『東京カラーソニック!!』プロローグからUnit.2までのストーリーをレビュー｜関係性オタクは100%ハマる！　本当の“バディ”になった2人が生み出す音楽は鳥肌もの！【ネタバレあり】

「Unit.1 嵐×宙」はフレッシュさを感じさせる1年生バディ

ユニットCDのトップバッターを飾ったのは、小宮山 嵐（CV：千葉翔也）と霧島 宙（CV：上村祐翔）の1年生バディ。

見た目はヤンキーな嵐ですが、男家庭で育ったことから料理が得意だったり、家族想いな一面を持っていたりと優しい心の持ち主です。宙と2人で一緒に料理をするシーンがありますが、トマトですらまともにカットできない宙を、フォローする嵐が印象に残っています。こういう日常が垣間見れるシーンは大好物です。

見た目から正反対な印象を受ける嵐と宙がバディになり曲づくりに励みますが、なかなか作詞作曲がうまくいきません。先生たちから「嵐の心の中を知ることが大事」だとアドバイスをもらい、宙は積極的に嵐の心の中へ踏み入ろうとします。

2人の距離感が近づき始める中、家族仲が良い宙の様子を見て何か思うところがある嵐。すると、嵐の口から父親と何年も口を聞いていない、父親は自分のことを嫌っていると話し始めます。

少しずつ嵐の家庭事情が見えてくるのですが、嵐は小さい頃に母親を亡くし、忙しい長男に変わって弟の面倒を見たり、父親を励まそうとしたり次男坊ならではの苦労をしてきた様子……。

宙と2人で寝そべって語り合うシーンでは、お互いに音楽を好きになったきっかけについて語り合うのですが、このシーンが本当に最高なんです。少しずつ心を通い合わせてきた男の子たちが静かに本音を語り合う……これこそ「THE 青春」という感じがします。

また、ツンツンしていた嵐が、素直でまっすぐな宙の影響を受けて少しずつ素直になるところもまた良い！　近くにいるバディだからこそ影響を受けている様子が、嵐が発する言葉からも感じられます。

そんな最中、嵐に会うために寮を訪れた嵐の父親と弟。嵐を待っている間、宙は父親から嵐と不仲になってしまった原因や、単身赴任する前に仲直りしたいという気持ちを聞き、嵐を説得させようとしますが、嵐は拒絶してしまうんです。

ここのシーンは正直、両方の気持ちがわかるので胸が痛みます。何か助けになってあげたい宙の気持ちもわかりますし、自分の家族のことだから口出しはされたくない嵐の気持ちもわかる……。

嵐から突き放されたにも関わらず、ここで宙は「自分のせいで嵐を傷つけてしまった」と後悔するんです。なんて健気な子なのでしょう。

その様子を見た田所先生が、ここでまた素晴らしい言葉を投げかけます。全力で相手を思える宙だから嵐のバディにしたんだと……。その言葉に、宙はお互いに自分のことばかりで本気で相手を見ていなかったことに気づくんです。バディは2人で1つなんだと。

もうこの展開だけで胸熱すぎませんか！？　また、もう一度嵐にぶつかるとき、宙が青森弁になる瞬間もたまりません。本気で嵐のことを想って発言している様子がすごく伝わる上村祐翔さんの表現力にもぜひ注目していただきたい……！

そして、父親に対して心の中に溜まっていたものを吐き出す嵐のシーンは、千葉翔也さんの演技力に引き込まれます。この流れで2人が作った楽曲「NEW DEVIATION」を聴くと、感慨深い気持ちになること間違いありません。

映画やドラマに流れている音楽が物語を彩るとよく言いますが、『カラソニ』の場合はその逆。2人のキャラクターが本物のバディになるまでの物語が、より音楽を魅力的なものにさせると言っても過言ではありません。

【ドラマCD】東京カラーソニック!! Unit.1 嵐×宙

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また、2人がバディとして初めて挑むレコーディングで、嵐がPRのためのコメントを一緒に収録しますが、このコメントが泣けます。あんなに作曲作詞で悩んでいた宙が嵐のために考えて作った楽曲だと思うと、感慨深い気持ちになるはずです。

実際、ボイスドラマを聴く前はこんな気持ちで楽曲を聴くとは思っていませんでした。自分の中にこんな感情もあったんだと思わせてくれるようなストーリーはもちろん、ストーリーを知ったうえでぜひ、2人の曲を聴いてほしいです。