スフィア10周年ライブ“ふつかめ”レポート｜前代未聞の全曲ライブ！ 84曲完走の先にあった感動の景色「私の大好きなスフィアは、皆さんのおかげでスフィアです」

あたたかでカラフルなスフィアらしいステージ

次のブロックは2ndアルバムのタイトル曲「Spring is here」からで客席が桜色に染まった。曲終わりにステージに横一列に並んでポーズをキメたかと思うと、それぞれのイメージカラーのトロッコへ。

元気よく「Stop Motion」を届けていると、客席後方でトロッコがストップ。「今からこっちが最前列です！」（戸松さん）と「By MY PACE!!」を熱演する。「イマジネーションは止まらない」からは、花道の先のステージ戻り客席の上手・下手を向きつつパフォーマンス。座席の位置関係なく、それぞれの心にスペシャルなものを届けたいという彼女たちの志を改めて感じるかのようだった。

また、この日は歌詞がスクリーンに投影されていたのだが、ミディアムナンバー「Hazy」の“明日へ繋がる”歌詞は、エモーショナルなメロディと相まって胸をうつものがあった。この歌詞の演出について「今日は歌詞も出ていて。改めて詞を目にしていただくことで、目からもスフィアの曲を感じていただけるのではないかなって」と高垣さん。

また、「リハーサルはバンドさんたちも私たちも頭をウーンとさせながらやってたんですけど、“全曲”だけに“全記憶”を蘇らせようと──。アリーナでこんなダジャレ、アリナン？」と得意のダジャレを連発し客席が沸いた。

リハーサル中に訪れた戸松さんの誕生日（2月4日）の話題へ。戸松さんがカメラに向かって星と月がモチーフとなったイヤリングを見せ「これ、3人からもらった“クリスマス”プレゼントです！」と発言し、「誕生日だから！」と総ツッコミが入る場面もあった（笑）。

しかも「昨日持ってくる予定で“絶対持ってくる！”って言ったのに忘れちゃった」そう。昨日も「ど頭のMCでライブタイトルを“全員集合！”って言って。ある意味間違いじゃないけど！」（豊崎さん）と戸松さんの天然エピソードに笑いが起きた。自然体の4人の姿がステキだ。

4つのトロッコが会場を染め上げる

いよいよ中盤戦というところで青のドレスに衣装チェンジ。「一分一秒君と僕の」のあとには、初披露となる「Life is Wonder!!」をお届け。寿さんが考えたという振付がエネルギッシュでカッコいい。

「タイムマシン」以降はミディアム系の染みわたるような曲を。4つのトロッコの移動に合わせて、客席がメンバーカラーに染まっていく。スフィアとファンの強い絆を感じるかのような光景で、スフィアの4人も嬉しそうな表情を浮かべる。戸松さんが語る。

「みんなが笑顔で手を振ってくれるのがすぐそこに見えて、すごく嬉しいです。今回は私たちの“いつかやりたいなぁ、アハハハ”っていう発言が実現して今日に至るんですが……。いままではどの曲をセットリストに入れるのか悩んでいたんですが、全部入れられるとなるとこれはこれで難しくって。会議に会議を重ねました」

球体が描かれたステージ、演出も含め「みんなで心を込めて作りました！　これからもまだまだついてきてください！」と語気を強めた。

「synchronicity」からはじまったブロックは、「本当だから困るんだ」など甘酸っぱいラブソングや振付曲、「優しさに包まれるように」を筆頭とした温かなミディアム曲をプレゼント。そこから続いた「Sincerely」は、ひときわ感動的だった。

いよいよ後半戦。今までのライブ衣装の生地を繋げたというカラフルなドレスに着替え「Non stop road」をパフォーマンス。名曲「キミが太陽」では再びトロッコに乗り込み、一人ひとりと視線を合わすように歌っていく。どんな場所にいてもスフィアのエネルギーは届いてくるが、距離がグッと縮まるのはやはり嬉しいものだ。

余談かもしれないが、実際目が合ったであろうファン2人が、その直後に抱き合い喜びを分かち合っている姿が目に入って、胸がいっぱいになってしまった。みんな最高の笑顔である。その人にとっての特別な瞬間をたくさん生み出したあとの「キミ想う旋律」の大合唱はとりわけ胸に染みた。

豊崎さんの「まだまだ皆さんを盛り上げていきます！」という言葉通り、「Miracle shooter」では宇宙にも届くくらいのエネルギーを放射。最新アルバム『10s』で4人それぞれにフォーカスした個性豊かなナンバー「CITRUS＊FLAG」、「My Sweet Words」、「SPOTLIGHT」、「パルタージュ」が連続での披露となった。