『鬼太郎誕生ゲゲゲの謎』を見てなぜ人々は沼に落ちているのか？　本作の見どころ＆鑑賞前後におすすめなアニメ各回に触れつつ紐解くーー目玉おやじを見る目が180度変わる!?

2023年11月17日（金）より公開中の映画『鬼太郎誕生ゲゲゲの謎』（ファンの間では『ゲ謎』とも呼ばれています）。鬼太郎の2人の父たちの出会いや鬼太郎誕生までのストーリーが描かれるなど、これまで『ゲゲゲの鬼太郎』では語られていなかった新たな物語が話題となっています。

“鬼太郎の父のビジュアルが好きすぎる”という興味本位な理由でなんの前情報も無しに本作を鑑賞した私ですが、「目玉おやじを見る目が180度変わります!!」と言っても過言ではないぐらい大きな衝撃を受け、今最もイチオシする作品となりました。

公開から3週を迎える今、公開劇場が増えるなど今まさにムーブメントとなっている本作に興味を持った人も多いハズ。SNSを見ていても、入口は違えど、鑑賞後にとてつもないスピードで沼に落ちている方が増えてきているなぁと思う日々です。

そこで今回は、「『鬼太郎誕生ゲゲゲの謎』がなぜ初見の方でも沼にはまりやすいのか」について見どころなどを踏まえつつ紐解いていこうと思います！

▲映画『鬼太郎誕生ゲゲゲの謎』本編映像（鬼太郎の父たちの運命の出会い）

※本稿には『鬼太郎誕生ゲゲゲの謎』の背景・人物設定など、多少のネタバレが含まれておりますが、物語の根幹には触れていません。完全初見で楽しみたい方は本作をご覧になったあとに本記事をご覧ください。

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沼るポイント１：キャラクターデザインが強すぎる！

ひと目見て「お、ビジュが良い！」、と最初にこう感じた方が多い印象です。やはり、最初のインパクトって大事ですよね。特にメインキャラクターの二人である鬼太郎の父と水木が本当にいいキャラクターなんです。

鬼太郎の父（かつての目玉おやじ）：CV.関俊彦さん

鬼太郎の実の父親ということで姿形に既視感しかありませんよね。以前より『ゲゲゲの鬼太郎』という作品に少なからず触れてきた方からすると、キャラクターデザインを見た瞬間から「なんか、気になるかも……」とどこか引っ掛かった方も多いはず。というか、銀髪・色素薄め・高身長というビジュアルも気になる要素しかありませんよね。

実際に劇場に足を運んでみると、私は特に見た目から入り過ぎていたらしく、聞き慣れているはずの「わし」や語尾の「〜じゃ」が見た目の年齢に合わないからか特段新鮮に感じました。関俊彦さんの声も相まって、もうこの時点で「ギャップやべ〜！」と思っていたのですが、まだまだ序の口だったようです。

髪の毛を意識的に伸ばしたり（劇中では長髪の父が観れる！）、人間では不可能な怪力技を披露したりと様々な父の姿を楽しめる点も幽霊族であるがゆえの魅力。

気になるキャラの予想していなかった一面（ロングヘアの子がポニーテールにした時の「おお！」みたいな感動）を見るとテンションが上がりませんか？　この作品には同じような感動が至るところに落ちているんです。

公開されている場面カットの中には入浴シーンがあり、「やっぱり昔からお風呂が好きだったんだ」と、私が知っている目玉おやじに通ずるものを感じてなりませんでした。

ほかにも目玉おやじといえば、ほわほわした雰囲気で少し気が弱そうという印象があり、実際にそういった性格の要素も本作で表れていました。水木とのとある会話の中で、鬼太郎の父が大粒の涙を流すシーンがあるのですが、そのシーンをよくよく思い返してみると目玉おやじの姿が透けて見えてくるような気がします。

ですが鑑賞中は、そんなことよりも「え!?そのビジュアルで泣き虫キャラなの?!?」という衝撃が上回り、その不意打ちのギャップに打ちのめされていました（笑）。

今週末から公開の、「#鬼太郎誕生ゲゲゲの謎」

「鬼太郎の父」のキャラクター表情設定の一部が追加で公開されました！せっかくですので線画＋α表情も掲載させて頂きます。
どの表情もじっくりと、時間をかけて描かせて頂きました！✍️
（掲載許可得済み）

#ゲゲゲの鬼太郎 https://t.co/cOocSZHjSW pic.twitter.com/6cTP3luGig
— toco (@tocodot) 2023年11月17日

▲キャラクターデザイン・谷田部透湖先生の表情設定資料

水木：CV.木内秀信さん

のちに鬼太郎の育ての父となる水木は帝国血液銀行に勤めており、ある理由から自身の出世のために哭倉村（なぐらむら）へ向かい鬼太郎の父と出会います。

左目の傷と欠けた左耳は戦時中に負った傷で、初見の方は最初この傷跡に目が向くはずです。洗練されていてとても印象に残るキャラクターデザインだと感じています。こういう傷を負ったキャラクターってなんだかバックストーリーが隠されていそうで注目しちゃいますよね……！

（ちなみに「水木」の発音は、水着と同様）

水木の最大の魅力は、簡潔に「煙草を吸うシーンが多いところ」「物騒な武器や流血が半端なく似合うところ」です!!

ヤニタイムがとても充実しているので色々なところで煙草を吸ってる姿が見られます。身体の傷が水木の人生の重量を物語っていて、かつ水木というキャラクターの少しルーズな部分を際立てているように思います。

そしてなんと言っても、戦闘シーンで見られるスーツ×武器×血流（返り血）の最強コンボ、好きにならないわけがない！　水木は特に悶えている表情や血、汗などの描写にインパクトがあり、「絶対刺さる人いる……」と思っておりました。血まみれになりながら斧を振りかざす水木の姿は見応えがありますよ!!

「#鬼太郎誕生ゲゲゲの謎」水木の表情設定の一部が追加で公開されました！
どの表情も楽しく描きました✍️
せっかくなので、宣伝には使われないであろう設定も追加で掲載させて頂きます（掲載許可得済み）#ゲゲゲの鬼太郎 https://t.co/qKTeqbBql4 pic.twitter.com/iWUvEyW7ie
— toco (@tocodot) 2023年11月10日

▲キャラクターデザイン・谷田部透湖先生の表情設定資料

豆知識1

「入村」：本作で水木たちが哭倉村に訪れ、物語が始まっていくことに由来してか、『鬼太郎誕生ゲゲゲの謎』を鑑賞する（またはしたこと）を「入村」と表現するファンがSNSを中心に広がっています！　例）「入村してきた!!!」

沼るポイント2：3組の劇的な「愛」の形に注目！

ビジュアルで入って物語の蓋を開けてみたら、かっこいい、尊い、激重と三段構えでした……。こんなギャップがあるのも『ゲ謎』の魅力なんです。ビジュ良し、ストーリー良しの作品って間違いないですよね！

2人の父たちの友情

本作は幽霊族と人間という種の垣根を越えた2人が出会ってから数日の出来事が語られていて、その中でじわじわと芽生えていく友情、そして相棒となっていく様子がとても素敵で尊いもののように感じます。共にお酒や煙草などを嗜む姿は「昔ながらの旧友ではないのか？」と思ってしまうほど自然で、良き友とはこういうことなんだなぁと。

みなさんご存知の通り、鬼太郎の父は将来的に「目玉」だけとなってしまうのですが、目玉おやじになる前の彼の意思が今後どのように受け継がれていくのかに注目です。

そして名前について。今まで「鬼太郎の父」と書いてきましたがちゃんとした名前があります。作中では「ゲゲゲの謎」の核心つくような形で名前が呼ばれていて、そしてその名前になったきっかけも良く、こちらも是非知って欲しいポイントです！

鬼太郎の父の家族愛

家族のために哭倉村を訪れた鬼太郎の父は、水木に妻との幸せな思い出を語ります。鬼太郎家族の純愛エピソードがところどころに散りばめられているため、視聴者は一気にこの家族のファンになったことでしょう。鬼太郎のお母さん、めちゃめちゃ美人でした！

人間の世界に馴染みながら生きていた妻と人間の世界と関わりをあまり持ってこなかった鬼太郎の父。妻と出会い、その明るさに救われた鬼太郎の父を思うと、しみじみ「良かったなぁ」と思えてくるのです。

同胞は滅び、2人だけになってしまった幽霊族の希望はお腹にいた鬼太郎だったんだという事実がひどく心を抉ってきました。

泥沼な長田夫婦、長田幻治の一途な愛

哭倉村を牛耳る龍賀一族の血縁にあたる長田（おさだ）夫婦は、鬼太郎家族とは反対に生々しく泥沼な家庭描写が描かれています。純愛的な鬼太郎親子のコントラストとして描かれているのかな？と思います。

『#鬼太郎誕生ゲゲゲの謎』
いよいよ明日公開
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キャラクター相関図・予告篇を
ぜひ予習にご覧ください

🔻新予告https://t.co/X2vIHrKwwY

🔻本予告https://t.co/aITvvdMtNr #ゲゲゲの鬼太郎 pic.twitter.com/922WJLqHtE
— 映画『鬼太郎誕生ゲゲゲの謎』11.17(金)公開 (@kitaroanime50th) 2023年11月16日