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BLの楽しみ方は十人十色! BL愛好家座談会【BL塾・連載第8回】

あなたはどうやってBLを選んでいますか? BLの楽しみ方は十人十色! BL愛好家座談会【BL塾・連載第8回】

座談テーマ①「BL作品の選び方」

阿部:自己紹介とBLとの出会いを知れたところで、本題に入っていきましょうか。まず知りたいのがみなさんの「作品選びの基準」です。BL塾の書籍の書き下ろしでもチラッとお話している内容なのですが、人それぞれ作品選びのポイントは違うはず。例えば、私は「黒髪メガネ受け」を選ぶとか。

ゆぴ:それ、すごく羨ましい! 好きなキャラクターの傾向が決まっていれば、表紙買いができるってことだよね。

阿部:そうね。片っ端から買える(笑)。石橋さんは百合(※3)作品がお好きですが、作品を選ぶポイントはありますか?


※3:百合
女性どうしの関係性(恋愛関係も含む)を描いた創作ジャンルの通称。ちなみに石橋の聖書的作品は『マリア様がみてる』『青い花』『ささめきこと』。


石橋:まずは絵柄。設定も大事ですね。百合作品は「学園」か「大人」が比較的多くて、自分は「大人」の作品が好きなので買います。「学園」だと昔から好きな『マリア様がみてる』のような源流系はとりあえず手に取ってみる。絵柄とストーリーがマッチしていたら買いますね。

阿部:ということは、1回試し読みするんですか?

石橋:最近はしますね。昔は絵柄が好きならとにかく買っていたけど、それだと本棚が大変なことになるので……。太田くんはジャケ買いするタイプだよね?

太田:表紙で選びますね。少女マンガ、百合マンガ、BLマンガすべて共通して、とにかく線が細くて明日にでも消えてしまいそうなくらいの儚く繊細な絵柄が好きなんですよ。

阿部:キャラクターの好みで選ぶこともあります? 女装がお好きとのことだったので!

太田:受けが「美人」だったら買いますね。「女装受け」や「可愛らしい見た目の受け」が登場する作品も。あとは「襲い受け」が大好きなんですよ……! 「襲い受け」ってあまりないので、彼女と本屋に行くと「とりあえず襲い受けを一緒に探してくれない?」と頼みます(笑)。

一同:あははは!

太田:攻めにはあまりこだわりはないんですけどね。あえて言うなら「男性的な攻め」が好きですね。

阿部:「攻め」「受け」のアイコンが分かりやすい作品がお好きなんですね。

ゆぴ:私は太田さんと逆ですね……! 「受けっぽくない受け」と「攻めっぽくない攻め」が好きなんですよ。表紙をパッと見た時に、どっちが攻めか受けか分からないような。THE男どうしという感じの表紙を選んで買います。「どっちが攻めなんだろう? 受けなんだろう?」と考えながら読みます(笑)。
あとは、あらすじを読んでストーリーで選ぶかな。

太田:自分はあらすじを読む前に本編を読み終わっているタイプですね。表紙で買ってしまうから、読み終わってから「あらすじあったんだ!」となります(笑)。

ゆぴ:なるほど! 阿部ちゃんは「黒髪メガネ受け」の作品を買う時、ストーリーは気にするの?

阿部:「黒髪メガネ受け」なら太田さんと同じでジャケ買いしちゃう。誰かにオススメする時はストーリーを気にするけど、自分の中で楽しむ分には気にしなくていいというスタンスなので。買ってみないといい作品なのかどうかって分からないから、とにかく買うようにしますね。
でも、「黒髪メガネ受け」以外のBL作品はあらすじをしっかり読むし、どういうキャラクターが登場するのか把握した上で買うよ!

ゆぴ:「黒髪メガネ受け」という軸があるだけでも、いろんな作品に出会えていいよね。あらすじを読んだ結果買わなかった作品も多いから、もっといい作品に出会えてきたかもしれないと思った。

石橋:人それぞれ許せるラインが決まっているから、それによって選ぶ作品もかなり変わってきそうですね。

ゆぴ:だから、運命の作家さんに出会った瞬間は本当に最高。

一同:分かる!!!

ゆぴ:「この人なら間違いない!」って作家さんを見つけるのが、一番安心だなと思います。

太田:作家さんによってある程度性癖が固定されているから、「この先生の性癖なら信頼できる!」みたいな気持ちになれますよね。

ゆぴ:「この作家さん、絶対このタイミングで受けに自慰行為させるな……」みたいなお決まりがあったりしますもんね(笑)。

一同:あるある(笑)。

座談テーマ②「好みのBLの傾向」

石橋:みなさんの選び方を聞いて、人それぞれ違うことが分かったのですが、読んでみて「好き!」となる作品もそれぞれ違うのかなと思っていて。どういうBLが好みなのかを教えてほしいです!

ゆぴ:私は簡単には結ばれない、最後の最後にやっと……! みたいな作品が好きですね。そもそもBLの好きなところって、「障壁がたくさんあるところ」なんですよ。親にも言えない、友だちにも受け入れてもらえない、将来の不安もある。数々の壁が恋を燃え上がらせると思っています。なので、いちゃラブな作品より、ハードで少し暗い作品の方が好き! 結ばれるまでの難易度が高い、何なら最後は結ばれないのもアリ。

太田:分かります。僕もちょっと悲しい結末の方が好きです。
あと自分の場合は、かわいかったりキレイだったりする受けが好きですけど、最後の最後に「それでも自分は男だよ」という葛藤を受けに抱えてほしくて。いくらかわいくてもキレイでも服を脱げば男の身体なわけですよ。それに対して受けが「本当に自分でいいのだろうか……」と壁を感じる作品を好きになりますね。

石橋:なるほど。お二人の言っていることは分かるものの、あまり理解ができていなくて……。

阿部:困難を乗り越えた先の結末に達成感や興奮を覚えるということじゃないですかね? 道のりが険しければ険しいほど、彼らの選んだ結末にグッとくる! みたいな。

石橋:そういうことか! 恋愛シミュレーションゲームのような感覚ですね。攻略するまでに時間がかかればかかるほど、終わった時の達成感はひとしお、みたいな(笑)。

一同:(笑)。

ゆぴ:最近のBLって、家族や友だちがカップルの二人を応援する描写とかあるじゃないですか。そういうのを見ると、「現実はそんなに甘くない! これはファンタジーだ!」と思ってしまう。古参みたいなことを言うのは嫌なんですけどね……。ちょっとリアルさを求めているのかも。

太田:設定やストーリーの流れに必然性を求めてしまうのはありますね。例えば、共学の設定なのに、当たり前のように男どうしのカップルが2~3組いると「どういう世界……? そんなこと現実には起こり得る……?」と思ってしまう。

ゆぴ:分かります……! だから、BLは背徳感があればあるほど楽しい。

石橋:背徳感はドラッグですよねぇ……。オタクあるあるな気がします。
僕も最初に百合を買う時、ソワソワしていましたもん。「こんな美しい表紙の作品を、僕みたいな人間が買ってもいいのだろうか!?」みたいな(笑)。店員さんにもビックリされることがありましたし。最初は裏表紙を見せる形で渡して、無事に買えると「買ってやったぜ……!」と楽しんでいたことがあったのですごく分かる(笑)。

ゆぴ:私もバーコードだけを見せるように買っていました!(笑)

阿部:そうか~。私は二人と逆でハッピーあまあまなお話の方が好きなんですよね。BLに限らず創作の世界だけでは幸せを感受していたい。リアルで上手くいかないことの方が圧倒的に多いからこそ、「つらいのは現実だけで十分……」と思っていますね。だから、リアルに寄った作品の方がいいという意見は新しい価値観でした!

石橋:とはいえ、すべてリアルも嫌だったりするんですよね(笑)。ここはリアル、ここはファンタジーがいい! みたいな。

太田:オタクはわがままな生き物ですからね(笑)。

一同:うんうん(笑)。

石橋:好きの中にもいろいろな基準があって勉強になります!

ゆぴ:自分の好みに左右されるジャンルだからこそ、口コミが参考にならないなと思うんだけど、みなさんどうです? 私、「泣けるBL」を調べていろいろ読んでみたものの、どれも泣けなくて……。「感情が死んでいるのか!?」と思ったことがあったんですよ。

石橋:過去のBL塾の講義でも、その話題は出ていました。口コミやレビューを書く人って歴戦の猛者が多くて、その人の嗜好が多分に反映されてしまうんですよね。

阿部:もちろん参考になることはありますけど、それがすべてかのように見てしまうのは危ないですね。仮に多くの人が低評価にしている作品でも誰かにとっては一番になり得るから、参考にし過ぎない程度に参考にしてほしいなと思います。

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