『Run Girls, Run!！』1stライブツアーを完走！「本当に今できる全力の走りができた」【インタビュー＆レポ】

2018年11月10日、声優ユニット『Run Girls, Run!！（以下、RGR）』が品川ステラボールにて「Run Girls, Run！ 1st LIVE TOUR 止まってなんかいられない」を開催した。

2018年10月28日から走り出した彼女たち3人（林鼓子さん、森嶋優花さん、厚木那奈美さん）にとって初めてのツアー。シングルの表題曲やカップリング、カバー曲、トークコーナー。彼女たちが今持つ魅力を最大限に発揮したツアーとなったことは間違いない。

大阪、仙台を走り抜けて東京にたどり着いた『RGR』。本稿では品川ステラボール昼公演の模様と、最終公演を目前に実現した突撃インタビューを届けたい。

大もっちーコール

定刻通り14：30に暗転する会場。制服姿の『RGR』が姿を現し、彼女たちにとってハジマリの曲である『カケル×カケル』のギターサウンドが品川ステラボールに鳴り響いた。

2017年9月24日、LIVE labo YOYOGIで初披露された同曲。ツアーのタイトル通り「止まってなんかいられない」瞬間がスタートした1曲だと言える。サビに入る直前に会場全体に鳴り響いた手拍子。これこそが、『RGR』がここまで走り続けてきた証なのかもしれない。

続いては、『Wake Up, Girls！』の『地下鉄ラビリンス』、『i☆Ris』の『Make it!』を連続で歌い上げる。

妹分ユニットの『RGR』が姉（i☆Ris、Wake Up, Girls！）の歌をカバーする。なんとも美しい瞬間ではないか。『Make it!』で会場全体が「もっちー！」コールをした時の森嶋さんの表情が一段と輝いた。直後のMCでも感謝の気持ちを伝えるなど、よほど嬉しかったに違いない。

ユニットのライブはファンの歓声一つで大きく変わる。その瞬間を改めて垣間見た気がする。

林さんの歌声

MC後はカバー曲のコーナーへ突入。トップバッターは森嶋さんが務めた。『ミルキィホームズ』の『正解はひとつ!じゃない!!』を披露。ステージを動き回る姿、クルクルと変わる表情、最終日となる東京のステージを心から楽しんでいることがプレス席まで伝わってきた。

続いては、厚木さんが『MAHO堂』の『おジャ魔女カーニバル!!』を熱唱。明らかに歌い慣れている、自身が大好きな1曲を抜擢してきたことが分かる。また、振り付けについては『i☆Ris』が以前使用していたものをカバーしたそうだ。

厚木さんがステージに一人で立っていると、なぜだろういい意味で昭和のアイドルを彷彿とさせる。ちょっと控え目に見える外見の女の子が心を込めて歌い踊る。だから、ステージから目が離せなくなる。

3人でいる時には気づかなかった。厚木さんがソロになった時の個性だと思う。

カバーコーナーのラストは林さんが『μ's』の『Snow Halation』を歌い上げた。会場のサイリウムも『RGR』のピンクと白が混じりる幻想的な空間に変化。届けて切なさに「は」で白からオレンジへと変化。品川ステラボールに集ったファンもプロである。

林さんは父と小学生の頃に見た『ラブライブ！』にとても憧れを抱いていたという。これまでもオーディションで度々披露してきた楽曲だったが、今日が最も緊張したと語っていた。

ソロパート終了後は、カップリング曲のコーナーへ。『秋いろツイード』と『サクラジェラート』は『RGR』のもう一つの魅力であるオリエンタルな雰囲気ただようEDMサウンドだ。

表題曲のアイドル性とは一転、アーティスト『Run Girls, Run！』が楽しめるのはCDのB面にある。

『RGR』は特異なユニットだ。デビューから約1年という期間にして、歌やダンスの完成度が非常に高い。一方で、いわゆる「ランガっぽいよね」という型がない。ポップス、ロック、EDM。どんな楽曲でも彼女たち3人は順応できるスキルを持っている。これから型が生まれるのか。それともどんな楽曲でも『RGR』らしさを加えたアレンジで歌い上げていくのか。

近年、世界で高い評価を受けている日本人女性アーティストを見てみると、3人編成のユニットが多い。"完成度の高い未完成な3人"。だからこそ存在する魅力が1stツアーには漂っている。

カップリング曲に続いては彼女たちのデビュー曲『スライドライド』、そして、2019年2月6日にリリースとなる新曲『Break the Blue!!』へ。

まさに『I've』サウンド全開とも言える1曲。会場のサイリウムはブルーに変化した。PCから目を離し、ステージを見ていると林さんが目に止まった。

高難易度、ハイトーンの楽曲を歌っている時の林さんは嬉々としている。「私はもっと歌える、もっともっと歌える！」そんな心の声が伝わってくるようだ。

ここからは彼女たち3人が声優としても出演している『キラッとプリ☆チャン』のナンバーから『Go! Up! スターダム！』、『プリマ☆ドンナ？メモリアル！』、『キラッとスタート』を連続で披露。

以前、彼女たちは『プリティーシリーズ』に出演する喜びをこう語っていた。
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Pretty Prism Paradise!!!

アンコールの1曲目には真中らぁら（茜屋日海夏さん）&南みれぃ（芹澤優さん）&北条そふぃ（久保田未夢さん）の楽曲『Pretty Prism Paradise!!!』が大抜擢された。

また、ここで『RGR』がTikTokアカウントを開設したことを発表。発表後、IDを検索してみた所『i☆Ris』の澁谷梓希さんが既にファンになっていた。トレンドになる以前からアプリを活用していた澁谷さん。流石である。

そしてライブの締めくくりに、もう一度ハジマリの楽曲である『カケル×カケル』を歌い上げ、昼公演の幕を閉じた。

アフリカのことわざにこういった言葉がある。「はやく進みたければひとりで行け。遠くまで進みたければみんなで行け」

3人が2018年の大阪、仙台、東京で作った熱狂。ここから先、集まったファンと一緒にどこまでも走り抜いて欲しい。

終演後の『Run Girls, Run！』へインタビュー

――Run Girls, Run！ 1st LIVE TOUR「止まってなんかいられない」を走りきりました。今の率直な気持ちをお願いします。

林さん：とにかく楽しかったです！今までで1番、思いっきりできたライブでした。ここまで準備してくださって、最後まで応援してくださったスタッフのみなさん。会場まで足を運んでくださったファンのみなさん。そして、ここまで一緒に駆け抜けてくれたメンバーの2人。全員にまずお礼を言いたいです。ありがとうございます！

初めてのツアー、全6公演。改めて自分がどれだけたくさんの人に支えられてこの場に立っているのかを実感しました。何度も何度も、立ち止まりそうになったこともあったし、涙が落ちそうになったこともありました。夢を諦めようかと思ったときもありました。でも、必ず私たちを導いてくれる人たちがいて、支えてくれる人がいて、背中を押してくれる人たちがいる。そして、こうして私たちは今スポットライトに照らされて立っている。それがすごくありがたいです。

まだまだ私たち、一人ひとりは小さな存在ですが、いつかもっともっと大きなステージで輝きたいと思います！

森嶋さん：本っ当にすごくすごく楽しいファーストライブツアーでした！たくさんの方々に声援をいただき、支えられて、無事完走することができました。今回いただいた皆さんからのパワーを蓄えて、これからもどんどん駆け抜けていきたいと思います。皆さんと過ごせたはじめてのライブツアーはずっと忘れないです！ありがとうございましたっ。

厚木さん：本当に今できる全力の走りができたと思います。そして、最高に楽しかったです！！このツアーを通して、お越しくださった皆様や支えて下さったスタッフの皆様のおかげで始まる前よりも自信を持ってステージに立てるようになったと思います。私は自信を持って最高にキラッとしてる女の子が大好きなので、もっともっと憧れの自分に近付けるように頑張りたいとも感じました。

[文・川野優希]

セットリスト

M1　カケル×カケル
M2　地下鉄ラビリンス
M3　Make it!
M4　正解はひとつ!じゃない!!（森嶋さんソロ）
M5　おジャ魔女カーニバル!!（厚木さんソロ）
M6　Snow Halation（林さんソロ）
M7　秋いろツイード
M8　サクラジェラート
M9　スライドライド
M10　Break the Blue!!
M11　Go! Up! スターダム！
M12　プリマ☆ドンナ？メモリアル！
M13　キラッとスタート
M14　Pretty Prism Paradise!!!
M15　カケル×カケル