大人になってから読む絵本は「あの頃の優しい気持ちを思い出すきっかけ」│声優・伊藤美来さんのフォトブック『みっくのえほん』発売記念インタビュー
“伊藤美来”として雑誌に出るときにはあまりできないちょっと攻めた髪型
――次は“髪型”で印象的な連載回・カットを挙げるならいかがでしょう。
伊藤:(ページをめくりながら)髪型はここかな?
――『ぼく おかあさんのこと…』の回ですね。
伊藤:うさぎが主人公の絵本だったので、耳をイメージした髪型にチャレンジしてみました。
あとは『ねこざかなのはなび』も印象深いです。花火を背景で表現してもらいましたが、魚をどう表現しようかメイクさんと悩んで。そのときにこのフィッシュボーンという髪型を知り、挑戦しました。これも珍しい髪型でしたね。
――メイクさんとは撮影の前にすり合わせを?
伊藤:そうですね。絵本がこんな内容だからこうしようといった相談をして、普段“伊藤美来”として雑誌に出るときにはあまりできない、ちょっと攻めた髪型にしてもらいます。
――少し前に髪を切られて、それを機にバリエーションが変わったりも?
伊藤:変わりましたね。最後の3回分は短い髪の状態です。だから、一冊で色々なバリエーションを楽しんでもらえるんじゃないかと思います。
――2年の中で大きな変化のひとつですね。
伊藤:連載自体も髪を伸ばそうと考えてからすぐに始まったので、そういう意味では私の髪の歴史がわかるアルバムにもなっていて個人的に嬉しいです。
――では“小道具・セット”でお気に入りを挙げるなら?
伊藤:どれも毎回こだわって色々用意してもらっていて……あ、『オズの魔法使い』のトトは可愛かったですね。
あと『からすのパンやさん』のときもすごかったです! 本当にパン屋さんを開けるんじゃないかというくらいたくさんの種類を用意してもらって、とっても幸せな空間でした! ちなみに、撮影に使ったパンは終わった後にもらって帰りました(笑)。
――どれも美味しそうですものね(笑)。ほかにもお気に入りはありますか?
伊藤:『えんとつ町のプペル』は煙を出していたりして、とても凝った写真になっています。裏話をすると、えんとつ町を再現するために煙を出す機械を用意してくださったんですが、これが1回も使うことなく壊れてしまい……(笑)。まさかの不良品だったというオチで、最終的にスタイリストさんが持っていた蒸気のスチームアイロンを使いました(笑)。
ベストみっくに輝いたのは……?
――最後に伊藤さんが個人的にお気に入りのカットを教えてください。
伊藤:“ベストみっく”ですね、わかりました! (ページをめくりながら)どれだろう……。
――こうして見返すと本当に色々な写真がありますね。
伊藤:そうですね。『かんがえるカエルくん』の撮影のときは、梅雨の季節だったのに天気がすごくよかったんです。でも、本当は雨の中で撮りたくて……。
――あれ、伊藤さんって晴れ女でしたっけ?
伊藤:普段は雨女なんですけど、こういうときに限って晴れるんです(笑)。
――(笑)
伊藤:そんなこともありましたが、中でも個人的なベスト写真は『ねないこ だれだ』の回ですね。ファンの方の評判が良かったんです。当日は血の気のない雰囲気や幽霊をイメージした色味で撮ってもらいました。メイクさんは目の周りを赤くしてくれたり、カメラマンさんは足を写さないようにしてくれたりと、透き通った雰囲気になっていてお気に入りです。
――ほかのページがカラフルなだけに、すごく目を惹かれます。撮影はどうでしたか?
伊藤:楽しかったんですけど、持っているロウソクが溶けちゃうんじゃないかと思って内心ヒヤヒヤしていました(笑)。