『Dr.STONE（ドクターストーン）』第3期放送前に、過去シーズンをおさらい！　石の世界を生きる千空が爆誕させた科学アイテムとは？　科学の知識を身につけながらストーリーを振り返ろう

稲垣理一郎さん原作、Boichiさん作画による人気コミック『Dr.STONE（ドクターストーン）』のTVアニメ第3期が、2023年4月6日から放送スタート！　2022年夏にスペシャルアニメ『Dr.STONE 龍水』が放送され、続編を待ちわびていたファンも多いのではないでしょうか。
　
『Dr.STONE』の最大の見どころは、科学少年・千空が、文明が滅んだ石の世界（ストーンワールド）で、仲間たちとゼロから文明を作っていくところ。千空がアイテムを生み出すシーン、まるで科学実験の授業を受けているような気持ちになり、なんだかワクワクしませんか？　
　
そこで本稿では、千空が“爆誕”させる科学アイテムに注目しながら、第1期～スペシャルアニメまでを振り返りたいと思います。
　
　

科学少年・千空、目覚める

謎の現象によって石化してから数千年――その間ずっと時間を数え続け、3700年の時を経てふいに目覚めた千空。文明が滅んだ石の世界（ストーンワールド）で、千空はイチからひとりで衣・食・住を整えます。
　
アインシュタインが唱えた科学の基礎「E＝mc2（物質が持つ質量とエネルギーは等価である）」、つまりは“無からエネルギーは生まれない”という理論を胸に刻み、ゼロから文明を作り出すことを誓います。

【ナイタール液】復活液を完成させ、文明が進み出す！

石化から目覚めた千空が科学の力を駆使して初めて作ったもの、それは人間を石化から解く「復活液」。
　
自分の体から剥がれた石を調べ、鉱石の腐食によって石化が解けたことを突き止めた千空は、その要因のひとつにコウモリの糞から作られた硝酸が関係していると考えます。
　
硝酸とお酒があれば金属を腐食させる溶液が作れると思いつき、同じく復活を遂げた幼馴染の大樹とともにブドウを使ってワインを作ります。完成した腐食液を石化したツバメに試しにかけると、元気に飛び立っていくのでした。
　

ナイタール液の作り方

硝酸（HNO3）＋エタノール（C2H5OH）＝ナイタール液
ブドウの実をつぶして容器に入れ、毎日混ぜること3週間……蒸留してブランデーにし硝酸を70：30の割合で混ぜれば、腐食液「ナイタール液」の爆誕！
　

【炭酸カルシウム（石灰）】農業、建築、石鹸……4つの使い道とは

武力が必要と感じた千空たちは、霊長類最強の高校生・獅子王司を復活させます。知力、体力、武力の三拍子がそろったところで、科学文明に一番ほしいもの、炭酸カルシウムを作ることに。
　
貝殻を粉々に砕くだけで作れる炭酸カルシウムには、4つの使い道が。しかし司の言動に疑いを持ち始めていた千空は、4つ目を明かさずごまかします。人類みんなを復活させたい千空と、純粋な若者だけを復活させて人類を浄化させたい司、意見が分かれた2人は敵対します。

炭酸カルシウムの4つの使い道

1　石灰を使って土に含まれる水素イオンをとばすと土の状態が良くなる
2　焼いて砂と混ぜるとモルタルができ、家が建つ
3　海藻から手に入れた炭酸ナトリウムと、油とを混ぜて固めると、ばい菌を浄化する「石鹸」が作れる
4　火薬の素材のひとつ、硝酸カリ（KNO3）が作れる
　

【火薬】科学の武器・火薬を作るも、司との取引は失敗……

司と取引をするため、原料となる硫黄を手に入れ火薬を作った千空たちですが、取引は失敗し、千空は頸神経を砕かれ殺されてしまいます。
　
蘇生を試みた大樹と杠は、千空の首に石化が残っていることに気づきます。「石化をといたときに細かい破損が直る」と言っていた千空の言葉を思い出し、首に復活液をかけ蘇生に成功！
　
そして、大樹と杠は司帝国に潜入、千空は他の人類を探して科学王国を作ると約束し、別々の道で“共に闘う”ことにします。

【サルファ剤】村の巫女・ルリの病気を治すため、抗生物質を作る

森の中で謎の少女・コハクを助けた千空は、彼女が暮らす村に案内してもらい、妖術使いと名乗るクロムと出会います。そこでコハクの姉で村の巫女・ルリが病に侵されていると知り、ルリを救うため、科学の万能薬・抗生物質を作ると宣言。
　
「サルファ剤」を完成させるための“科学のロードマップ”を歩み始めます。

【①猫じゃらしラーメン】科学のグルメで村人を釣り、味方につける

ロードマップの一歩目でマンパワー不足に陥り、村人を“科学のエサ”で釣ろうと企みます。猫じゃらしを見て現代人が大好きだった“ある食べ物”を作ることに。それはラーメン！
　
村人たちは、このあとに重労働が待っているとも知らず、初めて見るラーメンに喜んでありつきます。
　

猫じゃらしラーメンの作り方

猫じゃらしを叩いて脱穀し、水で濾して、砕いて粉末にする。これに野鳥の卵や炭酸カリウムなどを足してモチモチにすれば麺の完成。「猫じゃらしラーメン」の爆誕！
　

【②発電所】村に科学の灯・電気が誕生

最初に集める材料は鉄。千空は発電所を作ると言い出し、村の少女・スイカも手伝い川で砂鉄を集め、強力な磁石を作ります。
　
次に銅版を作り叩いてのばし円板にしたら、ダイヤモンドの次に固い石・コランダムで円周を削ります。これを2枚作り銅線とつなげば、手回し発電機の爆誕！　村に、夜の闇を灯す電気が誕生します。

磁石の作り方

砂鉄4：炭1の割合で混ぜて1500℃で焼き、鉄の棒を作り表面に漆を塗る。板に溝を彫り、溶かした銅を流して固めて銅線を作り、鉄の棒に銅線を巻きつけ雷を当てれば「強力磁石」の完成！
　

【③ガラス】化学の原点・ガラスを作り、スイカにメガネをプレゼント

サルファ剤作りに向けて、すべての薬品に耐えられるガラスを作るため、村の職人・カセキを仲間に引き入れます。
　
そして、目が悪く物を見るときに眉間にシワが寄る顔を見られたくなくて被り物をしていたスイカのために、千空はガラスで作る科学の目・メガネを作ると約束します。

ガラスの作り方

珪砂（けいしゃ）をすり潰して細かい砂状にし、貝殻（炭酸カルシウム）10％＋焼いた海藻20％＋鉛を足して混ぜ、窯で溶かせば「ガラス」の完成！
　

ついに「サルファ剤」の完成！

最難関素材・硫酸を命懸けで手に入れ、塩酸、クロロ硫酸、水酸化ナトリウムを作り、サルファ剤作り爆進！　残りの材料作りに必要なお酒を手に入れるため、村で行われる御前試合で優勝を目指します。
　
思わぬアクシデントから優勝し村の長になった千空は、手に入れたお酒で急いで残りの材料を作り、「サルファ剤」を完成させルリを病から救います！