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春アニメ『ゾンビランドサガ リベンジ』村越 繁✕𠮷村清子 脚本インタビュー【連載08】

アニメ『ゾンビランドサガ リベンジ』シリーズ構成 村越 繁さん✕脚本 𠮷村清子さんインタビュー|2期はフランシュシュと外部の人間が接し、どう進んでいくのかが物語の軸の1つ【SAGA_R:08】

2018年を代表するアニメの1つ『ゾンビランドサガ』のTVアニメ第2期、『ゾンビランドサガ リベンジ』2021年4月より放送スタート! そしてアニメイトタイムズでは、第2期でもインタビュー連載企画「ゾンビランドサガ広報誌R(リベンジ)」を実施中です。

先日放送された8話はフランシュシュのメンバーで過去が明かされていなかったゆうぎりがフィーチャーされ、時代も明治に飛び、更に9話以降に続くなど、想像外の出来事が連続! 今回は、シリーズ構成の村越 繁さんと脚本を担当されている𠮷村清子さんをお迎えし、8話の構想のきっかけや、これまでの脚本の誕生秘話など、お伺いしました。

「クライマックスに近づいている」(村越)、「1期よりもテンポアップ&フランシュシュの成長も熱い」(𠮷村)

――現在、8話まで放送されていますが、ここまでを振り返ってみた感想をお聞かせください。

シリーズ構成 村越 繁さん(以下、村越):物語としていよいよ佳境に入ってきました。『サガジン』の大古場がフランシュシュの正体に気付き、「ここからどうなるのか?」というところで、突然、ゆうぎり回で明治時代にお話が飛んだ訳ですが(笑)。

ただ、𠮷村さんに担当して頂いた「佐賀事変」もこれまでのお話にしっかり繋がっていて、これを踏まえてクライマックスに向かっていきます。本当にあっという間にここまで来てしまったなという気がします。


脚本 𠮷村清子さん(以下、𠮷村):数年前から一生懸命作ってきたものが、いざ始まると本当に早くて。特に『ゾンビランドサガ リベンジ』はテンポよく進んでいく印象ですし、毎回毎回がクライマックスで。1期の頃よりもテンポアップして進んでいるようですし、フランシュシュの成長していく様子も熱いですね。

あとライブシーンも毎回見どころがあって素敵です。自分でも毎回脚本を書きながら「どうなるんだろう?」と思っていたところが何十倍もの歌と声のパワーと表情、映像がすごくて、みんなゾンビだけど生きているなと感じさせてくれて。毎回楽しみに見させていただいています。


 

ゆうぎりの過去を語る壮大な物語は𠮷村さんが構築。舞台となった明治15年は絶妙な時代!?

――𠮷村8話から壮大なゆうぎりの物語が描かれていますが、どのような発想から生まれたエピソードなのでしょうか?

村越:まず𠮷村さんにお願いする前の時点で、ゆうぎりの過去に関してはきっと1回では描き切れないであろうこと、そしてしっかりと時代に向き合わなくてはいけないであろうことがチーム内での共通認識としてありました。

ただ具体的にどういう物語にするかについてはまだ決まっていなかったので、アイデア出しの段階から𠮷村さんのお力をお借りしました。最初の構想からほぼ人間関係のおもしろさは出来上がっていたので、そこからゆうぎりの時代がどんな時代で、佐賀にどんな出来事があったのかということの詳細を調べていき、それを組み込んでいくことで今の形になりました。

――𠮷村さんはどのように脚本化されたのでしょうか?

𠮷村:今のフランシュシュの時代で複数話というのはかなり冒険だなと思いましたが、1話で収めようとするとただのダイジェストみたいになってしまうから、丁寧に描いていかないといけないと皆さんがおっしゃっていたんです。

明治15年という時代は絶妙で。幕末のいろいろな事件を経て、世の中が変わっていった中で、士族による「佐賀戦争」が起きた、そのさらに8年後。重大な事件は全部終わり、長崎と合併されて佐賀県も無くなってしまっていて。言うなれば佐賀が死んでゾンビになっている時代でした。

そしてゆうぎりの方も、花魁としての人生に一区切りがついてしまい、根無し草となったところに、佐賀を蘇らせようという大志を抱いている人に出会い、シンパシーや応援したいという気持ちが芽生えていって。ゆうぎりの人生の再スタートというところから構想していった記憶があります。そして佐賀を想う喜一と伊東のボタンの掛け違いが結末に進んでいきます。

初期の構想では「佐賀復権党」の戦いがあって、そこにゆうぎりが巻き込まれていくような壮大な物語でしたが、そこから整理して、個人の生き方や思いを描く話へと落とし込んでいきました。


村越:登場人物も最初はもっと多かったですよね。

宣伝担当:ちなみに(ゆうぎり役の)衣川里佳さんと(リリィ役の)田中美海さんは伊東推しでした。

𠮷村:嬉しい!

村越:伊東はファンになる方が多い気がします。まっすぐな喜一とはまた違う魅力を持っていますし。

𠮷村:伊東のネーミングは新選組の伊東甲子太郎が由来です。


 

2期から𠮷村さんに参加してもらうことになった経緯

――ゆうぎり回はTVシリーズの1エピソードのレベルではなく、OVAとか、時代劇の1クール分くらいの内容ですよね。

𠮷村:まず大きな風呂敷を広げて、そこからきちんと話数内で終われるようにまとめていきました。

村越:𠮷村さんには今回の『リベンジ』から参加して頂いたのですが、1期の流れや作品の特徴を掴み、キャラクターについてもしっかりとポイントを押さえてくださっていたので、とてもスムーズにやりとりを進めることができました。その上で「佐賀事変」のお話に関しても膨大な量の資料をそろえて頂き、うまく物語やキャラクターと絡めてくださったので、本当に頼もしく、心強かったです。

𠮷村:1期の頃はMAPPAさんにうかがった時、キービジュアルのポスターを見て、「ゾンビ? ホラーアニメかな?」と不思議に思っていました。いつもお世話になっている村越さんが構成を担当されていたり、すごいOPという話を聞いて、オンエアを見たら「すごく攻めているな」と。完全にいち視聴者として楽しんでいました。その後、(MAPPA・プロデューサーの)大塚(学)さんに2期にお誘いいただいた時にはすっかりフランシュシュファンだったので、「やります!」と。実際に参加させていただいて、とても楽しかったです。

村越:そう言って頂けるのはすごく嬉しいです。私もとても楽しかったです。

――合流されたのはいつ頃ですか?

𠮷村:既に2話が形になっていた頃かな。一昨年の6、7月くらい? 1話のシナリオがほぼFIXの状態で、読んだらいきなり社歌が流れてビックリしました。私が参加する段階ではしっかり指針もあったし、相当練られた構成ができていて、最初に担当した3、4話もプロットや、やるべき仕掛けが決まっている状態でした。やっぱりライブシーンの仕掛けからこういうアニメって構想するんだなと勉強にもなったし、やりやすかったです。

またアニメは共同作業と言いますが、脚本会議でもみんなでバカなネタでゲラゲラ笑いながらも、一つひとつのセリフも丁寧に相談させていただきました。でもゼロから1期を作った時は村越さんをはじめ、皆さん、大変だっただろうなと頭が下がります。

村越:2期が決まり、構成を考えていくにつれて、フランシュシュのメンバーと外部の人間との接触が増えることによって繊細な部分が出てきたり、ゆうぎりの過去では時代性が色濃く出たりと、1期とは違うテイストが加わってきました。その中で「𠮷村さんに参加してもらうのはどうだろう?」というご提案があり、私も「ぜひに!」と。人物の感情の機微を丁寧に掬い取っていくシナリオは以前からご一緒して拝見していたので、大塚さんとも「ゆうぎりの回は𠮷村さんに担当してもらうととても面白くなりますよね」と話していました。

𠮷村:私もぜひ挑戦させていただきたいと思いつつも、「ゆうぎりの廓(くるわ)言葉は難易度高いな」と(笑)。実際に脚本を書く時は、とりあえず仮で語尾「ありんす」のセリフを置いてみるのですが、それだとゆうぎりらしさが全然出ない会話になってしまって。いったん手を止めて、ちゃんと廓言葉を調べ直してまた書く、という繰り返しでした。

 

2期はフランシュシュと外部の人間が接し、どう進んでいくのかが物語の軸の1つ

――今シリーズと前シリーズで、違いを感じる点はありますか?

村越:キャラクターの在り方やテーマにおいては意識して変えている点はありません。過酷な運命に抗っていくというテーマがズレてしまうと、『ゾンビランドサガ』ではなくなってしまいます。2期ではフランシュシュをとりまく周囲の状況が大きく変わっていたりするので、テーマをしっかり維持しつつ、キャラクターも根底には『生きたい』という想いを抱えつつ、1期終了時からの感情の流れを汲むように意識しました。

状況の変化に関して言うと、構成の部分でもお話したように、1期ではメンバー各々、そしてフランシュシュが居場所を見つけるまでのお話であったのに対し、今回はそこからどう各々が、フランシュシュが大きくなっていくのかを描く上で外部の人物と触れ合っていくことがあげられるかと思います。そういった人物たちからどのような刺激を受け、何を感じ、そしてどう進んでいくのかというのも今シリーズの大きな軸の1つであり、特徴だと思います。

また、前シリーズで大きな反響を頂いた分、「次はどうやってくるんだろう?」という皆さんの期待も大きくなると感じていたので、「どう予想を裏切り、かつ面白いものにするか」を、よりモチーベーション高く、チーム一丸となってギリギリまで考えました。プレッシャーはとてつもなく大きかったのですが、最後まで粘りつつ、楽しみながらシナリオを書かせて頂きました。

――ご自身が担当されたお話で、脚本を書かれた際に印象に残っていることは?

𠮷村:3、4話のセットは最初のプロットをいただいた時点で、幸太郎の「ぶち壊すんじゃい」に純子が「はい! ぶち壊します!」とギターを破壊する構成はできていたんです。それを読んだ時、純子が折ったギターのネックを突き付けた先に愛がいて、観客の間を駆け抜けてステージに上がる光景が浮かんできて。実際に映像として見ても素晴らしいシーンになっていて感動しました。


実は1話にカットになったシーンがあって、ゆうぎりがみんなに朝ごはんを作るという。「この時代の道具にもなれてきんした」と言って、上手に玉子焼きを作るくだりがとても好きだったんですが、入りきらずカットになってしまっていて。それが残念だったので、1人でお弁当を食べていて「ガンバレ」の文字で元気がでる愛とか、純子が好きな料理を作っているゆうぎりと食べたい気持ちを我慢して待っているたえのシーンを作りました。

そのほかにも、TVに映っている愛を見て、たえが「あい」と言ったり色々と小ネタを考えるのは大変だったけど、楽しかったです。あとキーボードをうまく打てない純子も昭和らしさを出せたかなと思います。


村越:アレはすごくおもしろかったですね。

𠮷村:実は私、いまだにかな入力で(笑)。最初にキーボードに触れたのが国産のワープロで、かな入力がデフォルトだったんです。だから昭和生まれだったらかなで打つかなと思って。

あと、5話は話の力点をどこに置くのか難しかったです。ライト君も一歩間違えると嫌なキャラになってしまうし、わかりやすい悪役ではなく、リリィにとってエンタテイナーとして先を見つめている映し鏡で、自分にはないものを持っている存在というのを表現したかったんです。

またリリィの元天才子役の演技力をうまく活かせる方法はないかと話し合って、最後落語に落ち着きました。ステージで幸太郎がやった繁殖期のムツゴロウは確か(プロデューサー・Cygamesの)竹中(信広)さんのアイディアでしたね。その場でYouTubeで検索して、みんなで爆笑した記憶があります(笑)。

讃美歌のようなものをスキャット風にすることができるのかを(音楽制作・SCOOP MUSICの)佐藤(宏次)さんに相談したら「えっ!? 何それ!?」とすごく驚かれて。かなりのムチャ振りに応えていただいて、実際、きれいにハマっていて、本当に感謝しています。

村越:楽曲は今期も本当にすごいです。前期同様、物語の内容や心情に寄り添いつつ、個性が爆発したものばかりで、聴かせて頂く度に感動しています。

(C)ゾンビランドサガ製作委員会
(C)ゾンビランドサガ リベンジ製作委員会
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