音楽
TVアニメ『ONE PIECE』きただにひろし 大槻マキ インタビュー

アニメ『ONE PIECE』新OP&EDテーマソングインタビュー|きただにひろしさん&大槻マキさんが語る『ONE PIECE』の主題歌を歌うということとは?

 

世界のステージで実感する『「ウィーアー!』の力と『ONE PIECE』の絆

――これまで『ONE PIECE』の楽曲に関わった中で、印象的なエピソードがありましたら、お聞かせください。

きただに:最初の頃は『ONE PIECE』の原作を読んでいなかった二人が「ウィーアー!」と「memories」を歌っていたんですけど、二人とも今は『ONE PIECE』愛に溢れていて、ファンというより『ONE PIECE』の一味になっているつもりです。

『ONE PIECE』という作品に関わることができたおかげで、世界のいろいろなところに行けたというのが一番だと思っています。アニメはもちろんなんですけど、インターネットが普及したおかげでもあります。今は世界中で曲も聞けて、覚えてもらえるから、海外へ歌いに行っても会場のみんなと一緒に歌って、大合唱になるんです。世界中で歌わせてもらって、会場のファンを目の当たりにして、「これほど認知されているんだ」と改めて感じています。

実は「あーーっす!」も「Dear sunrise」も初披露はロサンゼルス(※4)でした。ロサンゼルスでも会場内のみんなが沸いてくれて、歌詞がローマ字でスクリーンに出たので、口ずさんでもらったりとかしてね。海外でのイベントは、大きな会場に万単位の人が集まるんですけど、「ウィーアー!」のイントロが流れたら、サッカーの試合でゴールが決まった時ぐらいの盛り上がりなんです。

大槻:会場内の沸き方が半端ないんです。

きただに:ヨーロッパとか南米もそうですけど、サッカー国なので、盛り上がり方がすごいんですよ。歌いだすと、みんなが一緒になって大声で合唱するから、1対1万人になって声がかき消されるので、僕の声が負けるじゃないですか(笑)。

大槻:大合唱のシーンは感動ですよ。

きただに:そういった体験をしてきたので、すごく嬉しいです。僕が歌わなくても盛り上がるんじゃないかと思うぐらい、「ウィーアー!」の力を感じます。そういう体験をさせてもらって、本当に幸せな人生だなと思います。

 

 
大槻:ここ10年ぐらいで、『ONE PIECE』で歌った楽曲を通して、海外の方の認知度が高くなってきているのを感じます。自分のYouTubeで歌った動画にも、海外の方のコメントがすごく多いんです。そのおかげで、いろいろな場所で歌わせていただく機会が増えました。『ONE PIECE』を通して、いろんな人と仲良くなれる。楽曲のおかげで、いろいろな人と出会えるというのが自分の中での大きなインパクトですね。

きただに:『ONE PIECE』を通して、声優さんも含めてですけど、いろいろな人と知り合えるんです。『ONE PIECE』は、原作者の尾田栄一郎先生主催のたこ焼きパーティーがあって、お邪魔させていただくんですけど、有名人がたくさんいるんです(笑)。

大槻:顔がわからなくても、その時に「エンディングを歌っている大槻です」というだけで、初対面の人ともすぐに仲良くなれる。そこから話が弾んで、たくさんお話ができます。

きただに:それも『ONE PIECE』のおかげです。みんな『ONE PIECE』愛が溢れていて、絆の強さを感じますよね。25年携わってきているけど、こんなに声優さんと仲良くなるという番組はなかなかないですよ。イベントで会っても、みんな仲間という感じです。『ONE PIECE』は、自分の中で切っても切り離せない作品になっていますね。

大槻:本当に大切な作品です。

※4:2024年1月27日(土)、28日(日)にアメリカ・ロサンゼルスにて行われた『BANDAI CARD GAMES Fest23-24 World Tour in Los Angeles』のステージで、きただにさんが「あーーっす!」、大槻さんが「Dear sunrise」を初披露した。

――きただにさんが感じる『ONE PIECE』という作品の魅力についてお聞かせください。

きただに:日本のアニメがなぜ人気があるのか、世界に行ってみてわかりました。日本の作品は独特で、一度徹底的にやられるんです。そして、そこから這い上がって、頑張って強くなっていく。『ドラゴンボール』(※5)も『聖闘士星矢』(※6)もそうなんです。『ワンパンマン』(※7)のように、例外的な作品もありますけどね。

アメコミに登場する『スーパーマン』(※8)や『バットマン』(※9)などのヒーローは、絶対的な強さがあるんです。日本のアニメ作品の素晴らしいところでもあるんですけど、一度負けたキャラクターが強くなっていく。その過程に海外の人はグッとくるらしいです。

『ONE PIECE』の世界でも、麦わらの一味のメンバーたちが負けてしまうんですけど、そこから強くなっていくというところにすごく惹かれます。仲間と一緒に強くなっていくというのが冒険としては一番ワクワクしますよね。特にシャンクスとルフィには泣けました。シャンクスは自分が人から見下げられても怒らないのに、友だちがバカにされると怒るんですよね。そこでグッときて、こういう男になりたいと思いました。

※5:1948年から1995年まで『週刊少年ジャンプ』(集英社)にて連載された鳥山明さんによるコミックス。TVアニメも放送され、2024年秋に新作アニメ『ドラゴンボールDAIMA』が開始予定。
※6:1985年から1990年まで『週刊少年ジャンプ』(集英社)にて連載された車田正美さんによるコミックス。1986年にTVアニメ化を皮切りに原作をベースにした作品群が発表されている。
※7:ONEさん原作によるWebマンガ。2012年から集英社のWebサイト『となりのヤングジャンプ』にて、リメイク版となる『ONE PUNCH-MAN』(原作:ONE、作画:村田雄介)の連載が開始され、集英社からコミックス化もされている。2015年にTVアニメ化され、続編も放送されている。
※8:1938年よりDCコミックスの出版のアメリカン・コミックスにて、原作ジェリー・シーゲルと作画ジョー・シャスターによる作品。アニメ、映画、ドラマとメディア展開されている。
※9:1939年よりDCコミックスの出版のアメリカン・コミックスにて、アーティストのボブ・ケインと作家のビル・フィンガーによる作品。アニメ、映画、ドラマとメディア展開されている。

 

 

――大槻さんが感じる『ONE PIECE』という作品の魅力についてお聞かせください。

大槻:『ONE PIECE』という作品は、老若男女のキャラクターが出てきて、どのキャラクターも魅力的です。私も機会があれば、キャラクターの衣装を着てみたいなと思うぐらいキャラクターに魅力がありますよね。

キャラクターの人気投票も世界でやれるのは『ONE PIECE』だけかもしれません。そして、みんながシャンクスになりたいわけではなく、みんながいろいろなキャラクターを愛していて、キャラクターの数だけファンの方がいらっしゃるので、地区ごとに1位になるキャラクターもそれぞれ違います。

麦わらの一味の中でも、悪魔の実を食べた能力者もいれば、普通の者もいます。麦わらの一味のナミ(CV:岡村明美)やウソップ(CV:山口勝平)は、悪魔の実を食べてないので、普通の人間だけど、一味として力は弱いながらも、知恵と勇気で立ち向かっていきます。力の差はあっても仲間のために立ち向かう、その強さにグッときますし、感情移入がしやすいですよね。

そういった能力差があるのに、気持ちが一つになっているというのも垣根がないです。それは世界中にいろいろな人種の方々がいても、思いは一つというところにリンクしていると思います。だから『ONE PIECE』という作品がいろいろな国の方たちに受け入れられているのかもしれませんね。

 

 

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