音楽
『東京カラーソニック!!』Unit.3とUnit.4をレビュー!【ネタバレあり】

『東京カラーソニック!!』Unit.3とUnit.4のストーリーをレビュー|環境の差が大きい永久と未來、1人を好む海吏と神楽。胸に響く、本当の“バディ”になるまでのお話【ネタバレあり】

バディ×音楽をテーマにしたオリジナルCDコンテンツ『東京カラーソニック!!』(略して『カラソニ』)。

現在、それぞれのバディに焦点を当てたユニットCDがリリースされており、10月29日(金)には倉橋海吏(CV:武内駿輔)と高槻神楽(CV:江口拓也)のUnit.4が発売されました。

「気になっているけど、まだボイスドラマを聞けていない」「どんなストーリーになっているのか少しだけでも知りたい」と思っている方は多いはず!

そこで、これまで発売された「Prologue」「Unit.1 嵐×宙」「Unit.2 伊織×春飛」「Unit.3 永久×未來」「Unit.4 海吏×神楽」のストーリーを2回に分けて【ネタバレあり】でレビュー!

前回は「Prologue」から「Unit.2 伊織×春飛」までのストーリーを筆者視点でご紹介しましたが、今回は「Unit.3 永久×未來」「Unit.4 海吏×神楽」のレビューをお届けします。

それぞれバディを組んだ理由が見えてくると、さらに増す楽曲の深み。あなたも『カラソニ』を知れば、その深みにハマるはずです!

※本記事にはネタバレが含まれております。ご了承くださいませ。

永久×未來の前に立ちふさがる壁は“環境の差”

「Unit.3」は“無気力×依存癖”のボーカル学科2年・瀬文永久(CV:梶原岳人)と“御曹司×ヤンチャ常識人”の作詞作曲学科2年・財前未來(CV:木村良平)ペアのお話です。

お互いに相手を見ていなかった嵐×宙、相手を想うばかりに本音を伝えられなかった伊織×春飛とそれぞれのペアによって大きな“壁”がありましたが、今回の永久×未來は“環境の違い”が課題。

育ってきた環境によって価値観や考え方に違いが生まれ、それが刺激にもなれば、大きな衝突になることもあると思います。貧しい家庭で育った永久と裕福な家庭で育った未來というまったく逆の環境で育った2人だからこその大きな壁です。

▲(左)永久(右)未來

▲(左)永久(右)未來

しかし、2人にも共通していることがあります。それは、これまでの人生で感じてきた“不自由さ”。仕事で何日も返ってこない父親と2人暮らしをしていた永久は、いつも家で1人ぼっちの狭い世界に閉じこもっていました。

財閥の御曹司である未來も、人に序列をつける父親のやり方に反発していたため、大きな家に住んでいながら窮屈さを感じていた様子……。

この2人がお互いの環境を理解し、どのようにそれぞれの世界を広げていくのかが本作のポイントであり聴きどころと言えるでしょう。

特に、貧しい環境の中、人の純粋な優しさに触れる機会がなかった永久は、未來の親切心に対しても「何か自分に求めているのかな?」と疑問を抱き、素直に受け止められなくなってしまっているんです。(ここが未來にとっては歯がゆいところ……!)

なかなか永久との距離感がつかめずにいるとき、「もらった優しさと引き換えに何かを差し出さないといけないと恐怖に駆られる人もいる」「人には生きてきた環境がある」「人の心を焦ってこじ開けようとするな」と田所先生がアドバイス。

永久と未來には他のペアにはない壁=生まれ育ってきた環境の差があると、先生たちにはお見通しだったんですね。

これまで寂しさを埋めるため、自分のために歌ってきたと話す永久は、未來が優しくしてくれたから見返りをしなければ見放されてしまうと思ってしまっています。そんな永久に、どんな姿を知っても逃げたりしないと真摯に向き合おうとする未來。

その未來の言葉に胸がギュッとした永久は、人前で歌うことの喜びを知ります。配信で歌を披露し、視聴者の反応やコメントに照れながらも喜んでいる永久が本当に可愛いんです。その様子を見てテンションが上がっている未來もすごく可愛いので、ぜひ聴いてほしい……!

けれども、生まれ育ってきた環境は深く根付いているもの。そう簡単に価値観や考え方は変えられません。こんな人間が歌っちゃいけない、目立ってはいけないと自分を拒絶する永久は家庭環境について詳しく話し始めるのですが……。

「恵まれた環境の未來にはわからない」と突き放すシーンがとにかく苦しく、聴いているこちらも胸がギュッと締め付けられそうでした。

一方、未來も父親とのやり取りを振り返ります。音楽で生きていきたいと訴える未來に対し、父親は「4年間」の猶予を与えることに。そう、未來は4年の間に父親に認めてもらえるような実績として「カラーソニック」で優勝しなければ連れ戻されることになっているんです。

さらに、未來の父親と「カラーレーション」を潰そうとしている駿河大臣が繋がっていることも明らかに! この展開は筆者も想像していなかったのでびっくりしました。駿河大臣の手回しというか、先読みというか……本当に油断ならない人です。

また、永久との関わり方で悩む未來に言葉をかける田所先生も本当に素敵すぎます! Unit.1からそうですが、話が進むにつれて芦野先生や田所先生の好感度がかなり爆上がりです。

先生たちの言葉もあって、退学届だけを置いて行方をくらませた永久を追いかける未來。再び心を闇で閉ざしてしまった永久を、その闇から引っ張りあげようとする未來のシーンは必聴です!

『東京カラーソニック!! Unit.3 永久×未來』配信情報はこちら

 
孤独と寂しさしかなかった札幌の自宅に戻ってきた永久に対し「ここから抜け出せなくてもいいのか!?」と熱く訴えかける未來の姿もそうですが、それに対して「抜け出したい」「未來くんと音楽を作りたい」と涙ながらに本音をついに打ち明ける永久の会話は胸にくるものがあります。そして「大丈夫だ!」と言葉をかけてくれる未來が本当に頼もしい……。

そのやり取りからの2人で作った曲「VOICE」を聴くと、いろいろな感情が湧き出てきて涙が出そうに……。

Unit.3の永久×未來は、自分が育ってきた環境、価値観、考え方について改めて考えさせられるようなストーリーになっていると感じます。

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