音楽
GRANRODEO  9thアルバム『Question』ロングインタビュー

「GRANRODEOらしくて面白いですよ」──約3年ぶりとなるアルバム『Question』をリリースしたGRANRODEO アルバム・タイトルを「Question 」にした理由は、ダジャレから? KISHOWさん、e-ZUKAさんによる、超ロングインタビュー!

なぜQuestion? そのAnswerは

──待望のアルバム『Question』(クエスチョン)。タイトルは9枚目ということと関係してるんでしょうか。

KISHOW:当たり前じゃないですか……! GRANRODEOはダジャレですよ。9枚目ということで、キューからはじまる英単語が良いなと思っていて。「Q」そのものにしようかなと思ったんですけど、それはMr.Childrenさんがやってたんですね(笑)。

で、他に探してみたんですけどあんまりカッコいいのが見つからなくて、クエストとかにしようかなと思ったけど、ドラクエやゲームのイメージが強すぎるかなと。それで、『Question』に。

謎、疑問とかって、この世の中にも通じるんじゃないかと。おニャン子にも「恋はくえすちょん」って曲があったし。

──それも含まれているんですか(笑)。

KISHOW:いや、GRANRODEOにはおニャン子要素はないです(笑)。でもしっくりきたので「これだな」と。それでスタッフに伝え、e-ZUKAさんの耳に入り、そしてあの曲(リード曲「Question Time」)ができたと。

──e-ZUKAさんにタイトルのことは相談されてはなかったんでしょうか。

KISHOW:大体スタッフ経由ですね。そこからe-ZUKAさんに。

e-ZUKA:スタッフが僕に情報を送ってくるんですよ。「KISHOWさんと話してこういうタイトルにしようと思います」と。で、そのあとにいろいろと書いてあるんですよ。

「Question……疑問や問いかけ。9枚目ということに掛けてます。10にまだ足りない青さを表現。クエストは探求の意味」みたいな、プレゼン的なものを出してくるんです。それを見て「なるほどね」と。ちょっと無理やりなところもあるけど(笑)。

──その言葉をヒントに、リード曲である「Question Time」が生まれたんですか?

e-ZUKA:「Question Time」に関しても「YOASOBIさんや、ずとまよさん(ずっと真夜中でいいのに。)みたいな雰囲気や、ミニアルバム(『僕たちの群像』)のインスト曲「18SDGs」みたいな曲が良いんじゃないか」と。

でも僕の中で、そういうサウンド感に飽きていたところもあって。せっかくだから新しいもの作ろうと思って、いろいろ作ってたんですけど、YOASOBIさん、ずとまよさん、Adoさんとかを聴いてたら「やっぱりカッコいいな、人気がある理由もわかるな」と。

歌詞も良いんですよね。そういう要素を自分の中に一回入れて、フィルターを通して、アウトプットした感じです。だからちょっと時間が掛かったかな。この形でいこうと思ってからは早かったですけどね。

──お洒落なサウンドですよね。

e-ZUKA:お洒落なのかなぁ(笑)。でもみんなお洒落って言います。

──その中にもGRANRODEOらしさがしっかりあって、サブライム的なレゲエの要素も入ってるのが面白いなと。

KISHOW:へんてこな曲ですよね。面白かった。サビは言葉が早いから歌いにくくて、久しぶりに歌って難しいんだなぁって。

 

──歌詞にはサリンジャーの『ライ麦畑でつかまえて』の一節が入ってたり、「人間は自由の刑に処せられている」という哲学者・サルトルの言葉が──。

KISHOW:いや、僕の言葉です。サルトルって人がちょっと前に似たようなことを言ってたようですが、僕がずっと思っていたんです。人間は自由の刑に処せられてるなと……自由の中の不自由的な……そういう言葉を喜んでくれる人もいらっしゃるんですよ!

e-ZUKA:あはははは!

KISHOW:言葉をこねくり回して、なんとか歌詞にするのが僕の仕事なのでね。今回はサルトルさんに出てきていただきました(笑)。それともうひとつ、桑田佳祐さんのお言葉も借りていて。

──そのお話をおふたりがパーソナリティを務められているラジオ番組「GRANRODEOのまだまだハートに火をつけて」(TOKYO FM)で聞いて探したんですが、見つからずでして……。

KISHOW:サザン(オールスターズ)のアルバム曲ですね。ライブでやるとめちゃくちゃ人気のある曲です。ってそれだけ言われてもわからないですよね(笑)。「マチルダBABY」って曲の冒頭です。どこの箇所かは探していただけたら(笑)。

──大ヒントをありがとうございます!(笑)。それにしても「魔女の乳首のように冷たくて」というのはすごい表現ですよね。

KISHOW:すごいですよね(笑)。そう例えるか、と。なんか気に入ってたんです。少しわかりにくいかもしれないですけど、あの偉いサリンジャーが言ってるわけだから。

異性に冷たくされることがあったらそう言ってやればいいんですよ。「魔女の乳首じゃないだから、そんな冷たくしなくても!」って。「はぁ?」ってより冷たくされる可能性もありますけど(笑)。

──それはロデオボーイ、ロデオガールの間でやっていただければ楽しいやりとりになるかもしれませんね(笑)。「Give me your eyes」にも、<5分前にできたようなこの世界で>という、バートランド・ラッセルの提唱した「世界五分前仮説」を感じさせる言葉があります。

KISHOW:意外と好きなんですよ、そういう哲学的なものが。考えれば考えるほど「人間って考えよるなぁ……」って。

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