2ページ目：『Prince Letter(s)! フロムアイドル』堀江瞬インタビュー

——キャラクターについてお伺いします。堀江さん演じるyuzuについて、最初はどのような人物だと思いましたか？

堀江：普段からちょっと毒っ気のある男の子や可愛らしい男の子の役をやらせていただくことが多かったんですけど、その中でもyuzuの立ち位置は複雑なような気がします。

最初の収録で自分から能動的につかむことができず、監督やスタッフさんから教えてもらったイメージを共有しながら作り上げていくことで精一杯でした。そのときに、ぶりっ子の度合いをどのくらい入れ込むのか、テイクを何度も重ねた記憶があります。

でも、10月から始まるyuzu編では少しだけ、今後自分が作っていく上での軸となるような部分を得られた気がしました。

堀江：かなり濃厚だと思います。受け取り方によって、結構、yuzuの秘密が変わってきそうな気がするので、人によっては「え!?　そんなことで!?」と思う方もいらっしゃるんじゃないかなと。

アキトは本当にわかりやすく“死”というものがずっと付きまとっていましたけど、yuzuはまたそれとは違う出自です。漫画でもキャラクターの出自が描かれることがよくありますが、扱われ方や描き方は本当にさまざまで。

そんなことでクヨクヨしているんじゃないよ！というキャラクターもいれば、割と重く受け止めて共感してくれるようなキャラクターもいるように、それだけyuzuの秘密は受け手の皆さん次第になるんじゃないかなと思っています。

濃厚とも取れますし、そうじゃないように取られるかもしれない。そういう印象を受ける秘密でした。

——堀江さん自身は、yuzuの秘密をどちらで受け取りましたか？

堀江：この仕事をしていなかったら軽く受け止めていたのかもしれません。yuzuと僕とでは主戦場がまったく違いますが、大きい分野で分けると近い位置にいるような気がしているので、そういうところに身を置いている自分からすると“そうなっちゃうのも仕方のないことなのかな”と思うような秘密です。割と、yuzuの気持ちは理解できました。

——ますます“秘密”が気になります。yuzu編での推しポイントや注目ポイントがあれば、ぜひ教えてください。

堀江：yuzuを取り巻く人たちの変化に注目してもらいたいです。変化は必ずしも必要だとは思わなくて、“変化しないことの意味”もあると思います。それを踏まえて、3人が変化するのかしないのか、これからの関係性の変動に期待と余白を持たせるような終わり方をしているのかを確かめてもらいたいです。

あと、個人的に、三木眞一郎さんと室元気さんがゲストで参加されているところも1つの大きなポイントだと思っています。大先輩の三木さん、Twitterなど普段からやり取りさせていただいている室さんという面白い組み合わせでボイスドラマが構成されています。

たぶん、皆さんの中では、三木さんや室さんのキャラクターがどういう人物なのか知らないと思うので、yuzuとどういう風に絡むのかぜひ楽しみにしていただきたいですし、プロデューサー曰く、特に室さんの役柄は“狙われたポジション”とのことなので、察していただけたらと（笑）。

スタッフ：補足すると、yuzuと室さん演じるキャラクターはいろいろある関係です。

堀江：そうですね。個人的にはライバルと言える関係でもなく、室さんからの一方的な確執のような感じがします（笑）。爽やかではない人間ドラマが繰り広げられていますし、アキトのボイスドラマで生と死を扱っているところを見ても、そういうところがこのコンテンツの1つの肝になるんじゃないのかなと思いました。

堀江：オタクってそういうの好きなんですよね（笑）。僕もオタクなのですごくわかりますし、yuzu編もそこがたくさん詰まっています。