VTuber界初の全国Zeppツアーが札幌から開幕！『にじさんじ JAPAN TOUR 2020 Shout in the Rainbow！』開幕札幌公演レポート｜出演：御伽原江良、童田明治、物述有栖、緑仙、シスター・クレア

100人を超える個性豊かなバーチャルライバー（VTuber）が所属し、昨年、幕張メッセと両国国技館での大型音楽ライブも大成功させた人気VTuberグループ「にじさんじ」が、初の全国ライブツアー『にじさんじ JAPAN TOUR 2020 Shout in the Rainbow！』をスタート。

その幕開けとなる札幌公演が2月9日（日）に、Zepp Sapporoで開催された。

物述有栖の初音ミク曲カバーでツアー開幕！

札幌公演の出演者、御伽原江良、童田明治、物述有栖、緑仙、シスター・クレアを紹介するオープニング映像に続いてステージに現れたのは、青いドレス姿の小柄な少女の後ろ姿。

長い金髪と大きなリボン、ふんわり膨らんだスカートを揺らしながら振り返った物述は、初音ミクの『白い雪のプリンセスは』を披露。細い手足を大きく動かし踊りながら、高く澄んだ歌声を響かせた。

雪の結晶が舞いオーロラも浮かぶステージは、冬の夜空にも見えるが、優しい歌声で会場はどんどん温かくなっていく。

ラストの高音も伸びやかに歌い切ると、「てんきゅー」とお決まりの挨拶。さらに、去り際には振り返ってウィンクと投げキッス。

配信者としてのプロ意識やスペックの高さから「物述プロ」と賞賛されてきた16歳のJKは、一瞬の隙もなく可愛い「物述有栖ワールド」を展開。

昨年のライブ以上にクオリティアップした映像演出や3Dモデルの精度も含めて、期待と想像を越えるステージを披露し、Zeppツアー全体でもトップバッターという大役を成し遂げた。

ステージ暗転から数秒後、再び明るくなると、物述とシスター・クレアが背中合わせに立っている。2曲目は、2人のユニット「pure♡palet」のオリジナル曲『pure♡paletワンダーランド』だ。

人気声優の小倉唯やAKB48などの楽曲でも知られる川西竜弥の作曲した王道アイドルソングを、可愛い女の子が大好きなJKと、アイドル大好きシスターが可愛く踊って歌う。

曲のテンポは速く、2人の振りもアグレッシブだが、ステージからは可愛さとともに清楚な空気も放たれている。尖った個性の持ち主が多いVTuber界の中では希少な「真・清楚」の2人だからこそ作り出せるステージだった。

緑仙、懐かしの初期アイマス曲で札幌を湧かせる

3番目に登場したのは、歌唱力に定評があり、100曲以上も歌動画をアップしている緑仙。ステージ中央に現れると同時に流れたイントロで、会場が大きくざわめく。

超人気ゲーム『THE IDOLM@STER』最初期の楽曲の一つである『エージェント夜を往く』だ。

双子の小学生アイドル双海亜美と双海真美のバージョンが空耳ネタの動画などで人気を集めたが、元々はボーイッシュなアイドル菊地真の持ち曲。

性別不明の緑仙にぴったりとハマる曲調な上、ファンのオタク心もくすぐる、さすがの選曲だ。空耳ネタの「とかちつくして」（本来の歌詞は「溶かしつくして」）もしっかり入れていた。

ライブ後、友人から「『とかちつくして』の『十勝』にちなんだ選曲では？」という指摘を聞き、「なるほど！　さすが緑仙！」と感心したのだが、真相も気になる。

4人目の御伽原江良も緑仙に続いて、ネット人気が高く少し懐かしい曲をチョイス。アニメ『きらりん☆レボリューション』のオープニング主題歌『バラライカ』を歌った。

3Dモデル初披露となった昨年12月の両国ライブでは、普段の言動（「できるだけ部屋の外に出たくない」など）からは想像できないキレキレのダンスを目にして驚くと同時に、意外な才能と積み重ねてきた練習量を実感し、「これは解釈違い」と困惑もしたが、今回の札幌公演に関しては、御伽原のダンスも特に楽しみだった要素の一つ。

その期待通り、登場時の決めポーズからイントロでの客煽り、サビでのコザックダンス風の振りなど見せ場の連続。細く長い腕は大きくしなやかに動き、抜群のリズム感で難しいステップも見せていく。

『バラライカ』という選曲も、ルックスも動きも派手でステージ映えするギバラにぴったり。歌い踊っている時の御伽原江良は、歌声も含めて紛う事無きアイドルだった。

物述、シスター・クレア、緑仙、御伽原の4人でのMCを挟んだ次のブロックは、シスター・クレアの『歌に形はないけれど』でスタート。

この曲も札幌に縁のある初音ミクの曲で、人々を癒すためにバーチャルライバーになったシスターにぴったりのバラード。歌声だけでなく、間奏中、客席に向かって笑顔で手を振り続ける姿など一挙手一投足からも優しさが伝わってくる。