TVアニメ『ネコぱら』OP＆ED主題歌リリース記念！八木侑紀×佐伯伊織インタビュー｜ショコラやバニラらしさを出す工夫、こだわりとは？

息の量を調節しました(佐伯)

――エンディング主題歌「陽だまりの香り」は、オープニングとは真逆のゆったりした楽曲です。こちらを聴いたときの印象はいかがでしたか？

八木：私、個人的にこういうヒーリング音楽というか、ピアノの音の入っている曲がすごく好きで。第一印象は「自分の好きな曲だな」でした。寝る前に聴きたくなる曲だなとも感じていて、ネコたちに囲まれながらすやすや眠れるような気がします。ほんと癒されますよね。

佐伯：私は逆にアップテンポの曲が好きなので、バラードは今までそんなに聴いてこなかったんです。でも、この曲はバラードだけど盛り上がるところもあるし、ピアノも綺麗だし、掛け合いのところも好きですね。とにかくメロディーがすごく好きなんですよ。

――メロディーとしては、3拍子のワルツ調になっています。

佐伯：小さい頃はクラシックが好きじゃなくて、ワルツの良さもわからなかったんですよ。大人になってからゆったりとした綺麗な曲の良さがわかってきて。この曲も聴いた時「こういうのっていいな」と感じましたね。

八木：私はもともとピアノをやっていましたし、バレエもやっていて、クラシック音楽をよく聴いていたので体に馴染みました。3拍子とか、ちょっと変わった曲調も好きだったんですよ。逆にオープニングのような曲は馴染みがなく、最近勉強している曲調だったので、好きな楽曲もチャレンジしたかった楽曲も歌わせていただける、なんていい作品なんだと思いました(笑)。

――2人はかなり対照的なのですね。佐伯さんは何か習っていましたか？

佐伯：私もピアノを習ってはいたんですけど、当時は良さがわからなかったんですよ。バイエル(基礎的なピアノ教則本)が終わらなかった女なので(笑)。

八木：私は(小さい頃は)ベースとかドラムの良さがわからなくて(笑)。

佐伯：そうなんだ。私はベースが一番好きかな。

八木：声優のお仕事をさせていただくようになって、ライブを生で見るようになってから良さがわかりました。今ではどちらも好きですね。

――八木さんにとって馴染み深い曲調とのことでしたが、こちらは体を動かすこともなく歌えた感じですか？

八木：それが……慣れすぎているからか、自分の思い描く歌い方になりすぎて最初はショコラが飛んでしまったんです(苦笑)。「ショコラっぽさが足りないので、ショコラだと思って歌ってみてください」と。あまりにも穏やかだったから「それはバニラです」とも言われてしまったんですよ(笑)。なので、穏やかに歌う中にも、ショコラの可愛さや跳ねている元気の良さが伝えられるように頑張りました。

――佐伯さんはいかがですか？

佐伯：ゆったりまったり、まどろんで歌っていればバニラに聴こえるんですけど、この曲を歌う時は“息の量”を調節しました。

――息の量？

佐伯：息を何％入れるか、つまり“息声”と芯のある“実声”を何対何の割合で混ぜるかを考えたんです。

――ざっくりと「多め」「少なめ」ではなく、かなり具体的に考えるのですね。

佐伯：バニラはもともと息の多い子なんですけど、歌う時って息が多すぎると実際に生で歌えなくなるんですよ。だから、その塩梅を考えながら「息多めでいきましょうか」「もっと優しく歌いましょうか」みたいに調整しました。気持ち的な話になりますが、8割ぐらいを基準に息を多めに柔らか〜く歌うことを意識した感じです。

八木：すごい！