【ネタバレあり】あなたの『シン・エヴァンゲリオン劇場版:||』はどうだった？編集者＆ライターが赤裸々に性癖と感想を語るだけの座談会で再燃した『エヴァ』への感謝と愛

ミサトさんについて

石橋：次のテーマ。「ミサトさんについて」はどう？　俺はミサトさんが『シン・エヴァ』のもうひとりの主人公だと思っていて。優しさでシンジのことを突き放していたところや、ヴンダーで戦う艦長としての姿がカッコよかった印象が強くて。あんな腕組の似合う女性はいないよ。ちょっとガンバスターを思い出した。

一同：（笑）。

胃の上：確か『惑星大戦争』って作品の曲でしたっけ。あれが流れるあたりの艦隊戦がめっちゃカッコよかったですよね。冬月先生に惚れなおしました。

石橋：庵野監督って『宇宙戦艦ヤマト』も好きらしいから、『エヴァ』でヤマトをやりたかったのかなって思ったり。

米澤：それは間違いなくあると思うな。

胃の上：『宇宙戦艦ヤマト2199』なんか、確か最初のオープニングの絵コンテを担当されてた覚えがあります。

石橋：そうそう。艦隊戦も含めてミサトさんカッコよかったなって。俺がああいうキャラが好きなのがあるのかもしれないけど。

米澤：確かに。ミサトさんって、シンジにとってのもうひとりの母親でもあるんだよね。シンジが撃たれそうになって、それをかばった時のあの表情。あんなの見せられたら、今までのモヤモヤなんて全部どっか吹っ飛んじゃうよなって（笑）。『シン・エヴァ』で一番株を上げた人だと思う。

胃の上：あの人、絶対撃たれるんですよね。確か旧劇もお腹じゃなかったでしたっけ。

米澤：そうそう（笑）。まぁ、『Q』の時から、リツコに促されてもDSSチョーカーを作動させられなかったから、シンジに対して何かしからの想いを持っていたのはわかっていたんだけどね。それがシンジを戦いから遠ざけたかったというのは、すごく納得がいった。

きっとミサトさんは、その前からシンジを戦わせないといけないってことに、ずっと負い目を感じていたんだろうから。

ただ、あそこで特攻をかけたのは無責任だっていう意見が出るのもわかる部分があって。何せ、息子を残して死んじゃった訳だから……。

胃の上：そこについては父親がセカンドインパクトの提唱者だったみたいな話が出てきていたような気がするので、そんな父親の罪の清算をしたとも考えられるのではないでしょうか。

米澤：そういえば、物語全体で見ると今回は死んだ人って少ないんだよね。ゲンドウと冬月先生の他は、味方側だとアヤナミレイ（仮称）、ミサトさんくらい。大団円を迎えるなら、ミサトさんを死なせる必要はないようにも思えるんだけど、シンジが身近な人の死を受け入れられるくらい大人になったことを示すためだったのかもしれないなと改めて思った。そこから「大人になったな、シンジ」っていうゲンドウのあの発言に繋がってくるし。

胃の上：あれはお前が言うなって思っちゃいました（笑）。

米澤：ユイの死を受け入れられず、前に進むことを拒否したゲンドウと、ミサトの死を受け入れて前に進もうとするシンジ。その二人の対比が、あのシーンの意味していたことなのかなと。