アニメ『ぐんまちゃん』高橋花林さんインタビュー｜「愛らしさを大事に、かわいらしく」ぐんまちゃんの生みの親も認めた可愛らしさに注目！

多様性や個性を大事にする世界、子供もオトナも楽しめる『ぐんまちゃん』

ーー台本を読んでみていかがでしたか？

高橋：かわいくて癒やされるお話だと思いました。みんな違ってみんないいよねというのを伝えてくれたり、すべての話数に通じますけど、個性を大事にする世界なんですよね。子供向けの楽しいワイワイした作品なのかと思ったら、オトナも考えさせるところがあって、とても心が豊かになる作品だなと思いました。

ーーアフレコは、いかがでしたか？

高橋：みんな一緒には録れなかったのですが、あおま役の内田彩さんとみーみ役の小倉唯さんとはほとんど一緒に録れたので、休憩時間に群馬の名所や名物を聞いたり、ぐんまちゃんとの思い出を聞いたりしていました。彩さんからは、こういうところがかわいいよとか、こういう動画があるよと教えてもらったり。

ーー具体的には、どんな話がありました？

高橋：第1話が、群馬のソウルフードと言われている焼きまんじゅうの話だったんですけど、お二人とも餡が入った焼きまんじゅうは食べたことがなかったらしく、アニメで初めて見たとおっしゃっていました。私は、結構ファストフードみたいに、よく食べるものなのかと思っていたんですけど、親戚が集まるときに食べたりするものだと聞いて、そうなんだぁと思ったりしました。

ーー二人が演じていた、あおまとみーみはいかがでした？

高橋：あおまくんは、見た目ぐんまちゃんと似ているんですけど、口調はちょっと強めなんです。でも根は優しく周りも見えている子です。みーみはお耳が大きくて、3人の中では精神的にもオトナなんです。見た目は違うんですけど、みんな種族は同じというところは、先程の多様性や個性を大事にするところにも繋がっていると思います。

それとやっぱり声が本当にかわいくて、あおまくんの声は、ちょっと意地悪な感じがあるのかな？と思っていたら、全然そんなところはなく、かわいい！！って思いました。みーみちゃんも唯さんのかわいらしい声があることで、しっかり者だけど甘い感じもあって、こちらもすごくかわいくて良かったです！

ーーそのほかのキャラクターも、本当にかわいかったですが、高橋さんのお気に入りキャラクターはいましたか？

高橋：ホントにみんなかわいいんですよね。私が気になったのは、ハニワさんと三人童女とアリンコージョさんですね。ハニワさんの1人を唯さんが声をやっていて、それも面白いですし、かわいいんですよ。三人童女はライブシーンがあってびっくりしました。アリンコージョはみんなでいっせいに動いているのがかわいくて、画面いっぱいにアリンコージョさんが広がったりするところもかわいかったなぁ。あと、古墳様も良かったです。

ーーあと、ナレーションもいいですよね？　

高橋：本田貴子さんのナレーションが面白さをすごく際立たせてくださっているというか。すごく素敵でした！　第1話でぐんまちゃんが悩んでいるところとかも、すごくかわいらしいナレーションが付いていて、楽しかったです。

ーーそれと毎話出てくる“ぐんまパワー”が気になったのですが、ここは、こだわって収録したのですか？

高橋：“ぐんまパワー”は癒やしの力で、もちろんこだわりを持って、何テイクも録りながら方向性を決めていきました。“パワー”を張って言ったりもしたんですけど、癒やしパワーなのでその方向ではないかもということになり、今の形に落ち着いたんです。

穏やかに緩やかに、パワワワワーンって伝わっていくイメージで言っていましたね。

ーーさらに最後に「ハニワパワー100%」とか「アリンコージョパワー100％」など、“〇〇パワー100%”っていう決めセリフがあるじゃないですか。それもいったい何なんだろうと思っていました。シュールで、ものすごく好きだったのですが……。

高橋：あれは私がアドリブというか……「○○ パワー100％」とか、ワードを変えて言ってみたら面白いかもと思ってやってみたら、監督が「それ、いいね！」と言ってくださって、毎回違うワードを提案して収録しました（笑）。なので、気に入って楽しんでいただけていたらうれしいです（笑）。

ーーOPテーマ「SWITCH！」を、ぐんまちゃん、あおま、みーみの3人で歌うことになったことについては、どう思いましたか？

高橋：主題歌をぐんまちゃんが歌うことにまず驚きました。アフレコ時にEDテーマが入っていたので、OPテーマは特にないアニメだとずっと思っていたんです。だから、あると聞いたときはうれしかったです。でも、私的には、ぐんまちゃんって歌えるの？と思ったんですけど、（隣りにいるぐんまちゃんに向かって）ちゃんと歌えたね～。

（ぐんまちゃん、うなずく）

ーーしっかり歌えていましたね。

高橋：レコーディングは、彩さんが先に録られていたので、あおまくんの歌を聴いたら、個性が爆発していて、らしさがよく出ていたので、ぐんまちゃんも歌というより、しゃべりの延長線の歌という意識で歌ってみました。

それぞれのパートがすごくかわいくて、みんな違う個性があって、それでいて一緒に歌うところはすごくマッチしている。3人が楽しそうに日常を過ごしていることが想像できる、かわいらしい曲になったと思いました。

ーーわりとファンキーでおしゃれな曲でもありましたね。

高橋：そうですね。ちょっとレトロな感じで、小さい子や若者は新しく聴こえるし、オトナはどこか懐かしく聴いてもらえる楽曲なのかなと思いました。一度聴くと耳に残るし、口ずさみたくなる曲なので素敵ですよね。

ーー作品を見ると、群馬のいろいろなところに行きたくなりますが、どこか行ってみたいところはありますか？

高橋：群馬県自体は何度か行ったことがあるんですけど、彩さんと唯さんの3人で観光をしてみたいですね。そのときはぜひぐんまちゃんも一緒に来てもらいたいです。

群馬県には温泉がたくさんあるので温泉にも行きたいし、富岡製糸場も世界遺産ですし行ってみたいです。それに私、大学は史学科を卒業しているので歴史に興味があるんです。だから古墳も見たいし、歴史があるところ、みんなが大切に守ってきたところに行ってみたいです。あとはそうですね、いちご狩りはしたいです（笑）。やよいひめを食べたい！

[取材・文/塚越淳一]