『ネコぱら』監督・声優陣が全12話の物語を振り返る！｜山本靖貴×八木侑紀×佐伯伊織×森嶋優花座談会【後編】

1月から放送してきたTVアニメ『ネコぱら』が最終回を迎えました。パティスリー「ラ・ソレイユ」を舞台にした個性豊かな人型ネコたちが織りなすハートフルストーリーは、最後まで『ネコぱら』らしさが詰まった内容でしたね。

アニメイトタイムズで毎週掲載してきたインタビュー連載も最終回。第12回は、前回に続き監督・音響監督を務めた山本靖貴氏、ショコラ役・八木侑紀さん、バニラ役・佐伯伊織さん、カカオ役・森嶋優花さんにお話をうかがいました。

最後にカカオがいなくなる案もあった!?

――全12話を走り抜けた感想をお聞かせ下さい。

山本靖貴監督(以下、山本)：絵やキャラクターの魅力はもちろんですが、それを声優陣が十二分に引き出してくれて、自分が思った以上に楽しいものにしていただきました。それは見てくださった皆さんにもすごく伝わったと思います。

――第11話が感動ストーリーでどうなるかと思いきや、第12話はみんなで海水浴にいくお話でした。どのような意図でこの内容に？

山本：やっぱりしんみりするよりも、これが『ネコぱら』だよねと。原点に戻るといいますか、最後はワイワイ馬鹿らしいことをしながら「こいつら可愛いな」と楽しんでいただきたいと思って、ファンサービス的な内容にしました。海は途中の話数でちょこちょこキーワードとして出てきているので、やっぱりきたなと思う人もいれば意外に感じた人もいるんじゃないですかね。

――3人は演じてみてどうでしたか？

八木侑紀さん(以下、八木)：監督がおっしゃる通り、演じていて1話の気持ちが蘇りました。心を打たれるお話や寂しく感じるお話もあった中で、12話は安定感があって、この日常が13話、14話も続いていくような気持ちで演じさせていただきました。このまま終わらないで欲しいという気持ちにもなりましたね。だって、日常って終わらないじゃないですか。

佐伯伊織さん(以下、佐伯)：そうだね。あと、実は11話までにあった流れが12話でも繰り返されたりしているんですよ。例えば家に入ってくる時のセリフとか、懐かしさを感じられる展開になっています。こういうほんわかしたアニメは、私も温かい気持ちで笑顔になって終わりたいので、最後に「ようこそ」と言って終わるのが素敵だなと思いました。

森嶋優花さん(以下、森嶋)：私もアフレコが終わる感じがしなくて、来週もみんなで集まるんじゃないかなって(笑)。ストーリー自体も『ネコぱら』らしいですし、まだ続きそうな感じをお届けすることで、これからも『ネコぱら』を好きでいてくれる内容になったと思いました。

佐伯：とりあえずカカオがいなくならなくてよかった。

八木：本当に。ドキドキしました。

――前回のインタビューで、後半はシリアス展開にする案もあったと話していましたが、カカオがいなくなるエンドも案としてあったのですか？

山本：一応ありました。最後は涙の別れみたいな。

八木・佐伯・森嶋：えー!!

山本：カカオはアニメオリジナルだから、原作には存在しないじゃないですか。今後原作でカカオをどう扱うか難しくなるようだったら、アニメの中で完結させるために最後いなくなっちゃえばいいかなと(笑)。でも、微妙な気持ちになると思ったし、それだったら原作にカカオを登場させて世界が広がっていけばいいじゃないかということで、この形に収まりましたね。

――そんな第12話で、特に好きなシーンをあげるならどこですか？

佐伯：水着を選んであげるところが可愛かったよね。

八木：うん。(自分が)本当に選んでいる気持ちでした。