音楽
アニメ『永遠の831』angela×カノエラナ インタビュー

WOWOWオリジナル長編アニメ『永遠の831』両アーティストが解いた神山健治監督のメッセージとは? 主題歌担当・angela、OP曲担当・カノエラナさんの座談会をお届け!

「もし時間を止めることができたら?」の答えは、atsukoさんとカノエさんのささやかな願い、KATSUさんの壮大な野望!?

――本作は「時間を止める」もキーワードの1つになっていますが、過去に時間を止めたいと思ったこと、または時間を止めてしてみたいことを教えてください。

カノエ:私は、自分がしたいことや感情をそのまま表に表すことができなくて、曲に込めて作るタイプなので、コミュニケーションをとるのがすごく苦手で。そのため、困ることも多くて、「考える時間をください!」と思った時に止められたらいいですね。

atsuko:へえ。今、カノエさんのお話を聞いていて、私も昔はそうだったことを思い出しました。

KATSU:コミュニケーション能力が異常に高いじゃないないですか!?

atsuko:でも私も最初は人見知りだったから、カノエさんもきっと変わってくるんでしょうね。

カノエ:変わりますか?

atsuko:変わるんですよ。ある時「時間がもったいないな」と考えるようになって、ぐいぐい入っていくようになりました。例えば、初めての方と短時間でお仕事したり、何かを作らなくてはいけない時、「休日は何をされているんですか?」から距離を縮めていこうとすると、時間内に仕事までたどり着けなんですよね。「あの時にもっと聞いておけばよかった」みたいな後悔が残ると作品やお仕事に影響が出てしまうし、新しい出会いは一生の中でも限られていると思うから、一期一会のように、相手のことをもっと知りたいし、できるだけたくさんの人と会って、「こんな人生もあるんだ」というお話を聞いたり、見たりしたくて。そして刺激を受けて「私も楽しく頑張っていこう!」と思えるようになりました。

カノエ:私、これからでも遅くないですか?

atsuko:カノエさんはまだお若いから。私は生き急いでいるだけなので(笑)。

お題の「もし時間を止められたら?」ですが、偉い方と会食すると、お寿司が大きなオケで出てくる時がありますが、高価なネタってとりにくくないですか?ウニやいくら、大トロあたりって、「いただきます!」と気軽にとりにくいし、でも「好きなものを食べてください」と言われるし。「遠慮したほうがいいのかな?カッパ巻きからとったほうがいいのかな?」と悩んだ時に時を止めて、食べたいものをとって、好きなネタを確保したいです。そして食べ終わったら、隙間が空いたところはうまく詰めてから時間を再び進めて、「あれ!?大トロもうないですね?」って(笑)。

KATSU:男性に与えてはダメな能力だと思います(笑)。記事に書ける範囲のことでお話しすると、急かされたり、焦らせられるのが嫌なんです。僕はよく遅刻するキャラみたいに思われていますが、遅刻しそうな時に時間を止められたらいいですね。

また僕はSF作品が好きなので、「タイムリープ」など瞬間移動できる能力に興味があって、その能力を使ったビジネスを考えるでしょうね。好きな寿司を抜き取るとか、そんな小さなレベルではなくて(笑)。

3人が思い描く「未来」とは?

――そして皆さんにとっての「未来」について、どんな展望や目標がありますか?

KATSU:自分たちのことを「アニソン屋」と言っていますが、僕らがアニソンに関わり始めた約20年前はこれほどのアニソンブームではなかったし、カノエさんのようにアニソンを歌いたいと夢見ていた人も少ない時代でした。

そして約20年やってきた中で、次々と新しいアーティストが現れて、自分たちのメッセージをダイレクトにぶつけられるようになったのは素晴らしいことだと思うし、アニソン界にとっても輝かしい未来であり、財産だと思います。

今はコロナ禍になって、世界に出ていくことが難しい状況ですが、この『永遠の831』が神山監督の作品ということで、欧米やそれ以外の国々のアニメファンや映像界も注目していると思います。僕らも世界に発信できるものを、この先10年、20年と作っていきたいですし、angelaの尊敬する水木一郎さんや堀江美都子さんが歌い、育ててくださったアニソンという文化を、カノエさんたちの若い世代にも正しい形で伝えていきたいです。

atsuko:ここまでやってきても正解がわからないし、今も毎回タイアップ曲を作るたびに悩んだり、もがいたり、あがいたりしています。時代もどんどん変わっていくし、求められる曲調も変わっていくので、流行に寄り添っていくのか、違うラインで行くのかを常に考えながらやっています。

またエンタメは若いクリエイターのほうがとっつきやすい気がするし、どんどん若いアーティストの方も出てきています。そんな中でも我々に新しい作品のオファーをいただけることへの喜びと感動が毎回あります。期待してくださるからには絶対に裏切れないし、中途半端なものを作れないという覚悟がどんどん増していくので、正直怖いです。でもいろいろなものをインプットしながら、今どういうものが受け入れられるだろうかと考えつつ、angelaらしくありながらも変化・進化していきたいです。

カノエ:小さい頃の夢は歌手になることではなく、アニメソングを歌うことでした。音楽活動を始めてから時間もそれほど経っていないし、まだまだ足りないことばかりです。今も必死に前を向いてもがいている状態ですが、根っこの部分や夢はずっと変わっていません。キングレコードさんにお世話になる最初の作品ということで、「キンギョバチ」もただ前だけ向いて全力で作りました。今後いろいろな作品に関わらせていただいて、自分自身も成長していけたらと思っています。

『永遠の831』を見て、生きるヒントや行動力の大切さを感じてください。見た方はぜひ発信を!

――最後に『永遠の831』を楽しみにしている皆さんへメッセージをお願いします。

カノエ:たくさんの方に見ていただきたいですが、特に私と同世代の方に見ていただきたいです。私の友人や周りの人には、大学に入学することの意味や専門学校に入ってから何をするのかも漠然としている状態だったり、将来の夢もはっきりと描き切れていない人も多くて。『永遠の831』は、そんな人たちが考えるヒントやきっかけが得られる作品になっていると思います。

OP曲の「キンギョバチ」は、作品やスズシロウくんたち、そして聴いてくださる方に寄り添いたいと思いながら作ったので、作品と同様に、この曲からも何かを感じていただければと願っています。そしてこの作品をきっかけに、私のことを知ってくださったり、曲を聴いていただけたら嬉しいです。

atsuko:若い方はもちろん、私のような大人の目線から見ても、いろいろ考えさせられる作品です。何歳になっても夢を持っていいし、新しいことを始めてもいいと思っていますが、今を何となく生きるのではなく、「これでいいのか?」と今を疑ったり、自分の信じたものをつかみ取りにいく行動力の大切さをこの作品を見て感じていただければと思います。

KATSU:『永遠の831』は神山監督の表現したいメッセージが込められた作品であり、僕たちの曲はそのためのお手伝いができればと思いながら作っています。

この作品を見た方がどう感じるか? が大きなテーマになっていると思うので、「神山監督の作品だから」とか「angelaが主題歌を歌っている作品だから」など先入観は一切捨てて見てください。この国に生まれ、育ってきた方なら刺さるものがきっとあるはずです。この作品を見て、感じたことをどんどん発信してください。

WOWOW開局30周年記念オリジナル長編アニメ『永遠の831』作品情報

止まっていた時間を動かしたのはだれ?

放送・配信

2022年1月30日(日)夜8時~[WOWOWプライム][WOWOWオンデマンド] 【無料トライアル実施中】

イントロダクション

“未曾有の大災厄”により混迷を極める現代。東京に暮らす青年・スズシロウには、誰にも言えない秘密があった。それは、自分の思いとは裏腹に周囲の時間を止められること。

ある日スズシロウは、同じ“力”を持つ少女・なずなと出会う。彼女が犯罪に利用されていると知ったスズシロウは、衝動的に手を差し伸べる。

スタッフ

監督・脚本:神山健治
アニメーション制作:CRAFTAR
音楽:椎名豪
主題歌:angela「ひとひらの未来」
オープニングテーマ:カノエラナ「キンギョバチ」

キャスト

浅野スズシロウ:斉藤壮馬
橋本なずな:M・A・O
亜川芹:興津和幸
アキナ:日笠陽子
室戸:大塚明夫
双六:粟津貴嗣
坂田兄弟(兄):近藤孝行
坂田兄弟(弟):岩崎諒太
ドンキ:山下誠一郎
各務恭子:五十嵐麗

公式サイト
公式ツイッター(@eienno831)

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