声優
釘宮理恵7年10ヶ月ぶりのミニアルバム「せめて空を」インタビュー

釘宮理恵さん「せめて空を」インタビュー|7年10ヶ月ぶりのミニアルバムは優しいサウンドが包まれているとっておきのお手紙

テーマはあるようでない? ないようである?

――曲に込めたものがそれほどないと先ほど仰っていましたが、それぞれの曲にある程度のテーマはあったりするのでしょうか?

釘宮:それもホントにないんですよ。「premier」は一番最初に録った曲なので、曲も歌詞も作曲家さんと作詞家さんが作ってくれた大好きなものをそのまま使わせてもらっているんです。

「曇り空の晴れ間を 朝と夜の隙間を」という歌詞がすごく好きで。こういう、一瞬を感じたいというか、ふと通り過ぎていっちゃうようなところを、それぞれ自分のタイミングで掴んで「ああ、今だな」と思える不思議な感覚ってあるじゃないですか。それを的確に掴んでいる歌詞だなと思います。都会っぽくもあり、けどセピアっぽくもある全体的な雰囲気が素敵ですね。

2曲目の「Jelly fish」は、なにが好きかと言われたら、私は「クラゲが好きです!」と答えたことから生まれた曲なので、まさにクラゲって感じのイメージで作ってもらってます。なのでテーマを言うとしたら……クラゲですね(笑)。

一同:(笑)。

釘宮:あのふわふわしている存在感がビジュアル的にも癒されますし、よく分からないあの生態が好きで。クラゲそのものっぽくもあり、クラゲを見ていて和むなって思っている気持ちでもあり……というふわふわ感を出してもらいました。

最初にいただいていたコーラスやハモのメロディが、やっぱりちょっとイメージが違う気がしますと伝えたところ、作り直してもらってまた録り直したり、間奏部分のピアノも調整してもらったりと、よりクラゲ感というか、私の思っている形になるように相談しながら作らせてもらいました。

3曲目「vilenmua」は、ほかの楽曲が揃ってきたタイミングで、ゆったり目の曲が多かったので、明るくテンポのある曲があってもいいですねという話になり、イントロ部分がすごくにぎやかで、元気っぽい、テンポのあるこの曲がやりたいです、ということで作らせてもらいました。

でも、いざ歌い始めてみると冒頭からすごいふわっとしていて(笑)。

一同:(笑)。

釘宮:テンポがあると思って入れたのに(笑)。それでも、結果的にほかの曲とは違うふわふわ感が出せたと思っていて、これはこれでアリなのです! ということで。びっくりしましたけどね。こんなにふわっとなるんだと思って。

――「vilenmua」というタイトルはどういう意味でしょうか?

釘宮:これは作詞家さんのriyaさんが考えてくださった、オリジナルの「riya語」と呼ばれるものなんですけど……。私また調べてくるの忘れちゃいました。なんて意味でしたっけ(笑)?

一同:(笑)。

釘宮:(調べてから)古典ギリシャ語の「光」と「道」を組み合わせた言葉みたいです。でも造語なので、何者であって何者でもないみたいな感じですね。そのまま「光の道」と捉えるのもまた違う気がします。

――なるほど。

釘宮:次の4曲目の「記憶メヌエット」の作詞のrinoさんとは、以前からキャラソンなどでご一緒させていただいていて。スタッフさんとrinoさんが話し合い「釘宮さんは今までキャラソンをものすごい数やってきて、メッセージとかそういうものは散々やってきているので。そういった曲ではないものを」と用意してくださったものです。

私のこの感覚をすっごく汲んでくれた歌詞だなと思っています。言葉が本当に美しくて、楽曲とも相まって物語がボンボン生まれてきそうな、予感に満ちているような歌詞になっていてすごく嬉しかったですね。rinoさんと通じ合ってる! みたいな(笑)。

――続いての「空のアルカナ」は?

釘宮:5曲目の「空のアルカナ」は、こちらもまたriyaさん作詞の曲で、テストのときに、もともといただいていた曲よりもさらにゆっくりのテンポで歌いたいとお願いしました。

もともとは、なだらかにゆるやかに歌う曲だったんですけど、それをひとつひとつ言葉をポツリと置くように歌ってみた曲です。最初のときよりも曲の中に入っていける没入感があって、こんな感覚で歌えるんだなと思いました。

アルバム全体もそうですが、キャラソンのときとは違う、普段喋っている感覚で歌いたいと思っていて、それに近い感覚で歌うことができました。歌いながらリラックスできる、そんな曲になったかなと思います。

――最後に6曲目「月明かりのカノン」は?

釘宮:「月明かりのカノン」は最初のほうに作った曲です。アルバム全体の雰囲気を、毎日いろんな日常を生きていく中で、元気な日もそうじゃない日も、一晩眠ったらまた新しい一日が始まる、明日も頑張ろうと思えるけど決して押し付けない、といったものにしたいと思っていました。

その雰囲気を汲みとって、こういうメロディ、こういう歌詞が付いてきたという楽曲ですね。新体制になっての1曲目だったので、ほかを録り重ねていくなかで、この曲だけ、どシリアスで暗いんじゃないか? という心配があとからどんどん湧いてきたんですけど、いざ通しで聴いてみると、すごくなじみましたね。

この曲は比較的メッセージ性のある歌詞だと思っています。「光と翳りの全てを愛したい」とかも、すべてを愛すのは難しいかもしれないけど、光だけではいられない、翳りだって悪くないと思えるところまでいけたらいいな、と共感しますし、「翼がないのならせめて空を見よう」という一行はタイトルを決めるときにパッと思いつきました。

タイトルにするような表題曲がなかったのもあるんですが(笑)、まったく違う単語などを持ってきてもいいかなと、なんとなく考えながらヒントを探して歌詞を思い返したときにパッと思いついて。そのままだと長すぎるし、意味深すぎるので「せめて空を」という一部を抜き出したものになりました。

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