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『キングダム』桓騎(かんき)とはどんな人物?史実には一行しか登場しない!?

『キングダム』No.1の色気、桓騎(かんき)とは? 虐殺しまくりのひどい奴なのに、どうしても惹かれてしまう……その理由とは?

『キングダム』は、中国の戦国時代末期(紀元前245年頃から)を舞台にした、週刊ヤングジャンプで連載中の原泰久先生の漫画作品です。主人公は、信(しん、後に李信)と、中華統一をめざす若き秦王 嬴政(えいせい)。彼らを取り巻くたくさんのキャラクターも魅力的です。
 
ここでは、秦の将軍でありながら悪逆非道のゲス野郎、それなのになぜか魅力的な桓騎(かんき)を解剖していこうと思います。
 
※2024年1月から3月に放送された、アニメ第5シーズンの先の内容、「桓騎の死」までを含みます。これから作品をお読みになる方、アニメで追っている方には、ネタバレとなりますのでお気をつけください。
 
 

目次

『キングダム』桓騎とは?

 

桓騎は野党の首領から、秦の六大将軍にまで出世する秦の武将です。
 
奪取した城内の民たちは皆殺し、金品を奪い取るのは戦の楽しみ、という悪逆非道ぶりは、中華全土で恐れられています。

秦国内でも、戦の強さは評価されていますが、人物としての評判はよろしくありません。しかし、配下の者たちには、専制君主然として振る舞っているにもかかわらず「おかしら〜」と呼ばれ、慕われています。
 
ふんぞり返った余裕しゃくしゃくな態度と、人をあざわらうようなニヒルな笑みからは、男の色気がプンプン。戦場に何人もの女を連れてくることも通常営業です。
 
そんな一癖も二癖もある桓騎ですが、アニメで桓騎を演じていらっしゃるのは、伊藤健太郎さん。なお、映画版では未登場となっています。
 

桓騎の略歴

生年や生地は不明です。物心着く頃には、生きるためなら何でもやっていたようですが、13歳頃のこと、孤児たちの集団と共に暮らすようになり、後にこの集団のボスになります。その後、この集団を抜け、野党団全体の首領になります。
 
当時、野党は一家ごとに活動していたのですが、これを連携させ全体の手綱を握ったということですね。現代でたとえるなら、数々の不良グループや暴走族を傘下に収める暴力団といったところでしょうか。
 
国も手を焼く武装集団となった桓騎率いる野党団ですが、あるとき秦の蒙驁(もうごう)将軍から、軍にリクルートされます。意外にもこれを承諾した桓騎は、野党団みんなで蒙驁軍傘下となります。
 
徐々にその強さが認められるようになった桓騎は、戦での重要なポジションを任されるようになります。「山陽攻略戦(秦vs.魏)」では、遊撃戦や奇襲によって敵の大将首をあげ、「函谷関の戦い(秦vs.楚・趙・魏・韓・燕・斉)(総大将は蒙驁)」では、守将の一人に抜擢。「成蟜(せいきょう)の乱(政の弟 成蟜をトップに担いだ国家反乱)」「嫪毐(ろうあい、秦王 政の母の愛人)の乱」と次々に戦果をあげていきます。
 
「黒羊丘(こくようきゅう)の戦い(秦vs.趙)」では、総大将として、信が率いる飛信隊(ひしんたい)を傘下に。捕虜を拷問にかける、村人の虐殺と、まさに勝つためなら何でもありの戦い方です。卑劣な行為に怒った信と流血まったなしの討論になる場面もありましたが、結果的には秦に勝利をもたらします。
  
その後、趙の首都 邯鄲(かんたん)を落とすための第一歩となる「鄴(ぎょう)攻め」も成功させた桓騎は、六大将軍という独断で戦争してOKという立場に昇格します。
 
六大将軍 桓騎の初戦は、「扈輒(こちょう)軍(趙の前線を守る敵軍)との戦い」。ここでは、敵将の首をとったところで終わらせておけばよいものを、数万人の捕虜すべてを殺すという相変わらずの暴挙に出ます。これはさすがに、中央も見逃すことはできません。わざわざ秦王 政みずからが前線に来て、桓騎を問いただしますが、一応不問に。邯鄲を落としたい秦は、総力をあげて引き続き対趙戦に挑みます。
 
桓騎軍は宜司平野(ぎしへいや)を抑えることで邯鄲を目指そうとします。しかし、またここでも変な(?)司令を出します。信たちがせっかく陥落させた、宜安(ぎあん)城を放棄せよとの司令です。
 
城を捨てて森林地帯に待機した桓騎は、趙軍総大将 李牧(りぼく)と白兵戦を行います。奮戦するも李牧軍は強く、桓騎は進退極まってしまいます。
 
彼は、李牧を討つことは叶わないまま、無名の兵たちの刀槍を受け、死んでいくのです。
 
 

悪逆非道の理由と、本当の魅力


「虐殺・略奪」と最低な奴のはずなのに、なぜかファンが多い桓騎。“桓騎のこと苦手だったのに、死なれると自分でも意外なほどの「桓騎ロス」に陥った”という声もよく聞かれます。

また、信とは意見が合いませんが、配下の者たちからはとても慕われています。

なんで桓騎は魅力的なのか? ここからは、その魅力を探っていこうと思います。

読者である私たちの心にも響く名言の数々

まず、魅力の根っこにたどり着く第一歩として、桓騎擁護というか桓騎びいきで、その悪虐非道を考えてみることにします。「野党だった桓騎」にクローズアップというわけです。賛否両論あるかとは思いますが、ひとまずは、「そうせざるを得ない立場だった」と見てみたいのです。

野党というのは国の底辺に生きる、虐げられる者たちだと思われます。史実の中での、当時の野党の身分や扱いについては、調べても正確なことはわからなかったのですが、素直に考えれば、野党は土地を捨てて逃げざるを得なかった人々の集まりなのでしょう。この推察が的を射ているとすればですが、野党というものは、国の身分秩序の外側にいる人たちということになります。

秦は実力主義で出世できる国なのですが、その対象は秩序内にいる人だけ。平民の身分は秩序内の一番下ですが、土地を持って耕作することができ、理論の上では武功をあげるなどすれば昇格することができます。でも、信の元の身分「下僕」や、野党は平民以下ということになり、身分はありません。昇格どころか人として見なされない存在なのです。

そんな中、彼らが生き延びるためには、何でもやるしかありません。もちろん法に触れる行いもしますから、取り締まりの対象です。しかし、今日の命を明日につなぐには、国や法など二の次でしょう。桓騎たちにとっては、国や王は自分たちを守ってくれない存在ですから、国や法なんてくそくらえです。

そんな見放された弱い者たちのリーダーゆえの言葉がこちらです。

「秦が滅びようがどうしようが、俺の知ったこっちゃねェんだよ」

今の言葉で言うなら「最強の人」代表の言葉ということになるでしょうか。

私たちだって、暮らしが成り立たなければ、人々は、国や統治者がどんな主義・どんな人物でも意味がないと思ってしまうかもしれません。自分と家族や仲間を守ることが優先になるでしょう。

悲しいことに、私たちの多くが、“そうなんだよなあ”と共感できてしまうこの言葉。思わず胸に刺さってしまった方は、少なくないのではないでしょうか。

とはいえ、桓騎のこの言葉は、生活に困っているときのものではありません。既に武将として活躍しているときのものです。この点にも注目です!

なぜなら、桓騎は武将という社会的地位を得ても、仲間たちを守ることが、生きる指針になっていることがわかるからです。弱い者への優しさですね。

これは、配下にとって、一生付いていきたい「おかしら」になって当然でしょう。見捨てられた自分たちを守ってくれる存在なのですから。

とはいえ、桓騎にとって守りたい者は、仲間だけ。そして、虐殺・拷問・陵辱・金品簒奪など、過激な手段も躊躇しません。むしろ、積極的です。これはなぜなのでしょうか? どうしてそこまでするのでしょうか?

虐殺は「怒り」と仲間への優しさ!?


結論から先に言ってしまいますが、桓騎のひどい行いの理由は、「怒り」です。これは、ストーリー後半で、桓騎の過去が紹介されることによって明かされます。

桓騎は13歳頃、孤児たちが集まって暮らす集団に入ります。きっかけは、ひとり行き倒れていた彼を集団の長 偲央(シオ、女性)が救ったことでした。長居するつもりはないと言いながらも、この集団の一員となった桓騎。

ある時、子どもたちでは決して敵わない野党一家の一部が訪れ、偲央に、からだを要求してきます。桓騎は怒り、短刀で男の目を一突き。次々に大の大人たちの頭に鍛刀を突き立てていきます。こうして、訪れた者たちを追い払うことに成功し、その場をしのぐことができたのです。

ところが、偲央は、“報復されるに決まっている、全滅するより自分が犠牲を払った方がよかった”、と桓騎を責めます。これに返した桓騎の言葉がこちら。その後のシーンでの言葉も一緒にご紹介します。

「お前らおかしいんだよ 当たり前になっちまってんだよ “奪われる”ことが
 おかしいだろうがそんなこと」

「底辺のお前達の“仇”は高い所にいるクソヤロォ共と思っているだろうが 本当はそうじゃない もちろんクソ共にはきっちりやり返すが
 そんな簡単なことじゃ終わらねェ
 底辺が本当に“怒り”を向けるべき相手は 無関係を決め込んでいる“中間の奴ら”だ」

「数で言うとこの世界はその中間の奴らで占められている
 そいつらが何もしねェから 世の中の“構造”が変わらねェんだよ」

底辺の者以外のすべてに、怒りを向け憎む。そして、否定する……底辺の者以外を、何をしてもいい存在とみなす、と言っているのです。桓騎の非道な行動の理由が、「怒り」であること、さらに、その怒りが誰に向かっているのかがわかる言葉です。

こうした言葉には、私たちの身に引き当ててみても、現代の貧困、いじめ、不正行為、と色々と考えさせられてしまいますね。

ただし、仲間を守り続けていくには、軍での功績も必要です。ということで、勝つためには手段を選びません。これには、桓騎の守りたいものが野党団だけであり、すべての弱き者を守りたいわけではないことがわかります。桓騎は聖人ではないのです。
また、戦わずにただ従うだけの村人(平民)は、桓騎にとっては「怒り」の対象にも入るので、芯は通っています。

とはいえ、仲間である配下の者にとっては、桓騎は誰にもかえりみられなかった自分たちを救ってくれた、根は優しいリーダーということになります。また、彼が仲間に発する言葉には、野党団ではない私たちの心さえ掴むものが多々あります。聖人ではないけれど、弱き者の味方 桓騎。それが、本当の彼の魅力なのではないでしょうか。

<次ページ:信と桓騎の関係>
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