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仲村宗悟さん 3rdシングル「JUMP」発売記念インタビュー

仲村宗悟さん 3rdシングル「JUMP」発売記念インタビュー|仲村さんが語る、歌詞に込めた前島の挫折や仲間への想い、新しい夢を見つけた素晴らしさ

2月10日にリリースされる仲村宗悟さんの3rdシングル「JUMP」。現在放送中のアニメ『スケートリーディング☆スターズ』のED主題歌で、自身で作詞も手掛けています。主人公の前島の想いや戌尾ノ台高校のメンバーとの関係性を描きつつ、誰にでも響くチアソングにもなっています。

今回は3rdシングル「JUMP」の発売を記念し、仲村宗悟さんにインタビューを実施しました!

カップリング曲「てこと」と「オブラート」は自身で作詞作曲した楽曲で、共に人との繋がりを歌っています。リリースを控えた仲村さんに2020年の音楽活動を振り返りつつ、『スケスタ』の印象や「JUMP」に込めた想いを語っていただきました!

 

2020年はTV番組テーマ曲に配信シングル、デビュー1周年生配信イベント開催など濃密な1年。

――2020年の音楽活動を振り返っての感想は?

仲村宗悟さん(以下、仲村):まず3月11日に2ndシングル「カラフル」をリリースして、その楽曲がTV番組『スッキリ』のテーマ曲になって自分自身もビックリしました。「こんなこともあるんだ」って。

それからはコロナ禍のため、なかなか皆さんの前で歌えなかったのですが、別の形で僕の音楽をお届けすることはできたのかなと。配信シングル「Oh No!!」はコロナ禍に限らず、日常生活で溜まったうっぷんを吐き出したい想いで作った楽曲です。夏頃に企画を立ち上げて、11月18日に配信リリースすることができました。

そして10月30日にはアーティストデビュー1周年の生配信イベントもできて。1周年のお祝いなので皆さんの前でやりたかったけど、たくさんの方が配信を見てくれて、配信中に続々と寄せられるコメントも嬉しかったです。

僕は目の前に皆さんがいてくれる光景が見えていたし、皆さんもライブハウスで僕を見ているような感覚で楽しんでくれていることがコメントからも伝わりました。また、最強のバンドメンバーが集まって、ライブハウスでできたことも嬉しくて。

でも「imitation」で思い切り歌詞を間違えて。自分で書いた歌詞を間違えることはなかなかないことなので、不思議な感じでした(笑)。

――そして2020年の締めくくりは『おれパラ2020』でしたね。

仲村:2019年に初めて『おれパラ』に出演させていただいて、今年の9月に『おれサマー』があってからの『おれパラ2020』と連続で呼んでいただきました。初めて『おれパラ』に出演させていただいた時はファミリー感が出来上がっている中で、「どうなるのかな?」という不安もありました。

行ってみたら温かく迎えてくださって、『おれパラ』が好きになりました。そして2020年の『おれサマー』や『おれパラ』はすっかり家に帰ってきたような感覚で。『おれパラ2020』は自分の中でも良いパフォーマンスができたし、全力を出し切れた感じですごく気持ちよかったです。

MCでも言いましたが「見えないものが見えてきている時代でもあるな」と思って。受け継がれたバトン、人の繋がりがより色濃く見えた気がしたライブでした。こう振り返ってみると、密度が濃い1年でしたね。それは音楽チームのみんながいろいろ考えて、動いてくれた結果だと思うので、感謝しています。

 

『スケートリーディング☆スターズ』はオリジナルのスポーツがおもしろく、挫折を知る主人公に共感!

――新曲「JUMP」は『スケートリーディング☆スターズ』のED主題歌ですが、PVや脚本、資料等をご覧になって感じた作品に印象や魅力を教えてください。

仲村:オリジナルアニメでもあるし、5人1組でフィギュアスケートをするというオリジナルのスポーツなのがおもしろいですね。また主人公の前島君は、ライバルの篠崎君にずっと負け続けてきた挫折を知るキャラクターなので共感できたし、歌詞の中で描きたいなと思いました。

――「JUMP」はご自身で作詞されていますが、どのように制作されたのでしょうか?

仲村:デビューシングルの「Here comes The SUN」もアニメタイアップでしたが(仲村さんが出演するアニメ『厨病激発ボーイ』のED主題歌)、作詞はChouChoさんだったので、自分が作詞する形のタイアップは初めてでした。

作詞をする時には映像もなかったですし、ましてやオリジナル作品であり、シナリオもいただいていない状態でした。設定資料や概要をいただいて、そこからイメージして広げていきました。でもストーリーの軸はあったので、書きやすくて、結構早く書き上がったと思います。

歌詞は結末や最後まで書き切りたくないなと思いました。サビの最後が「夢に指先が触れた気がした」なんですけど、可能性が見えたり、新しい景色が広がっていくところからがスタートであり、成長していくきっかけが見えた瞬間を描きたかったんです。

歌詞についてアニメの制作サイドからは「1対1にしないでください」というオーダーがあったので、「僕」を「僕ら」に、「君がいた」を「そこにいた」に変えました。いろいろな人の助けがあったからここまで来ることができたということを意識して書きました。

新しい夢を追う素晴らしさも伝えたくて。タイトルは次へ進むための気持ちを込めた「JUMP」。

――フィギュアから離れていた前島に流石井が声をかけ、戌尾ノ台高校のメンバーが迎え入れてくれたから復活できた過程やストーリーが描かれた歌詞ですね。でもチアソングにもなっている気がしました。特にDメロは胸に刺さります。

仲村:このDメロは自分の経験や思ったことを出した4行ですね。何かに憧れたり、なりたいという夢が変わっていくことは決して悪いことではないと思うんです。

人間は日々の生活の中でいろいろな人と出会い、経験を積み重ねていくことでアップデートしていくものだから、抱いていた夢が変わるのも珍しくはないし、新しい夢を見つけられたら素晴らしいんじゃないかと。伝えたい想いであり、自分にとっても軸になっていることかなと思います。

――あとタイトルの「JUMP」は壁を跳び越える意味だけでなく、フィギュアのジャンプにもつながっているのかなと。

仲村:それは意識しました。あと「JUMP」という言葉は歌の最後の1カ所にだけ出てくるのですが、最初から使うのは1回だけと決めていました。次に進むための気持ちを込めた「JUMP」なので。

――サウンドアレンジはピアノが氷上の透明感やアイススケートの美しさに加えて疾走感を、ドラムは弾む心と熱さを表わしているようです。

仲村:アレンジャーの村山☆潤さんがいろいろ考えを巡らせてくださった結果で、疾走感の中にさわやかさがあって、僕もピッタリだなと思いました。ちなみに曲についても「ED主題歌だけど、しっとりしたくないのでバラードにはしないでください。スポーツものなので疾走感があるBPM速めの楽曲で」というオーダーがあったそうです。

――歌い方は、強さはあるけど熱すぎずというバランスが難しかったのでは?

仲村:鼻息が荒すぎるのも違うのかなと。いい感じのバランスで歌えたと思います。

――ED主題歌なので、次へのワクワク感だけではなく、見終わった後の余韻も必要ですよね。

仲村:ED主題歌であることが最後まで書き切りたくなかった理由の1つで、次が見えるものにしたかったんです。

――MVは反射している床の上で、真っ赤な衣装で歌う姿は、野外のスケート場でパフォーマンスするフィギュアの選手みたいで。

仲村:そう見えたならよかったです。真っ青な空の下、地面には鏡を敷き詰めています。映像でも少し雲が見えますが、撮影開始した時はかなり曇っていて、青空がまったく見えなくて「これはヤバい!」と。

急きょ、青空が出てくるまで、室内の撮影を先にすることにして着替えて、途中で晴れ間が見えたらまた急いで着替えてとかなりバタバタで。でも、夕焼けに照らされながら歌うシーンはすごくいいものが撮れました。

よく見るとわかると思いますが、後方の煙突からも煙がもくもく出てくる幻想的な映像になっています。はじめは陰っていたけど、途中から光が射し込んでくる空模様にもドラマを感じ、『スケートリーディング☆スターズ』っぽいなと思いました。終わってみれば、天気が味方してくれたと思います。

――あと室内でのシーンは苦悩する姿が描かれているようで、外カットとは対照的ですね。光と闇みたいな。終盤の鏡の床で歌う仲村さんのステップも軽やかで、そこもフィギュア選手みたいだなと思いました。

仲村:この楽曲のMVに限らず、よく僕のMVを見た方に「振付の方がいらっしゃるんですか?」と尋ねられますが、ただ自由に動いているだけで、フィーリングでやりました。

 

カップリング2曲は自身で作詞作曲。「てこと」は人との繋がりを描いたシンプルなラブソング。

――カップリング曲は2曲共、ご自身で作詞作曲されていますが、まず「てこと」はタイトルから目を引きます。

仲村:タイトルで引きが欲しかったんですよね。あとひらがな3文字ってキャッチーだなと思って(笑)。楽曲自体は人との繋がりを描いたラブソングです。自分以外の人について、例え家族であっても考えていることがすべてわかるわけではなくて。それは怖いことでもあるけど、わからないからこそ繋がりの尊さや信頼し合えることの素晴らしさがあることを書きたかったんです。

――「一切合切を忘れるってこと そんなの誰にもできやしないってこと」から失恋したのかなと思いきや、終盤の「君を全部わかってしまったらつまんない」と「君とずっと側で笑い合えてたら最高ってこと」で、そうではないんだなと。

仲村:人間だれしも忘れたいことの1つや2つあるけど、なかなか忘れることができないんですよね。そして好きな人のこともすべて知りつくすことはできない。

でもそれは上辺のことだからどうでもよくて、君のことが好きだから考えてしまうわけで、結局は君と一緒にいられれば幸せなんだと。そういう楽曲です(笑)。

――楽曲の構成も珍しくて。A、B、サビという形になっていないし、1番と2番の区切りもないような。

仲村:楽曲の主人公は、休日の昼にソファで寝っ転がりながらボケッと考えていたことを楽曲にした感じなので、すごくシンプルにしました。

レコーディングもルーズな感じに歌いました。最後のブロックからアウトロまで続く「オオオオーオー」の部分もお気に入りで、「君」との生活が続いていく感じが好きだし、ライブでみんなと歌えたらいいなと思っています。

――ちなみにラブソングを入れたのは発売日がバレンタインデーに近いからですか?

仲村:まったく考えてなかったです(笑)。ラブソングを入れたいなと思っていたわけでもなく、歌詞を書いていったらラブソングになりました。

――もう1曲のカップリング曲「オブラート」はアコースティックな雰囲気の楽曲ですね。

仲村:1曲目と2曲目が「気持ち」の楽曲だったので、この楽曲もそうしようと思いました。人と話している時、どこか心の壁みたいなものを感じることが多くて。決して悪いことではないけど、自分を出せずに苦しんでいるのならもったいないなと。

この楽曲の主人公も自分をうまく表現できなくて、それが「透明な膜が僕を包んでいるみたい」な状態で、この膜をはがしてほしいと願っていて。「何も誤魔化す気はないよ そのまんまの僕を届けたいだけ」と言いながらも「ねぇ溶かして」と他力本願で、わかっているくせに矛盾している人の歌です(笑)。

――「今もずっと出口を探して~朝日が影に染み込んでいく」と悩み考えながらも朝を迎えてしまったのかなと。

仲村:ほの暗い場所にいる自分に光が射し込んできたら、どれだけいいだろうなという想いを比喩的に表してみました。

――サウンドはアコースティック風なのに、歌声はサビやDメロはもがき苦しんでいるような感じですね。

仲村:1番はほぼアコースティックで、2番からバンドが入ってくるというドラマチックな演出にしたくて。だから「てこと」はドラマチックにしたくなかったので、バンドメンバーのもっとやりたいという想いをぐっとこらえてもらって、この楽曲で存分に出してもらいました。

あと間奏は、最初はギターソロだったのをピアノソロに変えてもらって、潤さんにこん身のピアノソロを弾いてもらいました。

――「てこと」も「オブラート」もピアノやキーボードなど鍵盤系の楽器が効いていて。ご自身でギターを弾かれることもあり、ギターが目立つ楽曲が多いのにそこも新鮮でした。

仲村:自分を俯瞰で見ることを大切にしています。雑誌やMVの撮影ではスイッチが入っているけど、後日完成したものを見ると、別人を見ている感覚になることがよくありますね。

楽曲も自分で作ったからこそ、1回違う視点で見たり、聴いたりするようにしていて、今回はピアノがハマるなと思いました。

――最後も解決もせず、救われず、シングルの最後の楽曲でもやもや感が残るのも珍しいですね。

仲村:生きていくと全部を解決できるわけではないし、何事にも白黒つけようとしたら逆に追い込まれてしまうそうで、むしろ宙ぶらりんでもいいんじゃないかなと。

――3曲をリピートで聞くと、「オブラート」から「JUMP」はかなりギャップを感じるでしょうね。

仲村:すごいでしょうね(笑)。作った時期も違っていて、「JUMP」は2020年の1月にオケを録ったし、レコーディング自体も1年くらい前ですが、「オブラート」はこの正月明けのレコーディングですから。

――ジャケットと初回限定盤に付くフォトブックについてもコンセプトやどんな撮影だったのか、ご紹介お願いします。

仲村:前作の「カラフル」が曲名や楽曲のコンセプトにちなんで、色味が多かったんですけど、今回はより自然体で撮影できました。室内と屋外で撮影しましたが、屋外では光源を手にして、スローシャッターで撮影し、幻想的な写真が撮れました。

 

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