

ソロデビュー曲である「Raise」のピアノのイントロが流れると、客席からは悲鳴のような歓声が。コールが響く中ファンとシンクロするかのように、熱く、激しく歌いました。

新曲「白く咲く花」、そして本編最後にはあの曲が……

ここで「あっという間に後半戦になってしまいました~!」と伝えると、ファンからは「えーっ!」の声が響きます。

「楽しい時間はあっという間ですけど、大学を卒業して、今ここにいる私。そんな私だからこそ、今伝えたい想い、言葉があるんじゃないかなと思っています。今から聴いてもらう曲は(新曲の)「『白く咲く花』」なんですけど、またひとつ進化した私の新しい一面を心のなかで受け止めてもらえるように歌います」と、ステージに白い羽が舞い、真っ白なペンライトが客席で点灯されるなか、新たな物語のはじまりを予感させる曲を凛とした歌声で届けました。

そして本編ラストナンバーとして披露されたのは、小倉さんの作詞曲「かけがえのない瞬間」。

<かけがえのない宝物(おもいで)は どんなかたちになっても 戻れない時間だけ大切になる><かけらのような瞬間 ぜんぶぜんぶ抱きしめて 迷わずに進んでく>と今日を想うように、明日への決意を届けるように、優しくも力強く歌い、感動の輪が広がっていきます。

モニターには歌詞が映し出され、噛み締めながら声を聴いているファンの方々の表情が心に残りました。とても美しい景色でした。

「抜かりなく、ひたむきに、これからもまっすぐ進み続ける」

元気いっぱいに登場したアンコール。「これから皆さんのところにいきますよ~!」とトロッコに乗り込み「ずっとふたりで」を爽やかに届けます。

ひとりひとりと視線を結ぶように歌っていた姿が印象的でした。メインステージに戻って、「皆さん、この街いかがでしたか? 最高?(大歓声)私も正直、期待以上の楽しさでした!」と明るい表情を見せ、少し長めのMCに。

「私自身初めてのアリーナ公演だったんですけど、程よい緊張感で、でも、自分らしく、楽しく、地に足をつけながらパフォーマンスすることができて……声優、アーティストとして積み上げてきた私の想い、姿、歌声をこの空間、この街に残せたんじゃないかなと思います。

皆さんの想いや気持ちが、距離を越えて、本当に一直線に私の胸に届いてきて。公演で曲をやるごとにその熱が増していって、最高のボルテージのなかでここまでやってくることができました。皆さんには感謝の気持ちでいっぱいです。今日は本当に、ありがとうございました!」

ファンへの感謝の気持ち、「かけがえのない瞬間」に込めた思いを語り、ツアーを振り返ります。

「1stのときのツアーとは、私の気持ちも、ステージから見える景色も、届ける想いも凄く大きく変化したなって感じました。最初のときはみんなから受け取る想いを精一杯返すことでいっぱいいっぱいで。でもそういうなかで届けられる想い、そのなかでしかできないパフォーマンスもいっぱいあったと思います。

でもさらにたくさんの会場で、期間をたくさんとることによって、密度の高いリハーサルだったり、新しい課題の発見だったり、見える景色が変わってきたリり……ほんっとに、私のなかで得るものがたくさんあって。

今までみんなに支えてきてもらってきましたけど、これからは私が皆さんにパワーを届ける番なんだなって、そんな風に心から思いました」

客席をまっすぐに見つめながら、さらに続けます。

「もっともっと自分の視野を広げて、もっと人間力を高めて、よりたくさんのかたの心に響くように、抜かりなく、ひたむきに、これからもまっすぐ進み続けて、自分の歴史を刻んでいきたいなと思いました。

皆さんのなかには、私をちっちゃい頃から見守ってきてくれたかたもいるかもしれないですし、昨日知って当券あったからきちゃおうぜ!みたいなノリできてくれた人もいるかもしれないですし、キャラクターとの出会いからここにきてくださっている方とか、いろいろな方がいらっしゃるとおもいます。そんなひとりひとりの方との出会いに感謝しています。

私にとって回数のあるステージでも、皆さんにとっては唯一の特別な時間だと思っていて。皆さんの貴重な人生のなかの1分、1秒を預かっていく責任を持って、これからもたくさんのモノをわたしも届けられるように精進していきます。これからも、どうかどうか! ずっと一緒に歩んで、応援してもらえたら嬉しいです!」

――ハッとさせられるような言葉の数々と、その言葉に込められた強い信念にファンからは拍手が贈られました。たくさんの想いを胸にたどり着いた「いま」であることを改めて感じさせます。

7月にシングルをリリースすることを発表 歓喜に包まれる

「ちょっと語りすぎちゃいましたが」とはにかみ、写真集、ライブBD&DVDの発売、シングル・アルバム計10作品が一挙ハイレゾ化されることをお知らせ。

そして「最後にとっておきの情報があります!」と9枚目のシングルが発売されることを発表。新曲は自身も出演する7月から放送開始のアニメ『音楽少女』のオープニングテーマで、タイトルは「永遠少年」ということ、7月25日に発売されることが発表され、歓喜の声でいっぱいになりました。

喜びの余韻が残るなか「まだライブは終わってないです!」と小倉さん。「皆さん、歌ってください!」と「ハイタッチ☆メモリー」で会場をひとつにしていきます。この旅の最後を飾ったのは「プラチナ・パスポート」。

<ずっと見守っていてくれたこと 本当にありがとう プラチナみたいに輝く宝物だよ これからもプラチナみたいに輝く宝物だよ>──その言葉に共鳴するかのように、そこから続く盛大なシンガロング、そして最後の<まだ知らない明日へ一緒に 羽ばたこう>という言葉。その全部が響いてきます。爽やかな感動が胸に広がっていきました。

「また会おうね!」と手を振り、この「かけがえのない瞬間」を大切にするかのように、最後の最後まで感謝の気持ちを伝える小倉さん。ここで小倉さんの提案で、マイクを通さず「明日からも!」と叫び、ファンが「頑張りまめ大福!」と絶叫。

「ありがとうございました!」と深々とお礼をした瞬間に、感極まって思わず涙腺が緩んでしまった小倉さんに、惜しみない拍手とエールが送られました。明日への希望でいっぱいになった、最高の“Tomorrow Town”でした。

[取材・文/逆井マリ]

小倉唯公式サイト
小倉唯公式Twitter
小倉唯公式ブログ

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