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『映像研には手を出すな!』伊藤沙莉×齋藤飛鳥インタビュー

『映像研には手を出すな!』伊藤沙莉さん×齋藤飛鳥さんインタビュー|アニメと実写の浅草氏の対談が実現! ふたりが考える浅草氏の姿とは?

大童先生の効果音がガチすぎる

――浅草の好きなところや憧れるところ、共感するところがあれば教えてください。

伊藤:私のパブリックイメージって、誰にでも「こんにちは!」みたいな風に思われがちなんですけど、本当はけっこう人見知りで。

初めての人に会ったりすると、浅草氏までは表に出ないんですけど、心の中はけっこう浅草氏と同じぐらいキョドってたりしてます。

ああいう意味不明というか(笑)、言葉使いがとっ散らかっちゃう感じとかはよく分かるし、自分だけの謎な言葉を生んだりするのにはすごく共感します。

演じるにあたって「この子は人の前では、なにかをかぶっていないと接することができないから、ちょっと大げさでいいよ」とお芝居をつけてもらったので、だから江戸っ子っぽいというか。自分の中で、よいしょってしないと人としゃべれないという部分にすごく共感しますね。

――心を寄せられるキャラクターなんですね。

伊藤:そうですね。すっごい愛おしいです。

――好きなことになると熱い面が出てくるのも魅力的です。

伊藤:そこもすごく好きですし、三人のバランスがいいんですよね映像研って。

現実を叩きつける金森氏、理想含め自分のやりたいことを突き通す水崎氏、想像の世界を繰り広げつつも、「こうしたらどうだろう」みたいな、最終的に意見をまとめるのは意外と浅草氏だったりとかして。そこに、浅草氏のカッコよさを見せつけられます。

喋るスピードとかは違えど、お芝居の話とか自分の好きなことに関してどこか譲れなかったりだとか、ここだけは突き通したいみたいな、ちょっとした芯の部分にも共感しますね。

――たしかに三人のバランスが素晴らしいと思います。現場では三人の熱気や、チームワークは感じられますか。

伊藤:モノづくりということに関しては、どの現場でもそうだとは思うんですけど、とにかく作品が良くなることを一番に考えている人たちが集まっているから良かったな、と思いました。

「自分はこのシーンでこうしたほうが面白いと思う」とか「このシーンでは水崎氏がこう出てくるから自分はちょっと控えめにいこう」だとか、我が強いわけでもなく、基本的にバランスが考えられる方々だったんですよね。

プロの声優さんの姿を見てめちゃくちゃ勉強になりましたし、同じ熱量で、同じ方向を向いているというのは、本当に大きかったなと思います。

――齋藤さんはいかがですか。

齋藤:誰に対してもひとつ演じているというか、違う人になって接している、本当の浅草を人に見せない感じが好きですね。

私もお芝居で、例えばこのシーンでは落語家さんを研究してやってみよう、江戸っ子をやってみよう、という風にいろんなキャラクターになりきってやっていたので、そういった自分を作りながら接するというのには共感しました。

接し方をちゃんと変えられる人が好きなので、浅草はそういうタイプな気がしてすごく好きですね。

――おふたりの話に共通して出てきましたが、江戸っ子をイメージされていたんですね。

伊藤:口調がね。

齋藤:そうですね。べらんめえ口調というか。

――確かに! ほかに大事にされていることはありますか。

伊藤:ギャップですかね。オドオドしているときと、想像の世界で活き活きしているときの、まったく別人に見えるぐらいの違いは浅草ならではなのかなと思います。

齋藤:私もそうですね。浅草がバーッて喋っているときのことを私たちは“覚醒”していると呼んでいて、覚醒しているときの浅草と、普段の弱気な浅草と、べらんめえの浅草と……みたいないろんな姿があるので、すごく使い分けました。

――いろいろな面が演じられる面白いキャラクターですね。原作を読んでみて面白いなと感じた部分や、表現していきたいと思ったのはどんなところですか。

伊藤:端から端まで面白くて、ひとりひとりのペースじゃないと読めないくらいの情報量があるので回収しきれるのかな? と思いました。

あとは、アニメの分野以外にも工具系だとか専門用語がたくさん出てくるんです。観ている人が置いていかれるのも正解だし、置いていかせないのも正解なので、その中間くらいを意識しました。

アニメでも文字が出て説明されているので分かりやすくなっているんですけど、ただ早口にならないように、声だけでも具体的に説明できているように喋りたいなとは思っていました。

――ロボ研とのやりとりも喋っている内容がまるで謎でした。

伊藤:ホントに謎でしたね(笑)。事前に調べてはいるんですが、毎回三人で「あれってどういう意味でした?」みたいな話をひたすらしていて、収録外でも『映像研』っぽい会話になってました。

齋藤:実写化をどうやってやるんだろうっていうのがとにかく大きかったです。原作を読みながら実写のシーンでやるなら? と想像すると頭がこんがらがってしまうので、原作は原作として向き合いました。

実写化にあたって、キャラクターに寄せすぎちゃうと良くないと思っていて。現実にも浅草みたいな人っているよなと思ってもらえるように意識しました。もちろん、原作ファンの方にも喜んでもらえると嬉しいですが、漫画からそのまま出てきましたという感じよりは、少し現実味をプラスできたらなと思っていました。

――舞台となった学校など不思議な空間が多い『映像研』ですが、そのあたりも苦労されたんでしょうか。

齋藤:そうですね。原作でフキダシが変な方向に出ていたりする表現も、現実ではどうやればいいのか分からなかったんですけど、ロケ地含め、美術さんや技術さんが細かく作ってくださったので、三人が立てば『映像研』の世界になりました。

自分たちも動線などを細かく決めながら作り上げていったので、ここは上手くいったなみたいな手応えも実際に見てみないと分からないですね。

――映像研の三人が想像して世界が広がっていくわけですが、まさにそういったことをやりながら撮影は進んだんですね。

齋藤:そうですね! 毎日三人で想像力を働かせながら撮影していきました。アニメでは効果音が全部浅草の声じゃないですか。あれが三人ともすごく好きで、どこかでやりたいみたいな話もしてました(笑)。

――あのシーンは大童先生がやったのをみなさんが真似したと伺いました。

伊藤:大童先生がやられたのは正直真似できなかったんですよ、本格的すぎて(笑)。

一同:(笑)。

伊藤:本格的すぎて、浅草たちがやっているのではない、ただのSEになってしまうというか(笑)。出し方がもう完全にプロで、風の音とかも「ヒュー、ヒュー」ではなく「ホロロロロ……」みたいな(笑)。それを参考にはしつつもあくまで浅草たちとしてやりました。

最初はなにをやらされているのかさっぱりだったんですけど、だんだん楽しくなって。最後のほうは「なんか(SE)少ないなこの回……」みたいに少し残念になったりもしました(笑)。

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