『舞台「鬼滅の刃」其ノ参 無限夢列車』猗窩座役・蒼木陣さんインタビュー｜「演じるなら自分しかいない！」大好きな猗窩座を演じられる喜びとプレッシャーとは？

2022年9月〜10月にかけて、東京・京都にて上演中の『舞台「鬼滅の刃」其ノ参 無限夢列車』。シリーズ3作目となる今作は、無限列車の任務にて主人公・竈門炭治郎が炎柱・煉󠄁獄杏寿郎と合流し、新たな鬼・魘夢と猗窩座に立ち向かいます。

本舞台の公演にあたり、アニメイトタイムズでは猗窩座役・蒼木陣さんにインタビューを実施。初登場の猗窩座を演じるプレッシャーや原作と舞台の感想、ビジュアル撮影時の様子、身体の鍛え方などについて大いに語っていただきました！

※インタビューは7月下旬に実施

猗窩座役に決まった時は頑張りが報われて嬉しかった

――幅広い世代に愛されている『鬼滅の刃』ですが、作品をご覧になったことはありますか？

猗窩座役・蒼木陣さん（以下、蒼木）：もちろん見ました。ジャンプの作品らしく炭治郎が直向きで、とても好感を持てる話に引き込まれて。人との出会いや成長過程などに感情移入できるよう丁寧に描かれている漫画だなと思いました。

鬼の苦しみも描かれているので、敵にすら感情移入できて……読むたびに人気漫画だなと納得します。だからこそ演じがいがあり、責任とプレッシャーも感じていますが（笑）。

――そんな大人気の作品の舞台第1弾と第2弾の公演もご覧になっていましたね。観劇した感想をお願いします。

蒼木：第1弾を見た時は、竈門炭治郎役の小林亮太から一所懸命さを感じました。彼からは作品や役と向き合っている姿が本番を通して伝わって、本当に魅力的な炭治郎という印象で。直向きでとてもかっこよくて、亮太は素敵な役者だなと思いました。

第2弾では、第1弾を経て、亮太が作品や座組みを背負っていて、舞台上でも存在感が大きく感じました。炭治郎が成長するように、亮太も役者として成長する姿が作品にぴったりですね。

また、純粋に舞台としても面白くて！　末満さんの演出方法が次から次へと変わり、シーンの表現の仕方にも引き込まれて、あっという間に見終わってしまいました。

――中でも印象的なシーンはありましたか？

蒼木：たくさんありますが……本作でご一緒する矢崎広さんの煉獄（杏寿郎）さんが舞台でひとり立って台詞を言う場面かな。煉獄さんの存在感と客席への圧に鳥肌が立っちゃって……今でも印象強く残っています。

煉獄さんのかっこいい（キャラクターの）説得力を感じ、矢崎さんの役者の存在感も素敵でした。今回は戦う相手なので、当時の気持ちを忘れないでおこうと思っています。

――そんな煉獄と対峙する猗窩座役に決まった際の心境はいかがでしたか？

蒼木：「演じるなら自分しかいない！」と結構気合い入れて準備をしつつ、役が決まった時は、今まで頑張ったことが報われて嬉しく思いました。しっかりと期待に応えたいですし、人生をかけて演じていきます。

きっと後に作品を振り返った時に、人生のターニングポイントになるのかなと。決まった時はワクワクと高揚感で嬉しかったのですが、少し時間が経って怖くなりました（笑）。

――ちなみに今は不安と期待のどちらが大きいですか？

蒼木：今は稽古前なのでどうしても不安が強いです。肉体も精神もハードな作品なので、初日が明けるまでは苦しいかなと。きっと苦労はあると思いますが、稽古時には演者全員で前を向いて、作品をお客様へ届けたいというエネルギーが色濃く出るはずです。稽古の苦しさを乗り越えた先に、お客様に届く感情があると思うので、もがいて頑張ります！

――改めて演じる猗窩座の印象をお聞かせください。

蒼木：役が決まる前から猗窩座が好きだったので演じられて嬉しいです。同時にプレッシャーもありますが、劇場に来てくださる方にも僕が読んだ時と同じ気持ちになってもらえたらいいなと思います。

――中でも大好きな猗窩座のシーンや台詞はありますか？

蒼木：弱者を見下して「俺も弱い人間が大嫌いだ」という場面でしょうか。圧倒的な強者だからこそ言える台詞ですよね。猗窩座のキャラクター性が濃く反映されている台詞なので、壇上では僕も強者らしくお客様に届けられたらいいなと思います。

――強者の猗窩座といえばアクションシーンですが、現段階でイメージしていることはありますか？

蒼木：アクションは未知な部分が多いです。猗窩座の闘いは漫画ならではの描写、鬼だからこそできる領域で。人間が舞台上で演じた時にどう表現するんだろう？と、現時点で僕はイメージできてなくて。

だから、演出の末満健一さんがどのように演出するのかが楽しみです。稽古で動きを指導していただいた時に、答えられるようにしたいなと思います。