
TVアニメ『天幕のジャードゥーガル』シタラ役・関根明良×ドレゲネ役・小清水亜美 対談インタビュー|「止まった時間」を共有するドレゲネとシタラ。二人の絆と、現場で生まれたお芝居の化学反応
13世紀のモンゴル帝国を舞台に、過酷な運命に翻弄されながらも自身の知恵と強い信念で歴史を動かしていく女性たちを描くTVアニメ『天幕のジャードゥーガル』が、2026年7月より好評放送・配信中!
アニメイトタイムズでは、本作のメインキャストによる連載インタビューをお届けしています。今回は、第2代皇帝オゴタイの第六妃であるドレゲネ役・小清水亜美さんと、彼女と共にモンゴル帝国に立ち向かう・シタラ(ファーティマ)役・関根明良さんの対談インタビューです。
歴史の波に飲まれながらも「止まった時間」を共有し、強く生き抜くドレゲネとシタラ。二人のキャラクターが持つ複雑な魅力や、オーディションからアフレコを経て生まれたお芝居の化学反応、そして第6幕までの印象的なシーンについて、余すところなく語っていただきました。
相反する要素が混じり合うドレゲネの魅力と、「止まった時間」を共有する二人の絆
── まず小清水さんに伺いたいのですが、原作やシナリオをご覧になった際の印象や作品の魅力についてどのように受け止めていらっしゃいますか?
ドレゲネ役・小清水亜美さん(以下、小清水):歴史のお話なので、ある種、結末自体は動かないのですが、その中で「こういう会話やドラマがあったのではないか」という、本当に実在したかのような生き生きとしたやり取りが描かれている部分がとても魅力的です。
あとは、起きている出来事に対して「見る側の目線が違うと、ここまで印象が変わるのか」という点ですね。シタラやドレゲネたちの目線から見た出来事と、モンゴル側から見たものが全く違って見える。それが原作の中でとても自然に描かれていると感じました。
他の作品だと基本的には主役のキャラクターがいて、その目線で全てが進んでいくという進め方が多い中で、本作は「一方その頃、別目線では……」という描写が何のつっかえもなく自然に入ってくるんです。だから、読んでいて誰か一人を憎みすぎてしまうことがないんですよね。
読み手としても中立な立場で読めてしまう分、少し胸が苦しくなる部分もあるのですが、そういった重層的な描き方に作品の凄さを感じています。
── お互いのキャラクター(関根さんはドレゲネ、小清水さんはシタラ)の印象や、魅力的だと思う要素についてお聞かせください。
シタラ役・関根明良さん(以下、関根):ドレゲネ様は、本当に繊細な方だなと思っています。子供のような一面と、しっかりとした大人の一面があって。そこに母性を感じさせるところもありつつ、純真無垢な少女でもあるような……「強いけれど、強くない」というとても繊細で揺らぎながらももがき続ける人というイメージです。
シタラから見てドレゲネ様がどういう存在なんだろうと考えた時に、作中の「危なっかしい人だ」というセリフが、まさにすべてを表しているんじゃないかなと。優しく包み込んでくれて、シタラは(ムハンマドの母の)ファーティマ様と重ねた部分もあったのではないかなと思うのですが、逆に妹のように面倒を見てしまうところもあって。
いろいろと想像が膨らむくらい様々な側面が見えるところが彼女の魅力だと思いますし、いちファンとして見ても「好きな人にだけ見せる可愛いところがあるんだぜ」という気持ちが(笑)。
小清水:それは本当にそう!(笑)
関根:なんと言うか……愛らしい印象がありますね……!(笑)
小清水:そうね。ファーティマ(シタラ)の前でだけ見せている姿があるよね。
関根:「この笑みはシタラの前でしか見られないんだからね」みたいなところは、ちょっと「ふふっ」ってなってしまいます(笑)。
小清水:実はこの先の話数でも出てくるよね……!
関根:そうなんです! もうぜひ見ていただきたい! すごく可愛いので! 様々な要素が混ざっている素晴らしいキャラクターだと思います。私、大好きなんです!(笑)
── 小清水さんから見たシタラの印象はいかがですか?
小清水:どうしてもドレゲネ目線でいろいろと考えてしまうんですが、ある種、自分と近い部分を感じる相手であり、自分の過去に起きていた出来事を彷彿とさせる存在ですね。
最初はシタラに対して「あなたが(ジャダ石を)盗んだの?」と強く当たっていた時もありましたが、実はあの一件でただ結ばれたわけじゃなくて。姿を見せている時点で、すでに特別な関係性だったと思うんです。
普段は自分を防御するため、攻撃されないためにあまり動揺せず、強さの仮面をかぶって生きてきたドレゲネがあれだけ取り乱したということは、心の囲いを無意識に外してくれる何かをシタラから感じ取っていたのかなって。
これは役者としての私個人が感じていることですが、シタラは「すべてを奪われた日に、一度本当の自分の時が止まった人」なんです。ドレゲネも、シタラより少し昔の過去にはなりますが、ある時に同じように時間が止まっている。その「止まった時間を抱えている者同士」なんですよね。
同じような経験をした者同士で、かつ「その運命に負けなかった人たち」。何かきっかけさえあれば、必ずこの思いを果たしてやるという気持ちを持っている者同士じゃないと分かり合えない部分があるし、「ドレゲネを一人にしないでくれる存在」だなと思っています。シタラと会話のキャッチボールをしながら、いつもすごく心強さを感じていました。
ドレゲネもどんどん心を開いていって、あの頃で止まっていた自分の時間が、シタラと一緒にいると少し動くんだよね。ある年齢で時を止めてしまって、凍らせていたはずの自分が、再び動き出す。
だからこそ、彼女の前にいると少女みたいな顔を見せるのかなって。実際はそれだけ時が経っていていい大人だし、子供もいる。
もちろん大人としての目線や防御してきた強い姿も嘘ではなくて、本人が積み重ねてきた確かなものだけれど、唯一、芯の部分のドレゲネでいさせてくれて、時間を動かせる唯一の存在。それがシタラなんだと思っています。
関根:もう…、素敵すぎて…。
小清水:本当に、この二人のキャラクターの関係値が凄すぎるよね。実際にこういう関係が歴史上であったかは分からないけれど、この二人の関係を生み出せる先生は本当に素晴らしいと思います。
関根:2人の「復讐」をめぐるシビアなシーンがありつつも、シタラが目をキラキラさせてドヤ顔をしている時に、後ろでドレゲネ様がジーッと見ているところなど、二人が仲良しなんだなという雰囲気が自然と溢れ出ていて、私はそういった合間のシーンが大好きです。
小清水:シタラと出会っていなかったら、彼女があんな姿や気持ちになることはきっとなかったんでしょうね。
── 小清水さんがドレゲネを演じるにあたって準備したことや、アフレコで印象的だった場面を教えてください。
小清水:オーディションからアフレコまで少し期間が空いたので、その間、自分なりに「ドレゲネとはどんな人なんだろう」「彼女の抱える感情はどう表現したらどう見えるんだろう」と、たくさん準備をしたんです。
でも、いざアフレコが始まって、他のキャストの皆さんとお芝居で言葉を交わしていったら、自分が準備していたものとはまた違う姿になっていって。皆さんに引っ張ってもらいましたし、お芝居の影響をたくさん受けて、本当の意味でドレゲネのような心が動いた感覚がありました。
役者としては「キャラクターの心を作ってお芝居しなきゃ」という思いが当然あるのですが、今回は演じた後に「あ、こういう心の変化だったんだ」とはっと気付かされるような、自然と感情を促される瞬間がとても多かったんです。
驚きつつも、「やっぱり現場ってすげえや!」みたいな気持ちになりました(笑)。もちろん準備したことも無駄にはなっていませんが、結果として演技は生き物でした(笑)。





























