音楽
JUNNA 3rdシングル『コノユビトマレ』インタビュー

JUNNA 3rdシングル『コノユビトマレ』インタビュー|TVアニメ『賭ケグルイ××』オープニングテーマをはじめ、レコーディングに臨む姿勢から見えるもの

MBS、TOKYO MXほかで放送中のTVアニメ『賭ケグルイ××』のオープニングテーマを含むJUNNAさんの3rdシングル『コノユビトマレ』が、2019年1月23日(水)発売。

本稿では、シングル3作続けてのアニメタイアップとなり、サウンドはもちろん、歌い方に至るまで、一貫して作品の世界観にマッチした音楽を作り続けている理由を、JUNNAさんのインタビューを通して探っていきます。

アニメタイアップの原作を毎回チェックする理由とは?

――2018年末から始まった『3rd LIVE TOUR JUNNA ROCK YOU TOUR 2018-2019 ~18才の叫び~』は、自分から意見を積極的に出したセットリストだとおっしゃっていましたが、当初の予想通り大変でしたか?

JUNNAさん(以下、JUNNA):大変でした……。特に、ラストのブロックは休む間もなく進んでいくので、大変だなぁと思いながら。でも、楽しいなぁとも思いながら、歌わせていただきました。

――ライブはお客さんとの距離感が近く、女の子のファンがすごく多いのが印象的でした。

JUNNA:たくさん来てくれて嬉しいです。だんだん増えてきている感じなんですけど、その理由は私にも分からないです(笑)。

――ツアーと同時進行で本作のプロモーション活動も行われていますが、再びアニメタイアップをいただけると聞いた時はいかがでしたか?

JUNNA:嬉しかったです。お話をいただいてから原作を読ませていただいたんですが、(これまでと)また全然ジャンルの違う作品だなと思いました。

原作を読んだ後に曲が届いて、曲を聴いた時に「めっちゃ(作品に)合ってる!」と思ったし、自分の歌声で、アニメのストーリーに最大限合わせた歌を歌えたらいいなと思いました。

――タイアップの時は必ず原作を読むそうですが、そうすることで歌も変化しますか?

JUNNA:全然作品のことを分からずに歌ってしまうと、歌詞のイメージだけで歌うことになるんですけど、やっぱり原作を読むことで、こういう主人公がいるんだとか、こうやってスリルを楽しんでいるんだとかが分かりやすくなるんですよね。

特に漫画原作だとイラストなので、よりイメージが湧きやすくなります。なので、毎回読んでからレコーディングに入ります。

――今回の原作『賭ケグルイ』を読まれた感想は?

JUNNA:すごかったです! グロいというか、普通に命を懸けて賭け事をやっていることがすごいと思うし、それを楽しんでいる(主人公の)蛇喰夢子がすごいんですよね。

 

――たしかにエグい内容ではありますけど、あまり読まないジャンルですか?

JUNNA:漫画自体は一時期すごくハマったんですけど、少女漫画ばかり読んでいたので、それ以外を読んだことがなかったんです。また新しい世界が知れたなと思いました。

――ちなみに、アニメはご覧になりましたか?

JUNNA:再放送で前のシリーズを見て、『賭ケグルイ××』の1話も見させていただきました。よりリアルで怖くなっているし、すごくグロかったんですよ。「こわっ! 私には絶対にできない!」って思いました(笑)。賭け事も絶対にできないんですよね。命を賭けるとかなおさらできないし、(夢子を演じる)早見沙織さんのお芝居がすご過ぎました!


 

レコーディングは事前に試行錯誤しつつ、本番では感覚的に対応

――オープニングテーマを担当するにあたり公開された、曲についてのコメント動画で"狂った曲"だと言っていたのが、本当にその通りだと思いました。ご自身が聴いた時は、衝撃を受けたのでしょうか?

JUNNA:「作曲してくださった白戸佑輔さん(らしい曲)だな!」と感じました。白戸さんならではの変拍子などもあって、また難しい曲がきたなと思いました(笑)。

最初1コーラス分しかなくて、その後に2番以降が届いたんですけど、聴く前にプロデューサーさんから「2番ヤバいよね」と言われ。その後すぐに聞いたら、「確かにヤバいな、この曲」「歌うの大丈夫かな?」と思いました。

――本当に、「構造がどうなっているんだろうな?」と。レコーディングの時は、どう歌うか固めていくんですか?

JUNNA:レコーディングの前に仮の歌録りをするのですが、そこでわりと固めていっちゃうタイプで。そこで、良かったところや悪かったところを自分で見つけて、本番に備える感じです。

最初に、自分でバーッと歌ってみて何も言われなかったら、それが良かったんだろうなと思うし、そこよりももっと良くなるのであれば、自分で考えて、それを本番でやるという感じですね。ダメなところはプロデューサーさんや、エンジニアさんが指摘してくれるので、そこは一度で直せるように、というのは意識しています。

――曲が途中で終わってしまうような構成になっていますが、あそこは歌う側としては難しいんじゃないかと思うのですが……。

JUNNA:サビ前で勢いが一度止まっちゃうので、その後にどういうテンションで歌ったらいいのかなと、そこは少し難しかったですけど。逆にそこの間を生かして、もっと上をいったらすごくゾワッとするんじゃないのかなと考えました。

そこは重要なところだと思ったので、強く歌うようにしました。

――〈スキ、キライ〉とかなり繰り返すところも印象的でした。ここは、どういうことを意識していますか?

JUNNA:歌の最初の方は、普通に弱い感じで歌って、どんどん強弱を付けていけたらいいなと思いました。

全体的に、相手を挑発するような歌詞のイメージもあったので、それをラストに持っていって、そこは訴えかけるような感じに、相手を挑発するような感じで歌えたらいいなと思いました。ラストの〈スキ、キライ〉だけウィスパーで歌っているので、そこはその前との差をつけられたら、ゾワッとするのかなと考えながら……。

――「歌うのが大丈夫かな?」と思いつつ、以前は、白戸佑輔さんの曲に慣れてきたともおっしゃっていましたよね。

JUNNA:そうですね。難しい曲をいろいろとやりすぎて、もう麻痺して来ているんでしょうね(笑)。なのでこの曲も、やってみたら普通に歌えてしまった……という感じでした。

ただ、後半の部分は重要だなと思ったし、歌詞も結構ドロドロというか怖い歌詞だったので、そこを歌声でどう表現できるかというところで、少し悩んで、深く圧をかけていこうと思ったりしたので、ここだけ雰囲気は少し違うと思います。

――JUNNAさんの歌は、ライブでも心にグッとくることが多いので、感覚的に、感情的に歌っているのかなと勝手に思っていたんですけど、そうではなくて。歌詞から自分が感じたことを、どうやって歌に乗せるのかというのを、ちゃんと考えて歌っているんだなと分かりました。だからこそ伝わるんだなと、改めて思いました。

JUNNA:だいたい歌詞を読んで、ここはこうしたいなというのは考えていくんです。で、周りに言われたことを頭で考え始めると歌えなくなるタイプなので、そこは感覚的にいく感じというか。

例えば譜割りとかなんですけど、急に変えてみてと言われると、前の譜割が染み付いてしまっていて、なかなかすぐに変えるのが難しかったり。その表現はちょっと難しいなということを言われると、言われていることはすごく理解しているんですけど、それを歌声で表現するまでに時間が掛かる時があったりするんですよね。でも、感覚さえ掴めばすんなり歌うことはできます。

――感覚的な部分もあるし、しっかりと考えて出す部分もあるんですね。「コノユビトマレ」のMVの撮影はどうでしたか?

JUNNA:新鮮でした! 今までの作品とはまた雰囲気が全然違うと思いましたし、何より室内で撮れたことが、すごくうれしかったです。「外じゃない!」と(笑)。しかも、あっという間に終わったので、楽しかったぁという感じで。

――ビリヤードには挑戦されましたか?

JUNNA:やりました、やりました。ボールを打つシーンもあったので、スタッフさんに教えてもらいながら。何度か失敗しながらも、ボールが前に飛んでくれて良かったです。

――今回は、表情が印象的でした。

JUNNA:表情を作ることにだんだん慣れてきたというか。アニメも見ていたので、夢子の表情も思い出しながら、夢子はこういう表情で賭け事を楽しんでいるんだなとか、こういう表情ができたらいいなとか、考えながら撮れたので楽しかったですね。

◆「コノユビトマレ」Music Video(short ver.)

実体験を基に作詞や、新鮮なレコーディングを体験したカップリング曲♪

――シングルには3曲収録されますが、2曲目「ともだちと呼べる幸せ」はグッときました。名古屋にいた頃の学校の友達について歌っているのかなと思ったのですが。

JUNNA:これは、友情をテーマに書きました。これまで暗い歌詞しか書いてこなかったので、素直に思いを伝える歌詞も書いてみたらとスタッフさんからも言われて(笑)。ちょうど卒業の季節だったので、それを歌詞にできたらいいなと思って書きました。

――わりと実体験ですか?

JUNNA:ほぼ、というか全部。名古屋にいる友達は今年卒業で、人生の一番大事なターニングポイントに立っていると思ったので……。自分は上京する時がそのタイミングで、みんなに背中を押してもらったり、大丈夫だよって支えてもらったりしたので、それを歌で返せたらいいなと思って書きました。いつか名古屋で歌う機会があればいいなと思ってます。

――やはり、実体験だからこそ伝わる部分がありますよね。タイトルも切ない感じが出ていて良かったです。

JUNNA:スタッフさんからのアイデアで、ずっとタイトルも決まらずに最後に決めたんです。でも、このタイトルが出てきた時に、私も「めっちゃいいな!」と思いました。今回は、歌詞を書くのにものすごく時間が掛かったので、タイトルまで考えられず……。

――どういうところで時間が掛かったんですか?

JUNNA:もう、最初から路頭に迷っていたんですよね(笑)。どう始めたらいいかも分からずに、みんなに助けてもらいながら書いていました。言いたいことはたくさんあるんですけど、言葉をメロディーにはめていくことや、歌詞の構成や流れを決めていくことがまだよく分からないので、それをどうつなげていったらいいのかを教えてもらいながら書いていました。

曲をいただき、普通に1番を全部書いたんですけど、私、譜割りとかを本当に考えられないタイプで。全部「歌えたらいいかな?」という感じで書いていくので、音のハマりが気持ち悪いんですよ。そこをいつも指摘されるんですけど、今回はそこからメロディに合わせた歌詞にしていくのがより難しくて、時間が掛かりました。「こういう雰囲気のことを入れたいんですけど」「この5文字に入らない!」とか相談しながら、作っていきました。

――でも、ストレートな歌詞でしたよね。歌も真っ直ぐで。

JUNNA:そうですね。歌は素直に歌いました。カッコいい曲だと大人っぽさ、ステージに立っている自分をイメージして歌うことが多いんですけど、この曲はステージで歌うというより、誰かの隣で歌うというのを意識しました。あとは、自分の今の素直な年齢感で歌える声で、表現できたらいいなと思いました。

――3曲目の「Sky」は岩里祐穂さんの歌詞で、白戸佑輔さんの作・編曲です。

JUNNA:曲をもらって、歌詞を岩里さんが書いてくれるということだったので、ずっと楽しみに待っていたら、レコーディングの直前に届いて、「覚えなきゃ!」っていう(笑)。

でも、お二人ともレコーディングに来てくれて、譜割りもその場で変わったりしたんですよ。岩里さんが音符に言葉を1つ1つ当てはめていって、「こことここ(の音)をつなげた方がいいんじゃないですか?」と作曲家の白戸さんが言っていたりするのを見るのも、新鮮で、面白いなぁと思いました。

――曲が作られていく瞬間を見ているような感覚ですね。歌う側としては大変そうですけど……。

JUNNA:でも、候補がいくつかあって「JUNNAちゃんが歌いやすい方でいいよ」と言ってくれたので、1つに決まっているより、自分で選べた方が感情も乗せやすくて、歌いやすいなと思いました。

ファンやスタッフとの交流を深め、2019年はチャンスを掴み取る年に!

――ファンクラブ「じゅんな6くみ」もスタートしましたが、楽しみにしていることはありますか?

JUNNA:春にファンクラブイベントがあるんですよ。リリイベはしゃべる時間も短くて、ハイタッチ会も数秒くらいしかしゃべれなかったりするので、ファンクラブだからこそのお客さんと距離の近さを利用し、いろいろな話ができたらいいなと思っています。

――そのファンクラブを含めて、2019年はどんな1年にしたいですか?

JUNNA:ライブはいっぱいしたいです。イベントとかフェスとか、いろいろなところに出ていけたらいいなと思います。音楽活動ではいろいろなチャンスをもらっているから、それを自分でちゃんと掴み取っていかないといけないと感じているので、頑張ろうと思っています。

――確かに、チャンスを生かすも殺すも自分次第ですよね。バンドメンバーとも、だいぶ仲良くなったのではないですか?

JUNNA:福岡公演で忘年会も兼ねて、みんなでワイワイ食事をしたんですけど、バンドメンバーとの親睦もだいぶ深まってきたし、みんなの性格も分かってきました(笑)。

あと福岡では、ツアースタッフの方々ともたくさん話せたんです。いつもそんなにお話しする機会がないので、この機会にいろいろと話そうと思って、「照明のここが好きです!」と言ってみたり。

――そういうの、すごくうれしいと思います。

JUNNA:めっちゃ喜んでくれました。そういうことを話す機会がなかったりするので、機会がある時に、いろいろなことを共有し合えるのは楽しいですね。

しかも、ローディーさんが天然過ぎてめっちゃ面白くて、歳が近いスタッフさんもいるので楽しかったです。

――最後に、今作のように自分で作詞をするチャンスがあれば、今後もやっていきたいですか?

JUNNA:テスト週間とかにかぶってなければ、「やります!」と言おうと思っています。書けたほうがいいと思うし、自分がこういう気持ちで書いたからと、そのまま歌声に乗せやすいんですよね。

作詞家さんが書いてくださったものを理解するのも楽しいんですけど、自分で書いているので歌詞のまま歌えば気持ちが乗るので、作詞はしていきたいと思っています。

[取材・文/塚越淳一]

商品情報

3rd single「コノユビトマレ」概要

発売日:2019年1月23日(水) 
発売:フライングドッグ
販売:JVCケンウッド・ビクターエンタテインメント
 
<収録曲>
1.コノユビトマレ(TVアニメーション『賭ケグルイ××』オープニングテーマ)
 作詞:尾上文 作曲・編曲:白戸佑輔
2.ともだちと呼べる幸せ 
 作詞:JUNNA 作曲:kosekibeatz 編曲:河野伸
3.Sky
 作詞:岩里祐穂 作曲・編曲: 白戸佑輔
4.コノユビトマレ instrumental
5.ともだちと呼べる幸せ  instrumental
6.Sky instrumental
 
JUNNAオフィシャルサイト
JUNNA公式Twitter(@junnarockyou)

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