9月28日発売 3rdフルアルバム「Welcome to MY WONDERLAND」について、東山奈央さんにインタビュー！ 　歌手活動5周年の5大企画や、約3年ぶりのツアーに関するお話も!!

「硝子の夜」はミラーハウスをイメージした幻想的な曲。みなさんもぜひ「ふぁーっ!?」な体験を！

――歌詞やサウンドが幻想的な「硝子の夜」は、ミステリアスな雰囲気も併せ持っていますね。

東山：初めて聴いた時、すごい曲が来ちゃったなと（笑）。いろいろと遊べそうなミラーハウスというテーマでお願いしていたので、どんな方向性になるのかなと思っていたら、作詞・作編曲の照井順政さんワールド全開の、難解な曲で…！　五拍子かつ変拍子ということにすごく驚きましたし、曲を理解するまで少し時間がかかりました。

――神秘的なサウンドの優雅さと、アレンジのトリッキーさが同居した不思議な曲で、このアルバムだからこそ収録できるもののように感じました。

東山：それくらい独特ですし、異質感があると思うんですよね。照井さんが「すみません、こんな暗い曲で」とおっしゃられたので、私は「暗いとは思いませんでしたが、複雑怪奇な曲ですよね」と…（笑）。

個性派ぞろいのアルバムの中でもとりわけ独特なうえに、詞の世界観も解釈が文学的で、あまりわかりやすく答えを提示してはいない感じなんです。一応、私と照井さんの中ですり合わせたメッセージはありますが、まずは先入観なく、フラットな気持ちで味わっていただきたいなと思っています。

私が初めて聴いた時に「ふぁーっ!?」となったように、みなさんにも同じ体験をしていただけたら（笑）。

ミュージックショーをイメージした「Brand New Show」は、遊び心が満載！

――「Brand New Show」は、歌い方や雰囲気も含めてミュージカルナンバーのようです。

東山：テーマは「ミュージックショー」です。遊園地にはアトラクションとしてのショーもあるよねということで、ショーアップした世界観が存分に描かれています。イントロからワクワクできて、思わず体が動き出したり、踊り出したくなるような楽しい曲です。

――ファンキーなAメロからサビでアップテンポに変わり、Dメロではスローになったり、目まぐるしい展開はまさにアトラクションショーですね。

東山：次はどんな展開になるのか読めない曲なので、きっとハッと驚かれる場面がたくさんあるんじゃないかと。聴いている方の息もつかせないところが魅力だと思います。

実は、完成に至るまでにいろいろな変化を遂げていて、曲の中にもう1曲あるんじゃないかと思わせるアレンジもあったりします。ユミエダタクミさん（作詞）と森宗秀隆さん（作編曲）が、あの手この手で曲に展開を付けてくださり、お2人の引き出しの多さに驚かされるばかりでした。
　
私もデモから完成までの過程を追っていくのが楽しかったですし、ブラッシュアップを重ねても、遊び心は残り続けているのが嬉しいです。ステージ映えする曲なのは間違いないですが、私自身も歌に表情を付けていくうちに、ライブで花開くのがより楽しみになりました。途中に入っている「ヘイ！」という掛け声と共に、みんなで盛り上がれたらいいですね。

聴いた瞬間、虜になっちゃう!?　不思議な魔力を持った曲「クラクラ」は、悪役がテーマ

――「クラクラ」は歌い方や曲全体から、大人っぽさや妖艶さが感じられます。

東山：「ヴィランズ（悪役）」をテーマに、遊園地の明るいムードから一転して、怪しく不敵な曲になっています。曲調はダンスミュージックなのですが、イントロから蠱惑的というか、妖艶さがあって、聴いた瞬間に心が持っていかれるような…。私も一瞬で虜になった不思議な魔力があると思います。

歌詞を紐解いていくと、ヴィランズらしいしたたかさの中にも「この人は何かに飢えていて、強がっているだけなんだな」という部分が見えてきます。そうすると、人間らしさも見えてきて、この曲がますます愛おしくなってくると思います。

――タイトルの「クラ」という韻がたくさん踏まれているのも特徴的です。

東山：歌詞が巧妙で、Aメロの畳みかける部分はすごく韻を踏んでいて、思わず口に出したくなるんですよね。サビの「クラクラ」や「グラグラ」、「喰らった Clutter」とかもオシャレで耳に残りますし、「すごい、天才だ！」と感動しました。