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音楽
待望の新曲リリース&楽曲配信解禁! 畑亜貴ロングインタビュー

畑亜貴が描く次なる世界は「魂の放浪」 いつか灰になるその日まで、なぜ生きるのかを自分自身に問いながら孤高の旅を続ける──新しいモードで表現した新曲「蜿蜒 on and on and」を語る 畑亜貴さんロングインタビュー

<去ったら星になるかい?灰だよ 灰だよ>。これまでもアーティストとして“死”“世界の終わり”を表現してきた畑亜貴が、新曲では「なぜ生きるか」「どう生きるか」を強烈な言葉で投げかける。

TVアニメ『涼宮ハルヒの憂鬱』『らき☆すた』『ラブライブ!』等の作詞をはじめ数多くのアニメやゲームソングの作詞・作曲を手掛け、これまでに提供した曲数は1900曲以上。作詞家・シンガーソングライターとして活躍する鬼才・畑亜貴さんが、自身の誕生日である8月13日にニューシングル「蜿蜒 on and on and」を配信リリースする。

さらに同日、「毀レ世カイ終ワレ」「千本千女の刃毬唄」など一部の過去楽曲も各ストリーミングサービスにて配信解禁した。

新曲&配信解禁を記念してアニメイトタイムズでは、アーティスト・畑亜貴さんにインタビューを実施。新曲についてはもちろん、作詞家としての道のりから自身の死生観・人生観までを語った、超貴重なインタビューとなった。

 

アニメイトタイムズからのおすすめ

待望の新曲&配信解禁!「少し暗い曲も多いですけど楽しんでもらえたら」

──アニメイトタイムズでアーティスト・畑さんに取材するのは初めてなので、いろいろとおうかがいできればと思うんですが──。

畑亜貴さん(以下、畑):どうぞなんでも聞いてください。

──ありがとうございます! まず、今回配信を決めたキッカケのようなものはあったんでしょうか?

畑:たまたまこのタイミングと言いますか。ずっとサブスク解禁は(レーベル側に)お願いしていたんです。音楽を聴く環境が変わってきたので、選択肢を広げたいなと思っていました。配信でも聴けるようにしたいなと。

──畑さん自身はいつも音楽をどのような環境で聴かれているんでしょうか? 

畑:サブスクでも聴いていたり、相変わらずCDも持っていたり……。

──そうなんですね。勝手にレコードに囲まれている印象がありました。

畑:レコードプレイヤーは箱の中に入っています(笑)。レコードのお掃除をするのが苦手で。だからレコードからCDに切り替わったときは「万歳!」って思ってたくらいなんです。あの謎の四角いやつで拭かなくていいんだ!って。

──四角いやつ(笑)。クリーナーで定期的にほこりを取らなきゃいけないのが大変ですよね。

畑:そうなんですよね。ちょっとめんどくさいと思っていて(笑)。

──(笑)。配信をキッカケに畑さんの音楽に親しまれる方も増えるでしょうね。

畑:ぜひ親しんで欲しいなと。たぶん、提供した楽曲をご存じのかたはたくさんいらっしゃると思いますが、オリジナルとなると、そもそも「歌ってたの?」ってところから入る方もいると思うんです。

だからお好きな曲があったらぜひ聴いて欲しいなと思います。少し暗い曲も多いですけど(笑)。

──今“暗い”とおっしゃってましたけど、畑さんのソロの音楽性は言葉にするとどんなものだと捉えられていますか?

畑:言葉にするのは難しいですが、私がそのときにいちばん聴きたいもの、いちばん表現したいものを出してるんです。自分が聴きたいものの特徴としては、どちらかというと明るいものより暗い曲で、展開が奇妙だったり、コーラスワークが不思議な感じだったり、歌詞が異常だったり。

──歌詞が異常(笑)。

畑:はい。さらっと言いましたけど(笑)。

──畑さん自身がそこに惹かれる理由というのはなんなんでしょうか。例えば、以前出られていた番組で、幼稚園で初めて作詞・作曲されたのが「つまらない」という曲だったというお話をされていて、遊び相手がいないことを歌にされたと。

畑:そうです(笑)。そのころから気持ちを音楽にすると、「つまらない」が「たのしい」になるって気が付いたんです。それが原点なんだと思います。

自分の感情と音楽が直結してるということに気が付いて。さすがに子どものころはそれが仕事につながるとは思ってなかったんですけどね。漠然と曲を作る人になりたいなくらいで。

 

 

音楽家としての紆余曲折「1日3曲作る練習」

──お仕事として意識されたのはいつぐらいだったんでしょうか。

畑:憧れとして思ったのが……小学校のころに読んでいた芸能雑誌の付録に歌本というものがあって、歌詞とコードが載っていたんですね。その本の巻末に作家講座のようなものがあって。

作詞家・作家の先生のお話を読んで「あ、すごく面白いな」と思ったんです。その中で「この歌詞に曲をつけてみましょう」って課題があったので、その課題をせっせとやっていました。

こういう仕事があるんだな、カッコいいなって。ただそれが自分にできるかっていうのは別の話なのかなと思っていました。

話が飛んで、大学生のときに将来のことについて考えだして。バンドをやってたんですよね。でも自分はミュージシャンとしてやっていけるんだろうか、それはちょっと無理なのでは!? と思ったときに「自分は何だったら音楽で仕事ができるんだろう?」って。その時に、やっぱり曲が作りたいなと思ったんです。

 

 
自分でオリジナルは作ってたんですけど、それと仕事はまた別だろうから、1日3曲くらい作れたらやっていけるのではと思って、1日3曲作る練習をしていたんです。

──大学生で1日3曲作る練習を!?

畑:素振りみたいな感じです(笑)。それを結構長く続けていたんですよ。そのうちに「もしかしたらいけるかも」と思うように、真剣に考えるようになって。それで「よし、仕事にしよう」と。それがきっかけですね。途中だいぶ端折りましたけど(笑)。

──ちなみに大学生のときにやってたバンドというのは、どんなバンドだったんですか?

畑:ロックバンドがやりたかったのでロックをやってたんですけど、メンバーが次々「ロックじゃない」ってやめていくので、薄々ちょっとおかしいなと思っていたんです。スピリットはロックだったと思うんですけどねぇ……。

──(笑)。そこから仕事につながったのって、どういったきっかけだったのでしょうか。

畑:私は『サウンド&レコーディング・マガジン』を愛読してたんですけど、当時コナミ工業(現コナミエンターテインメント)さんがサウンド・クリエイターの外注を募集していたのが目に入って。私はコナミのゲームがすっごく大好きで、なんなら作りたいなと思っていたんです。

「これは大チャンス!」と応募しました。2回くらい曲のテストと面接があって、外注として仕事をもらえることになり「わーやったー!」って。でもそれが作曲の外注だったんですよね。ゲームなので当たり前なんですけど(笑)。

すごく楽しくやらせてもらってはいたんですが、途中で、「あれ? 私、歌モノを作りたかったんだよね?」って。

──なるほど。

畑:そんな時に、あるゲーム主題歌の作曲を依頼されて、仮歌を自分で入れたんです。それで提出したときに「このままで良いんじゃない?」ってわりと軽い感じで言われて、「え、歌うの!?」って。可愛い曲だったので腰が引けていたんです。

でもこれでお小遣いがもらえるって単純に考えてしまって(笑)。それで歌ったり、作ったりして。それも途中で「あれ? 私シンガーになりたかったわけじゃなくて、歌モノを作りたかったんだよね?」って、また原点に戻ってくるという(笑)。

──そうですよね!(笑)

畑:そのタイミングでアニメの歌詞の仕事を頂きはじめて。「あ、私の性格に合ってるかも」と思って、歌詞を書き続けるうちに「私、作詞家の方に向いてるんじゃないか」と思って。

少しずつ需要も作曲から作詞にシフトしてきて、これはもう作詞を特にがんばろう!と思って……またすごく端折りましたけど今に至るという。その合間合間に作りたいものができたら、作って歌って、時々シンガーソングライターって感じの生活を続けてきた感じです。

──野暮な質問かもしれませんが、シンガーソングライターのほうに気持ちが傾くということはなかったんでしょうか。

畑:私は作ることが異常に好きでとにかく作りたいんです。でも自分で自分の曲を作ると自分用の曲しか作れないんですよね。もっと違う曲を作りたいし、キラキラした感じのものも作りたいし、ハードな曲も作りたい。そういう気持ちもすごく強いので、自分の曲は自分が高まったときにしよう!と。

──じゃあ今はまさに高まっているタイミングなんですね!

畑:そうです! 今は高まってるタイミングなんです。

──2018年の『ツキオク』あたりからセルフカバーを中心にハイペースに活動されてる印象なんですが、それは高まりが続いている証拠でもあるんでしょうか。

 

 
畑:そうですね……残り時間を考えたら今やっとかなきゃって感じなんです。健康寿命から逆算すると……って。

──いやいやいや。

畑:しょっぱい話ですみません(笑)。

──それで以前ゲームなどで発表された曲をセルフカバーでお届けしようと?

畑: CDで手に入れられないものがあるじゃないですか。昔のゲームの曲って権利関係があやふやになっていたり、今同じ形で世に出すというのは非常にハードルが高いんですね。

でも「懐かしいな、あの曲聴きたいな」と思ったときに聴けない状況というのはちょっと寂しいなと思って、自分のできる範囲で考えると……自分の曲であれば自分が著作権を持ってるし、録音しなおせば当時楽しく聴いていた人たちにまた届けることができるなと思って、今やっておくしかないなって。

だからセルフカバーもしてみました。自分でも「あの曲聴きたいな」って思う瞬間があったんですよね。でもCDもないし、サブスクにもないしって。

──逆算したらとおっしゃってましたけど、『世界なんて終わりなさい』(1999年リリース)というアルバムタイトルからも分かる通り、終わりと死というのは、畑さんの音楽性の肝にあるものですよね。

畑:“世界の終わりと死”は私の中で二大テーマだったんです。ただTVアニメ『ビッグオーダー』(2016年)のエンディング主題歌「毀レ世カイ終ワレ」を書いたときに一区切りついてしまって。

 

 
そのテーマの中で今の自分が書ける最高の曲が書けたなと自分で思えたんです。そうすると、同じテーマで曲を作り続けると自己模倣になってしまう。それはクリエイティブとは言えないなと思ったので、このテーマは卒業しようと。

──二大巨頭のひとつがなくなるってアーティスト人生において、かなり大きな出来事だと思うんですが……。

畑:もう本当に衝撃でした。ずっとそのことを考えてきて活動してきたので、子離れできない親のような感じで(笑)。

──すぐに封印できるものだったんでしょうか。

畑:自己模倣を封印できない自分がカッコ悪くて我慢できなかったんです。「ダメ、そんなのダメ」って。

──潔いですね。畑さんのお話を聞いていると、カッコいい生き方というものを感じます。

畑:ははは。自分が許せる自分でいたいなという気持ちがあるんですよね。若いときは自分自体がよく分からないところもあって。じゃあカッコいい自分ってなんなの?って。

借り物ではない自分像が分からなかったんですよね。それが年齢を重ねるごとに分かってきたというか。それって自分の心に嘘をつかない、自分の心が求めるものに目をつぶらないということなんだなって。

──それって音楽活動を続ける中でハッと気づいたことなんでしょうか。

畑:そうですね。失敗して試行錯誤しているうちに気付いた感じです。例えば作家の仕事の場合は原作や、アーティストのカラーがあって。その世界を広げていくことに力を集中したいという大きな目標があるんですけど、自分の作品のときは、自分の心を見つめるしかなくて。

そこで自分の心を騙して、カッコいいことを書くのは違うよねって。もっと自分をさらけ出せる自分でいなきゃいけないよねっていう葛藤があった上での新曲なので……自分の中では結構気にいっています(笑)。

今自分が考えていること、今いちばんこういうものを聴きたいなと思っていることが、全部この2曲に詰まってますね。

──現在のモードに突入したのは、具体的にいつぐらいだったんでしょうか。

畑:それはわりと最近なんです。テーマを失ってからは心が空虚なままだったんですけど、過去のセルフカバーをしているうちに「やっぱり過去に自分はいないんだな」って。自分が新しいものを生み出していかない限りアーティストとは言えないなと改めて思いました。自分が今いる時間から後ろって過去じゃないですか。

──そうですよね。今こうやってお話してる瞬間すらも過去になっていく。

畑:ええ、そうなんですよ。だからもうそこは過ぎたことで、そのさきを私たちは生きなきゃいけないなって。

──まさに前に向かっていく曲ですもんね。

畑:ただ、向かっていく先が「灰」っていう。

──「蜿蜒 on and on and」の<去ったら去ったら星になるかい? 灰だよ 灰だよ 夢見ただけ>という言葉は衝撃的でした。

畑:(死んでも)星にはならないし、何輝こうとしちゃってるのって(笑)。輝くのなら生きてる間ですから。いつか灰になる、その空虚さに耐えられるか。でもそれに耐えなきゃいけないのが人の生なんだなと。

その空虚さに耐えなきゃいけないって考えると「じゃあ、なぜ生きるの?」って思っちゃうじゃないですか。それは私もまだ答えが分からなくて。でも灰になるまで、とにかく手を伸ばし続けるしかないなってことで、この2曲はリンクしてるんです。

──ある意味「図書館ロケット」(2014年リリース)の答えでもあるのかなと。

 

 
畑:ああ、確かにそうですね。<星の終わりを 夢で見た 綺麗に悲しく流れてた 僕はいつまで生きるのだろう?>って寂しく終わって、「それはね、灰になるけど、延々と進むしかないの……!」って(笑)。

──(笑)でも生きる答えはまだ出ていないということは、それはこれから追及されていくということですよね。

畑:新たなテーマとして追及し続けるのかなと思います。なんで生きるのかは分からないけど“手を伸ばし続けること”が今のテーマですかね。何か掴めるかもしれないし、掴めないかもしれない。手を伸ばしたまま倒れるかもしれないし──。

──後ろに倒れることもあるかもしれませんし(苦笑)。

畑:そうですね、パタッと後ろに倒れても心だけは前向きのつもりで(笑)。

 

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