ワンピース映画最新作『ONE PIECE FILM RED』ウタ役名塚佳織さん×シャンクス役池田秀一さんインタビュー｜多くを語らない中で、キャラクターの表情が際立つ作品【ネタバレ注意】

名塚さん、池田さんが語る谷口悟朗監督

――アフレコをする際に気になったことはありましたか。

池田：シャンクスは最初から『ONE PIECE』に登場していますが、レギュラーメンバーではありません。TVアニメでも、何年かに一度出るくらいです。その間にもゲームなど、何かしらで関わってきてはいるんですが、全てを把握しているわけではないんですよ。

シャンクスの登場がない間に、知らないキャラクターもたくさん出てくるし、麦わらの一味もどんどん増えてきちゃって……（笑）。今回は赤髪海賊団のメンバーも全員登場したので、改めて嬉しさは感じました。アフレコは一緒にできていませんが、仲間たちが頑張ってくれているんだなと完成品を見て感じました。

名塚：私は『ONE PIECE』のTVアニメにゲストキャラという形で少しだけ出演したことがあるんです。でもやっぱり、キャストのみなさんと一緒にずっと作品の時系列を追えていたわけではないですし、長年スタジオでやっている作品に途中から入るという不安はありました。

また、今回は映画という形で初めて出させていただくので、そういう意味でも気になることはあったんですが、監督が事前に資料をたくさん用意してくださり、「分からないことがあれば何でも聞いてください」というムードを作ってくださったので、安心して収録できました。

――谷口悟朗監督とお仕事されてみて、いかがでしたか。監督とのやりとりの中で、印象的だったことがありましたらお聞かせください。

池田：お仕事としては、今回の作品で初めてご一緒させていただきました。別タイミングでお話した時はあったのですが、その時は仕事の話ではなかったので、監督とご一緒するのは、それ以来十数年ぶりでした。

こういう言い方をしていいのか分からないですが、今回の作品をやらせてもらう時に、僕はオリジナル作品として、TVシリーズとはまた別の切り口の話だと思ってやらせてもらおうと思っていました。谷口監督も『ONE PIECE』にずっと関わってきたわけではないので、自分と同じようで「あぁ、良かった」と思いました（笑）。

監督も番外編というか、これは『ONE PIECE』の中の一つの作品だ、という感じでやってくれるんだろうと思って、それはすごく助かりましたね。監督と具体的にそういったお話をしてわけではないですが、今までの二十数年間の『ONE PIECE』という作品を僕は引きずらないという感じでやらせてもらえたから、監督もどこかそういう感じなのではないかなと勝手に感じました。

――名塚さんはいかがですか。

池田：監督のことはよく知っているんでしょう？

名塚：はい。私は監督と一緒に何度かお仕事をさせていただきました。今回の作品は、監督のこだわりがすごく詰まっているなと感じましたね。

最初の収録前に作品に関する資料をたくさんくださったんですよ。全て把握しきれるかなというぐらいの量の、必要であろう情報を全て開示してくださって、監督も「分からないことがあれば、全部俺に聞いてくれれば大丈夫だから」と言ってくださったので、すごく安心して気負うことなく、作品の世界へ飛び込むことができました。

――ありがとうございました。

［文・宋莉淑（ソン・リスク）］