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『ふたりはプリキュアMaxHeart総集編』本名陽子、ゆかな、田中理恵インタビュー

伝説は続くよどこまでも! なぎさ、ほのか、ひかりにまた会える『ふたりはプリキュアMaxHeart総集編 ~ありがとう&あいしてる 2021edition~』発売に寄せて、本名陽子さん、ゆかなさん、田中理恵さんインタビュー

 

MaxHeartで挑んだ当時の収録。

──そもそもMaxHeartという言葉は、なかなか第二期のタイトルが思い浮かず、西尾さん、鷲尾さんが「もういっぱいいっぱいだね!」と話したところから生まれたとか。

本名:そううかがいました(笑)。

──少しさかのぼって当時のお話をうかがえればと思うのですが、「『MaxHeart』が始まる」というお話はいつぐらいに聞いたのでしょうか?

ゆかな:結構ギリギリでしたね。確か(『ふたりはプリキュア』放映中の)11月くらいだったかと思います。アニメに加えて、映画の公開もあると。

──すごい! 一気にいろいろなことが動き出したんですね。

ゆかな:そうですね。『MaxHeart』、さらに映画と、いきなり秋にいろいろ決まったんです。

本名:今となっては1年目の『ふたりはプリキュア』の時は映画がなかったことに驚かれるのですが、『MaxHeart』では映画が2作あったんです。一気に物事が動き始めたような感じでした。確か……鷲尾さんからお知らせされたんですけれど、「もう皆さん、お気づきですよね?」って。

ゆかな:気づいているとは思いますが明言します、というのに近いニュアンスだったかも。

本名:私たちの気持ちを見つつ、告知を待ってくれていたところもあったのかなという気がします。ただ、私は映画化については全く気づかず(笑)。

ゆかな:映画に関しては、いろいろな事情や経緯があったのだろうと思っています。それまで、いわゆる女児モノと括られるタイトルで、単体での劇場作品というのは存在していませんでしたし…私たちのタイトルが史上初を背負えるのかという……。

 


(C)東映アニメーション

 

──実際に当時、単発映画は「無理なんじゃないか」っていう声が少なからずあったそうですね。

ゆかな:当然あったと思います。社会的な意味で無理だという意味もあったと思いますし、それに加えて単純にスタッフの体力的にも無理なんじゃないかって。毎週のアニメだけでもいっぱいいっぱいなのに、これ以上どうやって......!?と。
あらゆる意味で無理な要素はあったけれど、それでも、やるとなったからには「もし倒れるとしても前向きに倒れよう、後ろ向きじゃなくて前のめりで」って話をしていました。

本名:前代未聞なことばかりでしたもんね。その少し前までは「プリキュア」って言っても伝わらなくて、聞き間違えられることが多かったんです。

ゆかな:プリキュアって言葉をなかなか覚えていただけなくて。

──今では誰もが知ってるプリキュア。前回のお話をうかがったときも思ったんですが、今のプリキュアを知る人たちからすると信じられないようなエピソードですよね。

本名:当時はTwitterもなかったですし、テレビの画角も違いましたしね。子どもたちだけでなく、世間の皆さまの反響が一気に届いたのが、『MaxHeart』が決まった時期だったのかなと思います。

いろいろなことが一気に動いて、喜びももちろんあるのですが、それよりも決意の方が大きかったように思います。毎週の収録に全力で挑む分、声帯を痛めたこともありました(苦笑)。ありがたくもその時たくさんお仕事をいただいていたので、ゆっくり休むことができない中で、自分のコンディション調整も含めてすべてを決意にかえて「やるぞ!」って。

ゆかな:なぎなぎ(本名さん)は初めてのことが多すぎて、きっとわたし以上に嬉しかったり、戸惑ったり、いろいろな感情がごちゃまぜだったんじゃないかなと。

本名:はい(笑)。

ゆかな:たまたまそれ以前にも延長などが決まる作品に何作か関わっていたので「まだこの世界にいられる」ような気がしていて。

本名:そういう、ほのほの(ゆかなさん)の雰囲気を察していたので「なにかすごいことがあるんだ!」とは思っていたんです(笑)。ただ、その“なにか”は分からなかったですし、もちろんお互い言葉には出していなくて。

ゆかな:憶測を喧伝するわけにはいかないので、言葉にすることはありませんでした。気づいていたといえば気づいていたのですけれど、それで何かが変わるわけでも、何かを変えるわけでもなくて「次があるから温存しよう」と手を抜くこともなく。ただただ「毎回の本気が何かを動かしたのかもしれない」と。

だから「決まった」って話を聞いたときに「ああ、間違ってなかったんだ」って。それは予感が間違っていなかったという意味だけじゃなくて、これまで掴んできたもの、やってきた事が間違っていなかったんだという意味で。

たとえ本当の正解が何かは分からなくても、少なくとも「間違ってなかった」と思ってくれる人がたくさんいるんだという事を実感できて嬉しかったんです。それと同時に、このペースでやったらみんな倒れるんじゃないかとの心配もしましたね…。


『ふたりはプリキュア総集編 』本名陽子、ゆかな、西尾監督、鷲尾P対談
『ふたりはプリキュア総集編 』本名陽子、ゆかな、西尾監督、鷲尾P対談


──本当に命をかけて挑まれていたことが伝わってきます。

ゆかな:ですよね。

本名:実際に倒れてましたもんね(苦笑)。早めにスタジオに入ると、西尾さんが「ちょっと休憩」って横になっていることがあったんですけど、休憩っていうよりもう倒れているような感じで「大丈夫かな」って。

──ゆかなさん自身もプリキュアの現場から別の現場にいって、さらにまた帰ってくることがあったとおっしゃっていましたよね。

ゆかな:ありましたね…。あの時はスケジュールがぐちゃぐちゃで。午前中に別のアニメのアフレコに参加して、夕方プリキュアをやって、25時に局に行って30時くらいまでナレーションをして、朝10時からアニメに行って......。

田中:ひええええ!? それは倒れてしまいますよ! というか、30時って久しぶりに聞きましたよ!(笑)

本名:いつ倒れてもおかしくなかった。

ゆかな:週末にイベントがあるときはそのままイベントに行ってっていう。ちょっとおかしかったよね(笑)。そんなこともありました。懐かしいですね。

田中:すごい……。

本名:いつ寝てるのかわからなかったもの。

ゆかな:ただ、寄せていただいた期待に応えたくて。

田中:すごいとしか言葉が出てこないです。

──私もです……。

本名:ほのほのは“気づく”力もずば抜けていて、気づいてしまったら自分自身に加減せず動けてしまうという。出会ったときにも……もう全部悟っている感じがあって、ちょっと怖いくらいでしたね(笑)。いつか倒れてしまいそうで。

ゆかな:(笑)。

本名:でも、今思うと、あの時ちょっと頑張りすぎだったんだと思う。

ゆかな:そうかもしれない。

本名:そうしたことが毎週のようにあったので……それもあって、16年経って“みんながいる”ことに対して気持ちがこみ上げるというか。5年、10年でも人は変わっていくと思いますけど、16年、17年経っても、みんなでこうしてプリキュアの話ができる。本当に幸せなことだなって感じています。

──当時の本気があったからこそ話が尽きないと言いますか……。

ゆかな:そうですね……。また話していると、もっと思い出して、言いたいことも増えていって……。

本名:だから止まらなくなってしまう(笑)。

ゆかな:一回、どれだけ話せるか試してみたいですね。

──ぜひお願いします(笑)。11月に『MaxHeart』の告知があったとのことで、それと前後して、田中さんがオーディションを受けられていたんでしょうか?

田中:そうです。私は後から『ふたりはプリキュア』の現場でこんなにすごいことがあったと知って。盤石ができたあとに合流させていただいたので、当時は「私もしっかりやらなきゃ!」ってプレッシャーがありました。

普段お会いすることの少ない先輩方もいたのでものすごく緊張していたんですが、おふたりを始め西尾さん、鷲尾さんたちが温かく迎え入れてくださって。本当に感謝しています。

ゆかな:大変だったと思います。1年間ずっと皆いっぱいいっぱいでやってたところに後から入っていくって、それは本当に大変なことだと思うんです。

本名:しかもひかりちゃんは掴みづらい、ちょっと不思議なキャラクターで。

 


(C)東映アニメーション

 
田中:やっとひかりちゃんの世界に対しての想い、みんなへの愛が分かり始めてきたときに終わってしまって(笑)。

──ひかりは『MaxHeart』における重要なキャラクターですが、田中さんは当時、ひかりというキャラクターをどのように捉えられていたんでしょうか?

田中:ひかりちゃんは少し変わっているんですよね。初めて変身したときも「あの子が変身したんだ!」って驚くような雰囲気も分かりやすく演出されていて。

序盤はミステリアスな雰囲気でしたが、中学生らしい部分もあったので、そこが愛らしくてかわいいなぁって。ヒカリとは年齢は近くはなかったんですけど、ファッションや小物がかわいくて見入ってしまっていましたね。ひかりがハーフパンツをはいていたのでハーフパンツを探しに行ったり、ヘアスタイルを近づけてみたりと、ひかりの真似をしたことも。

──今日もひかりの髪形で、田中さんのお姿を見たときに「あっ!」って嬉しくなりました。

田中:そうなんです! ヘアメイクさんにお願いしてひかりの髪形にしてもらったんです。ひさしぶりにプリキュアの現場ということで、衣装もピンク系にして、久々にひかりちゃんっぽくしました。

真似をしたところで、ひかりちゃんになれるわけではないんですけど、当時から少しでもひかりとつながりたいという気持ちがありました。私の中ですごく愛着のあるキャラクターです。

ゆかな:ひかりさんは最初はフィジカル面とメンタル面が乖離している状態からはじまっているんですよね。その差が埋まっていって、ひかりとして存在するようになる過程に立ち会えたことって、私も、ほのかとしても嬉しかったです。

田中:ひかりはバトルは全然強くないんですよね。シャイニールミナスに変身しても守ってもらわないと倒されてしまう。最初に「ルミナス・ハーティエル・アンクション」を出したときは本当に感動しました(笑)。それと同時に緊張もしました。

──やはり当時の感覚は覚えてらっしゃるものなんですね。

田中:そうですね。新しい決め技を言うときは本当に緊張していて。「こうして! こうして!」って西尾さんからアドバイスがあって、何度もリテイクして……本当に良い経験をさせていただきました。

──今回総集編を見て、3人の決め技「エキストリーム・ルミナリオ」のチーム感に改めて感動させられたんですが、あの技の時のことって覚えてらっしゃいますか?

田中:「いっけーーーーー!」って感じでやってました。

ゆかな:(ほのかの声色で)「エキストリーム、ルミナリオー!!!!」っていうね。

本名:そうそうそう。毎回3人ならんでね。……声帯的にはかなりつらかったですね(笑)。

ゆかな:既にふたりでめいっぱい叫んでいて。その直後にひとりで入って繋げていくというのは大変だったと思います。

田中:一度でも声が裏返ったらダメだなと思って、毎回緊張していたことを覚えてます。ひとりだけやり直しということはなかったんです。自分が間違えたらおふたりにもセリフを言っていただかなければいけなくなってしまうから「しっかりしなきゃ!」って。

──別で録音ってことは一切なかったんですか?

ゆかな:そうですね。現代的な収録形態ではなくて、流れや勢いを重視していたので、技は毎回録るし、誰かが間違えたらまるっと全部録りなおします。

本名:だから絶妙な緊張感がいつもあって(笑)。我々もしんどい部分がありながらも、そこのバトンを渡して「いけーーーー!」って思いを込めて叫んでいました。

田中:それは毎回すごく伝わってきました! 今は収録の形態が変わって、個別で収録も多くなってきたので、すごいことをやらせていただいていたんだなぁって。

──すごい……プリキュアならではの収録現場というか。もはや本物のプリキュアというか……。

田中:本当にリアルプリキュアでしたね。決め技に関してはとにかく気合いが入っていて(笑)。でも、それが今見てもカッコいいなって。

本名:西尾さんのこだわりを感じますね。あと、決め技といえば「プリキュア・マーブル・スクリュー・マックス・スパーク」もありましたね。「ブレスよ、こい!」(笑)。

ゆかな:実は私、今日その話もしたかったの。(24話に登場する)なぎさの「ブレスよ、こい!」ってセリフがすごく好きなんですよね。しかも「こないじゃん……」っていう(笑)。あの瓢箪池でブレスの力を獲得したときもスケールが大きくて。ワクワクするシーンでしたね。

 

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