音楽
10周年を迎えたfripSide|6thアルバムインタビュー

6枚目のアルバムをリリースしたfripSide 「10周年というものがにじんでいるアルバムになった」その制作を振り返る/インタビュー

創作は中国で

──ではサウンド面についてもう少し詳しく教えてください。今作にも、齋藤真也さん、川﨑海さんのお名前がクレジットされている曲がありますが、サウンド面の制作はどのように行われたんでしょうか。

sat:僕と斎藤くんと川﨑君の3人の体制でfripSideのサウンド面を作ってるんですけど、この3人で広州で制作合宿をしたんです。

──制作合宿って毎回必ず行われているんですか?

sat:『2』からかな。アルバムのたびにやるんですよ。僕らの場合って生演奏チーム、クリエイターチーム、エンジニアチーム、毎回同じメンバーで作っているので、アルバム制作というマラソンの走り方が決まっているんです。

アルバムには10曲ほど新曲が必要になるので「いちばん効率よく良いものを作るにはどうやるのがいいんだろう?」と考えた結果、合宿をすることになりました。

──合宿はどんな雰囲気なんですか?

sat:3人机を並べて作っていくんですよ。お互いがお互いを見張ってるから、全員サボレないっていう(笑)。そもそものアウトプットは僕からはじまっていくんです。

そこからアレンジを投げたり、分業にしたり……という感じなんですが、つまり僕からアイデアが出てくるまでは二人ともやることがないから、飯とかを喰ってるわけですよ。「ちょっと、サボらないでよ!」って。

同席していた川﨑さん:(苦笑)。

sat:アイデアあったら作曲して!って。それで彼が作ったのが9曲目の「change your core self」なんです。

──斎藤さんが曲を作られている「brand new world」も中国で完成された曲なんでしょうか。

sat:これも合宿で完成した曲です。僕の曲が一向にできなくて。あ、曲ができないというのは、仕事量的な問題なんです。

当たり前ですけど、僕がいちばん作業が多くて。他の曲の作業をずっとやってるから、すぐに次の曲にいけないんですよ。そんなときに「こんなんできたけど、どう!?って言われて「そのまま使わせていただきます」と(笑)。

──(笑)。<未来><明日>などsatさんならではの言葉がならんだ曲ですよね。

sat:僕の中の中二病炸裂していますね(笑)。

──コーラスもsatさんですか?

sat:あれは僕です。

南條さんも思わず驚いた「明るさ」

──さきほどバラード曲の話題があがりましたが、今作にもミディアムナンバーが多数収録されています。例えば8曲目「frosty breeze」、12曲目「glorious wind」は同じ“風”がテーマになったミディアムナンバーで、どちらもsatさんが作詞作曲を手掛けられていますが正反対の雰囲気ですよね。

sat:そうですね。冬と初春。その季節感ですね。

──春の曲は3曲目「perpetual wishes」(中国ゲーム「ラグナロクオンライン」新エピソードEP3.5「櫻之花嫁」テーマソング)4曲目「rain of blossoms」にもありますが、季節感の流れは意識されたポイントなのでしょうか。

sat:いやー……。意識したんですが難しいなと。春の曲が3曲目、4曲目ときて、そのあと冬になるんですよ。

秋にリリースする作品ということもあって、冬の曲のあとに春の曲で終わったら綺麗だなと思ったんだけど……。春の曲のほうが明るいんですよね。それでバランスに悩んで。春、冬、春、冬ってなっても変だし。

南條:それは情緒が不安定ですね(笑)。

sat:2曲目の「Love with You」が明るいからね。だから「Love with You」から繋がって春にいって、夏はないけど冬にいって……という感じになりました。

南條:最初の数曲を聴くとすごく新鮮ですよね。1曲目の「when chance strikes」は「fripSideです」って感じだけど、2曲目に「Love with You」がきて、さらに明るい曲がきて「今回は明るいfripSideなんだな」って思ったら、だんだん、こう……。

sat:くら~くなってきて……。

南條:「うう……!寒くなってきた!」。

sat:冬を感じるブロックに入っていく(笑)。で、最後は前向きに終わるという。

 
▼「when chance strikes」ミュージックビデオ

 

──そうして、最後は明るいメッセージソング「believe in your future」が収録されています。

sat:なんちゃんが良い歌詞を書いたんですよ。あと、歌がとにかく可愛いんですよ。序盤なんて10年前のなんちゃんの歌声を思い出す感じ。

南條:意外と声高かったですよね。聴いてビックリした(笑)。加工したのかなって思ってた。

sat:してないよ(笑)。

南條:や、やばいですね……!(笑)

──(笑)。どんなお気持ちで歌詞は書かれたんでしょうか。

南條:受け取ってくださるかたの読み方が正解だということは大前提ですが……この曲の歌詞はfripSideを書いてみました。ライブのこと、曲のこと、fripSideとお客さんのことだったり。でも13曲目に入るとは知らずに歌詞を書いていたんですけどね。

sat:僕ね、このサビの終わりの<君を後押しする>という歌詞を目にしたとき、すっごくビックリして。このワードは僕からは出ない。「まいった、これは凄い」って。メロディとワードがピッタリとハマっていい曲になったなって、それで最後に持ってきました。

──1曲目「when chance strikes」との対比も鮮やかですよね。

sat:「when chance strikes」は“俺くさい”って感じの歌詞ですね(笑)。ライブを意識した歌詞なんですよ。ライブってその時その時で全然違うし、たった一回しかないもの。その時間をみんなで大切に共有しようねって曲なんですよ。まぁ……薄っぺらい歌詞なんですよ……。

一同:(笑)

──いやいやいや!

南條:そんなこと言ったら私も……。

──そんなことないですから!(笑)

一同:(笑)

──satさんらしい言葉からはじまり、南條さんならではの言葉で終わる。グッときます。

sat:そうそう。『1』と前作もそのパターンで。メッセージ性のある歌詞って彼女のほうが得意なんです。お客さんに届く曲を最後に入れたいなと思ってこの位置にしました。

──個人的に気になっていたんですが、fripSideらしい言葉、メッセージがアルバム全体に散らばっているなかで<今>という言葉が光ってますよね。

sat:<今>ってすごく大切にしてるんですよ。このアルバムがとどくとき、このアルバムの曲を聴くときって必ず今なんですよね。時間軸はすごく重要だと思っています。

──ところで、こうして話していたらあっという間にインタビューの時間が終盤になってきまして……。

南條:10年もあっという間なので、仕方ないです。

sat:そうだね(笑)。

──(笑)。最後にツアーファイナルである4月5日(日)の横浜アリーナ公演(10th Anniversary Tour 2019-2020-infinite synthesis 5- FINAL)に向けてコメントをいただけないでしょうか。

南條:横アリは前回のライブ(2015年)の印象がかなり強烈で。すごく特別な会場です。大きい会場なのでプレッシャーもあるんですけど楽しさのほうが勝っています。演者もお客さんも全員死ぬセトリになるんじゃないかなぁと(笑)。

ツアーを着実に積み上げつつ、ファイナルである横アリも楽しみにしています。皆さんも楽しみにしていてほしいです。

sat:なんちゃんと同じくですね。前回楽しかったなぁという記憶があって。初心に戻って、どんなライブが楽しいのか熟考したうえで臨みたいと思っています。

 
〔インタビュー・逆井マリ〕

 

この記事をかいた人

逆井マリ
神奈川県横浜市出身。音楽フリーペーパー編集部を経て、フリーのライターとしてインタビュー等の執筆を手掛ける。

 

商品情報

fripSide 6thAlbum「inifinite synthesis 5」

2019年10月30日発売

【初回限定盤】(CD+Blu-ray)
品番:GNCA-1558
価格:5,830円(税込)

 
【初回限定盤<CD+DVD>】
品番:GNCA-1559
価格:5,500円(税込)

 
【通常盤】
品番:GNCA-1560
価格:3,300円(税込)

 

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