恋愛生活小説『義妹生活』第3巻発売記念 三河ごーすと先生インタビュー｜小説家を目指した経緯、『義妹生活』誕生秘話、最新刊の注目ポイントとは？

先日、『友達の妹が俺にだけウザい』のTVアニメ化が発表されるなど、様々な人気小説を発表し、幅広いフィールドで活躍中の三河ごーすと先生。そんな三河先生の人気小説『義妹生活』(「MF文庫J(KADOKAWA刊)」)の最新刊となる第3巻が2021年7月21日に発売されます。

『義妹生活』では、同じ学校に通っていた悠太と沙季が親の再婚をきっかけに兄妹として一緒に生活することになります。適度な距離感を保ちながらも少しずつ、お互いの内面を知っていき、2人の心境にも徐々に変化が……。不思議で特殊な関係性の高校2年生の男女2人を描いた「恋愛生活小説」です。

そんな『義妹生活』の最新刊発売を記念して、三河先生にインタビューを実施。小説家を目指したきっかけから『義妹生活』執筆のテーマ、第3巻の注目ポイントなどご紹介いただきました。

三河先生が小説家を目指したきっかけと影響を受けた作家や作品は？

――小説家になろうと思ったきっかけや経緯を教えてください。

三河ごーすと先生(以下、三河)：子どもの頃から親の本棚にあった本を読み漁るのが趣味で、物語にどっぷり浸かる生活をしてきました。毎日歩いてるときや寝る前など、暇な時間があれば脳内だけでオリジナルの物語を作って連載したりしていて、それが純粋に楽しかった記憶があります。物語を作るのが楽しくて、この楽しいことをしているだけで生きていけるようになったら最高だなと思い、高校一年生の頃から明確に職業として小説家・シナリオライターを目指していましたね。自分でスクリプトを売ってノベルゲームを作ったり、小説を書いたり、映画などの物語構造を分解したり、創作周りの作業がとにかく楽しくて趣味の延長でやっていました。

――影響を受けた作家、好きな作家や作品がありましたら教えてください。

三河：赤川次郎先生の『三毛猫ホームズ』シリーズや三上 延先生の『ダークバイオレッツ』シリーズ、加納朋子先生の『ななつのこ』等、たくさんあります。が、そもそも好きな作品や作家さんは大勢いて、影響を受けた対象も、とても挙げきれる人数ではないですね……。

『義妹生活』は「キャラの日常に振り切った作品を書こう」という想いから義理の兄弟関係を丁寧に描いた作品

――『義妹生活』はどのように着想、作品化されたのでしょうか？

三河：物語展開で強くドライブしていくタイプの作品(『自称Fランク』や『理想の娘なら世界最強でも可愛がってくれますか？』等)を何本か執筆し、長期連載していく中で、「物語が強烈に進んでいくのはいいが、もっとキャラクターの日常をひたすらに深く掘り下げてほしい」という要望を持つ読者の存在を認識しました。そこで、「極限までそちら(日常)に振り切った作品を書いてみたらどうなるのか」に興味が湧き、義理の兄妹関係をめちゃくちゃ丁寧に描き切ることにしました。

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――ストーリーや各キャラクターはどのように構築されたのでしょうか？

三河：ある程度、自分の魂から切り分けた要素を各キャラクターの性格や考え方に振り分けているのですが、さすがにそれだけだと視野が狭くなってしまうので、意図的に他人の言動を参考にして含ませている部分もあります。ただ、バイト先の気さくで美人な先輩はただの理想です(笑)。

――本作で描きたかったテーマや、執筆の際に意識された点や苦戦された点はありますか？

三河：キャラクターの実在感と妄想／理想のバランス感覚。ノンフィクションを描いているわけではないし、実写ドラマを描いているわけではないので当然、読者の理想といいますか、少年少女やオタクがハマれる魅力を備えている必要はあるのですが。それを担保したまま、限界まで実在感を与えるにはどうすればいいのか……その塩梅にはかなり気を遣っています。