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『リコリス・リコイル』第13話放送後インタビュー:安済知佳(錦木千束 役)×若山詩音(井ノ上たきな 役)

アニメ『リコリス・リコイル』第13話(最終回)放送後インタビュー:安済知佳さん(錦木千束 役)×若山詩音さん(井ノ上たきな 役)|真島との戦いもついに決着! 感動の最終回を語り尽くす!【連載 第13回】

真島・ミカ&吉松、楠木……名キャラクターたちを語る

――ここから時間の許す限り、キャラクターの感想を語っていきたいのですが、まずは真島から行きましょう。若山さんは、真島好きと公言していましたね。

若山:キャストは、皆さん好きだったと思います。真島で驚いたのは、視聴者の皆さんが、最初から悪役として捉えていたことで。私たちは収録を終えていたので、真島なりの正義があるから悪ではない、悪に見えるだけだという印象だったんですよね。

安済:あの第4話の登場が衝撃的だったしね。

若山:そうか。確かにそこだけ見るとそう見えるんですよね。真島なりの正義は第13話でしっかり語られましたから。

安済:弱いほうに付くというか。DAがバランス的に弱ければ、公平にするためにDAに付くぜってことも言ってたからね。

若山:そういうところが魅力的で、ただの狂気的な殺人者ではなかったんだなって。

――でも相当リコリスはやられていたし、強かったですよ。

若山:そうなんですよねぇ。結局たきなは、真島さんにはいつでも敵わなかったので。いつもやられているんです。

安済:確かに。「お前には用がない」みたいなことまで言われてたしね(第11話)。

若山:あれを言われて、私は結構傷ついたんですよ(笑)。安済さんはどうでした?

安済:やっぱり地下鉄での登場シーンが衝撃的で、映像で松岡さんの笑いのお芝居を聞いた瞬間に「最高だな!」と。思わず台本を引っ張り出してきて、どんなト書きだったんだろうって見返してしまったくらいで。そこにはくるっと一回転するとしか書いていなかったから、完全にアドリブなんですよね。初登場の一言目がアドリブって、どういうこと?と。「入れてください」と言われたのかもしれないですけど、すごいなと思いました。

あと千束と会話するシーンがちょこちょこあって、ある意味千束と真島は似ているなっていうのは感じながらお芝居をしていたんです。戦っていて、気持ちをぶつけ合っている途中で、いきなりまったりする時間が流れることもあるんですよ。銃を撃ったのに、いきなり『ガイ・ハード』の話をしだしたり(第8話Bパート)、第13話も戦っている途中で休憩して、飲んでたジュースを千束が渡したり。高校生かな?みたいな。

若山:あれ、私ちょっとドキッとしちゃいました(笑)。

安済:間接キッスだ!みたいな?(笑)いや、わかる! なんか2人の緊迫したところを、一度緩めさせる流れのリアルさ。戦っているからって常に緊迫しているわけではないというか。あの会話は本当に楽しかったです。

だからこその戦う理由が見えるというか。各々の考え方があるから戦っているんだなって思うから、両方に共感がしやすかったんですよね。だから最後、死んでほしくないなぁとは思っていたんですけど、案の定生きてて、「ですよね~!」ってなりました。

若山:ロケットランチャーが車に当たっても生きてましたからね。運の良さが違う。

――第6話で、頭にゴム弾が命中していたはずなんですけど、気絶してないですからね。どういう体をしているんだろうと。

安済:そうですよね。だから才能も具体的に知りたいですよね。耳が良いだけではないんでしょうけど。

――千束と同じく、いろいろなものをトータルして「殺しの才能」っていうことになるんでしょうね。

若山:最強vs最強ですよ。なので、真島がこれまで何をしていたのかも知りたいですね。

――真島でもスピンオフですね(笑)。

若山:本日2度目の。真島のオーディナリーデイズを(笑)。

安済:普段、どこまでバランスを取り続けているのかとかね。ホントにみんなの話が見たい。

――スマホを手すりに立たせるくらいだから、普段からバランス取ってるんでしょうね。では次に、吉松とミカはどうでしょうか。

安済:パパとパパ! アサウラさんに錦木千束の名前は『錦木塚物語』から来ているということを聞いたんです。

その話は、結婚するために若者が植物の錦木を毎日女性の家の前に起きに行くという話で、毎日一束ずつ錦木を置くけど、あと一束で千束になるというところで結局好き合う2人は結ばれずに命を落とすという話なんです。

で、吉松とミカをつなぐ存在が千束だったということになるんですけど、最終的に千束はミカを選ぶんですよね。その切なさもあって。でも千束ってどんなに酷いことを言われようが、何だかんだヨシさんが大好きだったというか。命を救ってもらった救世主というのを大切に、酷いことを言われても感謝を伝えようとしていたんです。

それが最終的にああいう結末になってしまい。2人をつないでいたはずの千束だったのに「はぁ~」ってなりましたね。この物語を語る上で、吉松とミカは外せないというか。ある意味、2人の物語でもあったなと思います。


――第7話のエレベーターの時点では、殺せるわけがないだろうとミカも言っていたんですけどね。

安済:それがあったからこその第13話での泣きながらの音なしのパァンは、心に来ましたね。2人の予告とか、ピンク過ぎる部屋では笑わせてもらったけど、こんな結末になるとは……。そんな感じで、千束は最後までヨシさんを信じようとしていたんですけど、たきなさんは、早い段階でね?

若山:そうですね。殺してやる!ってなっていました。

安済:第12話はすごかったよね!

――「あぁ、あと松下もお前だ」が、本当にカッコ過ぎて!

若山:あのシーンは、尺がすごく短いのにすごく言いづらかったので、カッコよく言うのが大変でした。たきなは吉松さんのことを、こいつ、この野郎!と思っていて、最後は「その心臓、私が引きずり出してやる」とまで言っていましたよね。

――たきなに関しては、第7話のバーで吉松と話した時点で「こいつは……」って思っていましたよね?

安済:そうなんですよ!

若山:そのシーンのト書きが「絶対悪い奴だ」だったんです(笑)。

安済:ト書きを絵で表現するシーンが、この作品は本当に多いんですよ。第12話で千束がヨシさんに「死にかけの人形」と言われたときのたきなの表情が殺意しかなくて……。台本を見返したらト書きに「コイツ絶対に殺す」って書いてあって(笑)、すごいなぁ、本当にそういう顔してたもん!って思いました。絵でのお芝居が最高なんですよね。

――何度も観ているうちに、千束が吉松を最後の最後まで信じる気持ちは理解できたのですが、視聴者はどちらかというと、たきな頑張れ!って思っていたと思うんです。

安済:一番共感しやすかったのってたきなですよね。物語を通して。

若山:それで言われて思い出しましたけど、たきなってもしかしたらみんなの窓みたいな感じなのかなって思っていたんですよ。たきなを通して、みんな物語を見ているのかなって。

――実際、千束の人工心臓の話が出たあたりから、たきなを通して観ていた人は多かった気がします。

安済:千束みたいに、ずっと命と向き合ってきた人って少ないと思うんですよね。そうなると感情移入はしづらいし、何であの若さで何でも許したり、受け入れたり器が大きすぎるの?って。現実味がないみたいな感じになっちゃうと思うんですよね。だからこそたきなの存在が皆さんとシンクロして、千束と触れ合うみたいな楽しさがあったんじゃないかなって。だからEDテーマの映像のメインがたきなだったときに、めちゃめちゃ納得したんですよね。

――話が千束とたきなの話に行ってしまいましたけど、その2人を育てたであろうもう一人が、DAの楠木司令です。彼女について話したいのですが、あまり悪い人には見えなかったんですよね。

安済:めっちゃいい人だと思います。フキタイプ(笑)。

――孤児を殺し屋にしているというところだけ見ると、あまりいい組織ではないけど、リコリスのみんなが慕っている感じがするんですよね。

安済:孤児だから自分の存在意義を両親に求められないわけだから、DAで成績を上げることに存在価値を求めてしまうんでしょうね。で、そのときに楠木さんがうまいこと愛情を与えていたからこそ、素直になっているのかなと。あとは第12話のトイレでのシーン! あそこは千束とのシンクロも感じるし。

若山:(第7話の千束と)体勢が同じなんですよね!

安済:体勢が同じだしトイレで流れる「音姫」みたいなのがうっすら入ってくるんです。「司令のトイレが長いんです!」「ホーホケキョ」で、一気に愛おしくなるじゃないですか(笑)。もちろん、沢海陽子さんのお芝居も素晴らしくて、カッコいいし、本当にいそうなんですよね。説得力があるというか。冷たすぎず、主張しすぎない、言葉にするのが難しいんですけど。

若山:リコリスたちに接するときは厳しくてしっかりしていて冷静ですけど、リコリスが処分されるとなったときに、こっそりミカに依頼をする愛情深さを持ち合わせている。それがリコリスのみんなには見えているんじゃないのかなって。そういうところが好きだし、お母さんだなって思いますよ。

――リコリス狩りをされた真島に対しても、相当怒ってましたから、多分リコリスをコマのようには考えていないのではないかなぁって、わからないですけど期待しています。

安済:まぁ、何も思わないようにしてはいそうだなって思いましたけどね。いちいち心を痛めていたら、もたないと思うし。

(C)Spider Lily/アニプレックス・ABC アニメーション・BS11
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