桜井と宇崎は静と動のような関係性？　演じる上では桜井をサンドバッグにしやすくなるように!?　夏アニメ『宇崎ちゃんは遊びたい！』桜井真一役・赤羽根健治さんインタビュー【連載第2回】

普段の宇崎はきっと女性として、すごく魅力的な子

――共感できるところも多いという桜井ですが、演じる際、特に意識していたことを教えてください。

赤羽根：なるべく、等身大の大学生になると良いなとは思っていました。音響監督のえびな（やすのり）さん、三浦（和也）監督さんとも「わりと普通な感じのお芝居で」と仰っていたので。

――意識的なキャラ立てをあまりしないということですね。

赤羽根：はい。基本的に桜井は、自分からアクションを起こさない受け身な人間で、宇崎がかき回す役。静と動みたいな関係性になっているから、宇崎から投げられた球を普通に受け取って普通に返す。余計なことはしないというのを一番気にしていました。

だから、なるべく宇崎役の大空（直美）さんが好き勝手にやりやすいように、（桜井を）サンドバッグにしやすくなると良いなと思いながら演じていましたね。とはいえ、宇崎へのツッコミとか桜井が頑張るべきところでは、自分もちゃんと頑張りましたが。

――桜井の受け身なタイプというところも、赤羽根さん自身と重なるところですか？

赤羽根：すごく重なりますね。声優業界という芸能の世界で仕事をしているのですが、その中で僕は受動的なタイプ。今の事務所（青二プロダクション）に入る時、専門学校の先生にも「お前が青二プロダクションに入るのは心配でならない」って言われました（笑）。

――青二プロダクションさんは所属声優の数も非常に多いので、その中で埋もれてしまうのではないかと心配されたのですね。

赤羽根：そうなんでしょうね。その頃から僕は自分から動くタイプではなくて、与えられたものをきっちり頑張りたいというスタンスの人間だったので。自分の中で勝負どころだけ決めて、そこで勝負というタイプ。全部の事にガツガツはいけないんですよ。

桜井とは、そういうところも本当に似ています。それに、自分から人のことをあまり誘えません。遊びとかに誘われるのは嬉しくて、スケジュールさえ合えば参加したいと思うんですけれど、自分から誘って自分のために時間を作ってもらうことに対しては申し訳ない気持ちになるんです。

自分ではそういった生活が辛いとは思ってないのですが、周りからは、宇崎から見た桜井のように見えているかもしれませんね（笑）。

お話ししながら思い出しましたが、事務所の同期みんなが知っていることを僕だけ知らなかった、なんてこともあったりしました。別にのけ者にされているわけではなんですけど、「こういうことがあったよね」と言われて「何それ？」って（笑）。

――では、宇崎については、どのようなところに特に魅力を感じますか？

赤羽根：なんだかんだ一途ですよね。それでいて、意外と尽くすタイプというか、面倒見も良くて、第3話で桜井が風邪を引いた時にも看病に来てくれたし。見た目は割とボーイッシュで若干中性的な感じもありますが母性も感じさせる。

それに、桜井に対しては、すごくいじってきますけど、意外といくつかの顔があるタイプで、大きなところで言えば、桜井向けの顔と、普段の顔がありますよね。

桜井に対しては、桜井が受動的ということもあってウザ絡みするし、それを楽しんでいる節もありますが、普段の宇崎はきっと女性として、すごく魅力的な子だと思います。料理も得意だし、いわゆるスペックが高い女の子かなって。

――ウザいところはあるけれども、嫌な子だったりはしないですよね。

赤羽根：そのウザさも明らかに桜井にしか向けてないですしね。桜井を抜きで考えたら、学校でもすごくモテる女子のはず。

でも、桜井しか見てないことは周りの人間にも分かるから、「どう見ても桜井のこと好きじゃん」みたいな感じで、みんな諦めてるのかなって思います。