
「片田舎のおっさん、剣聖になるII」キャスト連載インタビュー第5回!アリューシア・シトラス役 東山奈央さん|私の中のアリューシアが「ベリル先生のお声で可愛いって言ってもらえたぞ!」とかなり喜んでしまいました
昨年(2025年)に放送されたTVアニメ「片田舎のおっさん、剣聖になる」。その配信プラットフォームが、2026年6月22日(月)より拡大されました。また、7月8日(水)からは第二期「片田舎のおっさん、剣聖になるII」の放送がスタートしています。
現在アニメイトタイムズにおいて、放送前に実施したスタッフインタビューに引き続き、第二期の放送に連動する形で出演キャストへの連載インタビューを掲載中。第5回はアリューシア・シトラス役の東山奈央さんが登場です!
今回はアリューシアの前に現れたベリルを巡るライバル……シュステ・フルームヴェルクについても掘り下げていますので、ぜひチェックしていただければと思います。
東山さんの心の中のアリューシアが喜んだ平田さんからの一言
──平田さんが主役を務めるおっさん主人公の作品という、他では中々ない作品かと思います。改めて作品全体の印象を伺えますでしょうか?
アリューシア・シトラス役 東山奈央さん(以下、東山):昨今はおっさん世代が主人公になる作品が増えている印象がありますので、様々な世代の方が自分を投影しながらご覧になっているのかなと思っています。人生経験があるキャラクターでないと描けないものや、積み重ねた経験があるからこそ揺れ動く感情があるので、新鮮に楽しんでもらえる部分も多いのかなと。
──そんなおっさんであるこの作品の主人公であるベリルについて、東山さんが気に入っているところもお教えください。
東山:私、結構おじ萌え属性があるタイプなんです。ベリル先生は謙虚で、それが行き過ぎて自分から前に出るタイプではないのですが、女子目線だとちょっと可愛く思える部分があるんです。
私がアリューシアを演じているから余計に感じるのかもしれないのですが、おっさんならではの悲哀や、綺麗な女性とご飯に行くとやっぱり照れくさい。でも、それをあまり出しちゃいけないと葛藤しているところは見ていて可愛いなって思います。
もちろん剣術のアクションが魅力の作品ではあるのですが、アリューシアとしてはそんなに歳の差なんて気にせずもっとこっちを見てくれたら……と思いますし、そのもどかしい恋愛模様も大事な要素として楽しんでいただけているのかなと思っています。
──アリューシアがベリルを実家から連れ出したことでこの物語が始まりました。今改めて振り返る第一期第1話にはどんな印象を持ちましたか?
東山:アリューシアは幼い頃にベリル先生と出会ったことで、剣術を教えてもらったというだけではなく、これまでの人生が変わるような経験をさせてもらったんです。だからこそ、この素晴らしい人をもっと多くの人のもとに連れ出して、盛り立てなくてはと決意しました。その一心で剣の道を邁進して、若くして騎士団長にまでなった……それって凄い熱量だと思うんですよ。
中々できることじゃないですし、アリューシアの頑張る理由が全部ベリル先生だったということじゃないですか。ベリル先生からすると青天の霹靂だったかもしれないのですが、アリューシアにとってあの第1話は「ようやくこの日が来た」という瞬間。この日のためにやってきたという想いがあったと思います。
だから第1話はゴールでもあり、スタートでもあったんです。私としても高揚感がありましたし、改めて私とアリューシアにとって大切な一歩になりました。感慨深かったです。
──アリューシアはベリルを男性として意識していることが当初から見えていました。
東山:弟子として肩を並べる存在は多いですが、恋愛的な面だとアリューシアはずば抜けて積極的です。ベリル先生との掛け合いになると「これはれっきとしたデート!?」とアリューシアが小声で呟いて、先生が「今何か言ったかい?」と返すのが定番になっていますよね。
そこでアリューシアは「いえ、なんでもありません」とクールを装うのですが、そういうところで女の子らしい一面が垣間見えるのは注目ポイントだと思っています。
実際アフレコでそのあたりのシーンを何回か演じた時に、ベリル役の平田さんが「アリューシアは可愛いね」とおっしゃってくださったんですよ。その時はもう、私の中のアリューシアが「ベリル先生のお声で可愛いって言ってもらえたぞ!」とかなり喜んでしまいました。
やっぱり男性からも女性からも、アリューシアのいじらしさは可愛らしく見える。そう思って私も演じていたのですが、第一期当時のアフレコではわかりやすくデレを出すのではなく、あくまで努めてクールに演じてほしいとディレクションされていました。
自分としてはこれ以上クールにしたら可愛くなくなっちゃうんじゃないかと不安に思っていたのですが、ディレクション通りにお芝居をしていざオンエアを見たら「あっ、なるほど、このくらいがちょうどいいんだ!」と気づくものがあったんです。だから甘さみたいなところをちょっと抑えているのですが、そうすることで不思議とアリューシアらしい可愛さに繋がっている部分があったなと。
絵だけでも可愛い表情を見せてくれているので、お芝居はこれぐらいの匙加減でいいんだなと。第二期ではそれを理解した上での収録だったので、そのあたりはスムーズだったと思います。
──続く第一期第2話では幼少期のアリューシアが描かれていて、ベリルの背中を追いかけるきっかけが描かれていたと思います。
東山:わかりやすく先生に恋に落ちた瞬間が描かれた訳ではありませんでした。けれど、先生がどんな相手にもリスペクトを持って接している姿……自分が凄いと尊敬している方の背中や生き方をその目で見たというのは、アリューシアにとって物凄く感銘を受けた出来事だったはずなんです。
また、あんなにも幼い頃から、アリューシアが当時のベリル先生の生き方を美しいと感じられる感受性を持っていたことも奇跡的ですよね。ベリル先生も素晴らしいですが、アリューシアもなんて美しい心根を持った女の子なんだと思いました。
──アリューシアも含めてですが、弟子たちと出会った当時のまだ若い頃のベリルをしっかり演じている平田さんのお芝居に舌を巻いた方も多そうです。
東山:第一期では、かつての弟子たちとの出会いや再会の瞬間が多数描かれていましたね。そのたびに平田さんは色々な年代のベリル先生を演じる必要に駆られたので、次週の台本をいただくたびに「次は〇〇歳かぁ……」とぼやかれていたのですが、それが現場でちょっとクスっと笑ってしまう瞬間でした。
ですが、そうやって平田さんが見せてくださった微妙に年齢が違う、ベリル先生の繊細な演じ分け……これが堪能できることも第一期の見どころだったんじゃないかと思っています。今は色々な配信サイトで観返せるようになっているので、そういったお芝居の妙も楽しんでいただけたら嬉しいです!
──弟子たちと出会った時期によって、台本上で細かくベリルの年齢が指定されていたそうですね。
東山:そうなんです。しかも毎回かなり喋ってらっしゃるので、毎週「俺ずっと喋ってるよ……」みたいになっている平田さんを、弟子たちみんなで「頑張ってください!」って応援してました! とはいえ、決めるところはビシッと決めるのが平田さんなんです。
肩の力は抜けているけれど、それでいてボヤきがあんなにもチャーミングで。いい意味で周りを幸せにしてくれるボヤきが言えるのは、平田さんしかいないと思います。もし自分が年齢を重ねて同じぐらいのキャリアを積み重ねられたとしても、あんな風になるのはきっと難しいしとても真似できない。
平田さんご自身はきっと「俺みたいにならなくていいんだよ」って言ってくださる気がしますけれど、ああいうゆるっとした佇まいで周りの人との緊張を和らげてくれる空気感を醸し出せるお姿に尊敬の気持ちでいっぱいです。だからこそ平田さんという座長のもとで、本当にみんなのびのびと現場にいさせていただけたのかなと。
──飲み会の機会があるなどキャスト間の交流も盛んだったそうですね?
東山:第一期の頃から和気藹々とした雰囲気でしたが、やっぱり平田さんほどの大先輩にほいほい話しかけられるものではないといいますか。仲良くなりたい、たくさんお話をしてみたいと思っても、我々の世代からするとどう話しかければ……とドキドキしてしまいます。
ですがどんな話題も気さくに対応してくださいますし、飲みにも誘いやすい空気を出してくださるんです。だから私たちも「お誘いしてもいいんだ!」という感じで、何回かこちらから機会を作ることができて本当に良かったなと思っています。
あの飲み会があったから第二期でアフレコが再開された時も、本当に先週まで第一期のアフレコをやっていたんじゃないかと感じる空気感で集まることができたのだろうなと。
実際のお芝居にどれぐらいの影響があるかはわからないのですが、やっぱりお芝居は言葉のキャッチボールなので、現場の空気感は少なからず乗ってくるんじゃないかと考えています。
私自身、ずっと現場の空気を大事に過ごせていけたらいいなと思っていました。平田さんもきっと、我々のような若い世代にどんな話題を振ったらいいのか迷われた部分もあったのではないかと思います。そんな中で今ではたくさんお話しできるようになって、本当に座長が平田さんで良かったです。
──ストーリーの振り返りの方に戻りまして、第一期の第8話「片田舎のおっさん、神速の剣を食らう」についてもお聞かせください。ここはベリルとアリューシアにとって大切なエピソードでしたよね。
東山:色々な意味でめちゃくちゃカッコいいお話でした。“神速のアリューシア”という二つ名があることによって、制作スタッフさんたちも覚悟がいるといいますか、作画への気合……みたいなものをよりいっそう感じました。出来上がった映像ではそんなアリューシアの神速っぷりをアニメーションで見事に表現してくださっていましたし、私も完成した映像を見て息を飲みました。
このエピソードで描かれたアリューシアとベリル先生の立ち合いは、勝てたら先生に伝えたいことがある……というところから始まっています。アリューシアは最終的にやっぱり勝てなかった。でも、あそこまでベリル先生が自分と真剣に向き合ってくれた……これはアリューシアにとって喜び以外の何物でもないんです。
作中ではそこまで深く言及されませんでしたけれど、先生のためにずっと頑張ってきたことを、先生自身に見ていただけた。そういうところを説明しない美学はありつつも、視聴者のみなさんには、アリューシアの剣に込められた迫真の想いが伝わっていたら嬉しいです。
全てが終わった後にヘンブリッツが「本当は、勝って想いを告げるつもりだったのではないですか?」と声をかけてくれたシーンも印象に残っています。それに対するアリューシアの答えは「私が先生を幸せにできれば良いのですが、必ずしも私である必要はありません」だったのですが……私はその言葉になんだか泣けてきてしまいました。
先生が幸せであるならその時に隣にいるのは自分でなくともいい。そう言い切れるのはもう愛でしかない。アリューシアは本当にカッコいい人だなと思いましたね。
──自分が片田舎から連れ出したからには、自分の手で幸せにしたいという想いもどこかにはあると思うんです。それでも、隣にいるのが自分でなくてもいいと言うんですものね。
東山:弟子として、そしてひとりの女性としてベリル先生を幸せにしたい。その想いは絶対にあるはずです。でもそれを出さないですし、自分のエゴは抜きにして先生が幸せであるために私はいるんだっていう覚悟がある。だからこそ今のアリューシアがあるとは思うんですけど、私としてはやっぱり報われてほしいなって思います。




































