81ACTOR'S STUDIO講師・中尾隆聖さん、教え子・原紗友里さん、米内佑希さんが語る「声優の魅力・生き方」　声優になりたいという熱い気持ちを持って頑張れば、何か掴めるし、掴ませてくれる場所です【短期連載最終回】

大手声優プロダクション・81プロデュースによる養成所「81ACTOR'S STUDIO」では、『声優四季講座』と題し、体験レッスン付の入所説明会を定期的に実施しています。2024年度の入所を希望される方に向けて、8月20日（日）、8月27日（日）、9月3日（日）に《夏季》レッスン体験・入所説明会が実施されます。なお、それぞれの日程の一週間前まで申し込み可能です。

今回の連載では、「81ACTOR'S STUDIO」で講師を務められ、そして第一線で活躍されている声優・中尾隆聖さんと、【第2回81オーディション優秀賞】受賞者であり受賞後「81ACTOR'S STUDIO」で中尾さんの授業を受けていた声優・原紗友里さん、専門学校卒業後「81ACTOR'S STUDIO」に通い、現在声優としてだけでなく同スタジオで講師としても活躍されている米内佑希さんを迎え、3回に渡り鼎談インタビューをお届けします。

最終回では、「81ACTOR'S STUDIO」を通じて中尾さんが教えたいことの真意や、第一線で活躍する3人が考える声優の魅力、そして生き方、《夏季》レッスン体験・入所説明会を検討されている方に向けてのアドバイスなどを伺いました。

おふたりのお話を聞きながらニコニコとしつつも、時に感慨深い表情を浮かべられていた中尾さんの姿が印象的でした。

「呼吸と間の大切さ」を体感するおばけの話

――前回のインタビューで、“最初の授業で話すことがふたつある”とおっしゃっていましたが「待ち方」のお話と、もうひとつは何ですか？

中尾隆聖さん（以下、中尾）：「呼吸」です。何が大事だと思うか問いかけてから話します。それから、おばけの話をするんだけど、覚えてる？

原紗友里さん（以下、原）：覚えています。

米内佑希さん（以下、米内）：おばけの話ですか？

中尾：「夏になると稽古場におばけが出るんだよ」って話。しなかったっけ？　（静かな声色で）「夏近くになると、劇場や稽古場におばけが出るって噂があるんだよ……」って話をして、ちょうど話がピークになったところで（大きな声色で）「わっ！」と大きな声を出すんです（笑）。

――ひえっ!?

米内：今思い出しました！　心臓がヒュンってなるやつ（笑）。めちゃくちゃ引き込まれる話し方をされるので、本当にびっくりするんですよ。

中尾：「これが間だよ」って話だよね。話しながら相手の呼吸を感じて、一番心拍数が上がったところで驚かす。だって普通に話したところで「わっ！」と言っても誰も驚かないでしょ？　こういう感覚が大事なんだよね。

そういう例を出しながら、「芝居や言葉は呼吸から始まるんだよ」ってことを伝えるんです。言葉というものはどこから出るかと言えば、息を吸って、吐いて、それが声帯を震わせて言葉になっていく。どうしてもセリフを意識しがちですけど、「吸って、吐いて」の呼吸こそが全ての基礎になるわけです。そこで、役によっての息の仕方の話もします。

――なるほど、これは生徒さんの目の色も変わりそうですね。

中尾：変わります。話していると面白いぐらいに表情も変わっていく。だから驚かし甲斐があって面白い（笑）。

米内：みんな集中して聞いていました。

中尾：一番前のめりになった時にね（笑）。みんな真面目だから何かひとつでも吸収して帰ろうっていう姿勢があるので、そういう子ほど、引っかかってくれますね（笑）。

米内：真面目な人ほど（笑）。

中尾：僕が伝えたことを、一線で活躍するふたりが未だに覚えてくれているなんて、こんなに嬉しいことはないです。ありがたいことですよ。

原：必ず糧になりますよ。

米内：僕はここ（81ACTOR’S STUDIO）で教えてもらったことが全ての土台になっています。

中尾：そう言ってもらえると嬉しい。まさにその土台、根っこになることも意識していますから。