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秋アニメ『モブサイコ100 Ⅲ』伊藤節生 インタビュー

モブ君と歩んだ6年。「自信がない」とは言いたくない──秋アニメ『モブサイコ100 Ⅲ』影山茂夫役・伊藤節生さんインタビュー

 

「自信がない」とは言いたくない

──アニメは第2期まで放送されていますが、ここまでのモブの成長を振り返った感想を教えてください。

伊藤:第2期までのモブ君は悩みを抱えていたりしましたが、今ではすごく成長していて、頼もしい人になったなと思います。

仲間が増えたことによって周りにオープンな性格になったといいますか。もともと素直なんですけど、よりまっすぐで素直になったんじゃないかなと思います。

──どんどん周りに人が増えていますよね。

伊藤:自分から前に出る性格ではないので、周りと上手く噛み合うまで時間が掛かっていたのかなと。第1期、第2期を通して肉体改造部や脳感電波部、他校の知り合いが増えていって。

そういう意味でも成長したんじゃないかなと思います。もともと優しくて結構前向きで頑張ることができる人なので、本当に良い子に育っていて。もはや親目線になっていますが(笑)。

──(笑)。

伊藤:成人している僕にはもうそういった成長はミリ単位でしか起こらないので、置いていかれてるんじゃないかと思ったりも(笑)。

──改めて、モブの性格に共感できるところはありますか?

伊藤:第1期の頃に同じ質問を受けたときは“自分に自信がないところ”を挙げたんですけど、第2期の頃には”もう、自分に自信がない自分とはおさらばだ”と思うようになって。

せっかく第2期までモブくんと一緒に成長してきたのに「自信がない」とは言いたくなかったんです。

でも第3期までの期間を経て逆戻りしちゃって、ちょっと弱気になっていました(笑)。モブ君は成長した状態なのでどうしようか悩んじゃいましたね。

──「自分に自信がない」というのは多くの人に当てはまることですよね。

伊藤:第2期の頃の僕はそれを表に出さないようにしていたんです。でも、コロナの影響で自分の人生について悩んだことがあったんですけど、その期間を経て、逆に不安なことや疑問に思ったことを素直に口にするようになって。そこはモブ君に似たのかもしれません(笑)。

──伊藤さんご自身はどんな中学生でしたか?

伊藤:中学時代はずっとテニスをしていました。坊主頭なのに前髪があるという変わった髪型で。大五郎カットみたいな(笑)。前髪以外は全部バリカンで剃っていました。

──えぇ!? 部活の決まりとかですか?

伊藤:いえ違います。親に切ってもらっていたんですけど、僕自身それがおかしなことだと思っておらず……。

──いつ頃までその髪型だったんですか?

伊藤:中学二年生くらいで「こんな髪型は嫌だ!」と思い始めまして。そこから今くらいの長さに伸ばしました。そういう意味ではモブ君と同じくらいの年齢で心境の変化があったのかもしれないです。モテたい気持ちが生まれたのかもしれませんね(笑)。

──中学生はそういう時期ですよね。

伊藤:あと、アニメが好きだったことをしっかりと自覚したのもこの時期で、アニメイトさんにも行き始めました。そして声優を目指すきっかけの前触れみたいなものもありまして。それくらいたくさんのことが起きました。

──いろいろな可能性に気付く時期だったんですね。伊藤さんはイラストがお上手ですが、そのスキルもこの時期に?

伊藤:もともと父親が絵を描く人だったんですけど、子供を喜ばせるためにアニメの絵を模写して額縁に飾ってくれたりしたんですよ。姉がいるんですけど、姉には『セーラームーン』とか、僕には『ポケモン』とか。

それを真似したいと思って、模写の方法を小学生の頃に学び始めて。そこから絵を描く友達が徐々にできたことで加速しました。

──第1期第1話、第2期第1話のエンドカードを描かれていますよね。

伊藤:そうですね。『モブサイコ』はもともとファンの方からイラストを募集していたりして。僕もその流れでお話をいただきました。

 

 
 

「オンオフを上手く使うのが声優」舞台版で得た経験とは?

──舞台でもモブを演じられていますが、それぞれ演じ方に違いはありましたか?

伊藤:根本は変わらないです。でも目の前に相手の役者やお客さんがいるので、そういった変化はあって。あと「舞台で聴かせるにはもっと多くの人に聴かせる意識で声を出さないといけない」と一番最初に言われて。

そういう意味では内面は変わらずとも、ちょっとだけ力強くなっているかもしれないです。

ほかには、舞台はアドリブを含めて、目の前でとにかく面白いことをしてくる人が多いんですよ。その空気に乗っかるのはもちろんなんですけど、あまり笑わないモブ君としてそこにいるので、笑わないことが課題で(笑)。演じ分けではないんですけど、違う頑張りが必要な現場ではありました。

──舞台としてみてもモブは特殊な役柄ですよね。

伊藤:クールとはまた少し違いますからね。最初の方は特に「笑えないのか?」と言われるくらい感情が表情に出なくて。僕自身ゲラで、一部助け舟を出してもらったりもしましたが、なんとか頑張れたと思います(笑)。

──舞台経験は声優活動にどんな影響を?

伊藤:役者人生において活きた部分は多かったと思います。元々アニメが好きで声優を目指したので、アニメの中のお芝居しか見てこなかったんです。途中から舞台も観るようになったんですが、実際に自分が舞台に立ってみて「だいぶ違うな」と。

アニメの収録は自分のシーン以外はマイク前から下がって待機する時間があるんですけど、舞台の場合はステージに出っぱなしなので自分の感情が一本に繋がっていて。そういう細かいところであったり、相手とのやりとりを感じられるのが舞台ならではだと思いました。

──アニメ収録の場合はオンオフのタイミングがあるんですね。

伊藤:そうですね。僕の場合はそのオンオフを上手く使うのが声優という職業だと思っていて。舞台だと本番中はオンで、終わったらオフ。オンオフのスパンであったり、入れ方が違うんだと思います。

(C)ONE・小学館/「モブサイコ100 Ⅲ」製作委員会
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