TVアニメ『ワッチャプリマジ！』チムム役・引坂理絵さんインタビュー「みゃむとチムムの関係性と同じように、私自身もライバル的な気持ちで挑ませていただかないと、と思いました」

佐藤総監督との再会

――話が前後してしまうんですが、オーディションの時のことは覚えていますか？

引坂：最初のテープオーディションは別役で受けていたんです。スタジオオーディションのときにチムムという役が増えて、チムムに決まりました。なにも考えず喋れるくらい、気持ちのままにやらせていただいた感覚がありました。

――チムム役が決まったときはどのようなお気持ちでしたか？

引坂：それはもう……めちゃくちゃうれしかったです！　『プリティーシリーズ』はアミューズメントゲームとしても有名で、ゲームセンターなどに行くと子どもから大人までプレイされていて。老若男女に愛されて、しかもお客さんの熱量も感じられる作品。そうした作品に参加できることが本当にうれしかったです。

私個人としては、佐藤(順一)総監督、坪田さんと久しぶりにご一緒させていただけるということがとても大きくて。「またいつかご一緒できたらいいな」と思っていたのでうれしかったです。それと同時に、身が引き締まりました。

以前一緒にお仕事をさせていただいた時から時間が経っているので、自分の成長を見せる機会でもある。あと、『プリマジ』出演者の中には、アニメ出演が初めてという方もいらっしゃるんです。いわば後輩が多い状況で。そういう環境において、どれだけ周りの人たちを引っ張れるか、芯を持って自分が楽しんでいる姿をお見せできるか……。出演が決まったときに「私、試されているかもしれない」と(笑)。

――その後、佐藤総監督とは何かお話されたのでしょうか？

引坂：コロナ禍ということもあって直接やりとりはできてなくて。どちらかというと、マイク越しで長崎(行男)音響監督からコメントをいただくような形でした。1話(「いっしょにプリマジしよ！」)は一言だけの出演者が多かったのですが、(同じ収録チームのメンバーが)一言ずつ話したあとに、長崎音響監督が「これならやっていけそうです！」と。それで「いよいよはじまるんだな」と。

――背中を押してくれる一言でもありますね。

引坂：その後、 3話でチムムが初めて「マナマナ・マジパチュッピ」を唱えるんですけど、その時のアフレコで長崎音響監督が「みゃむはかわいいよ」って一言言ったんですよ(笑)。「チムムももっと可愛く」って。

――焚きつけられた感じですね(笑)。

引坂：そうなんです。みゃむとチムムのライバル関係を私たちにも与えてきたというか(笑)。それが印象的でしたね。

パートナー・ひなを演じる内田さんの印象は？

――さきほど、オーディションのときにチムムについて「気持ちのままにやらせていただいた」とおっしゃっていましたが、引坂さん自身とシンクロする部分も？

引坂：そうですね。なんか子ども感があるんですよ(笑)。精神的にミニサイズというか。それがめちゃくちゃ私に似てるな！って。チムムのようにわーわー騒ぐタイプではないんですが、「分かりました！ハイ！」って感じが私にもあるので、そこが似ているなと思います。

――チムムのパートナーであるひな役の内田彩さんとはお話はされていますか？

引坂：話しています！　ひなはすごくカッコいいプリマジスタという印象。内田さんからもひなを感じるんですよね。内田さんだからこそにじみ出る温かさなんだろうなって。だからついつい「ひな～！」って話しかけたくなっちゃいますね(笑)。

不思議な言葉「マナマナ・マジパチュッピ！」

――『プリティーシリーズ』の10周年となる本作。「歌、ダンス、おしゃれ」に、新たな要素として「魔法」が加わりました。お話の印象について教えてください。

引坂：魔法って私たちの現実にはなかなか見えないものですが、魔法というワードが入ることで私たちの想像力が掻き立てられるというか。そもそも「マナマナ・マジパチュッピ！」って、今までなかった言葉じゃないですか(笑)。それだけで、みんなの心の中にある想像力・妄想力を高めさせてくれる。それが現実世界でも感じられる効果、魔法のように感じています。

Twitterのトレンドに「チュッピ」が入っていて、やっぱりみんな気になるんだなって(笑)。未知なものに対しての興味という新たな要素が増えたのかなという気がしています。今までの『プリティーシリーズ』にもそういうものはあったと思うんですが、自分の知らない世界が加わったことでの面白さが今後どんどん話の中に入ってくるんだろうなって。