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『だかいち』タイドラマに Shang Naプロデューサーインタビュー

「原作の魂を尊重しつつ新しい形で多くの人々に届けたい」──『抱かれたい男1位に脅されています。』が、『Top Form~抱かれたい男1位に脅されています。~』としてタイで実写ドラマ化!! 来日中のShang Naプロデューサーにインタビュー

日本でTVアニメ、劇場アニメ、舞台化と多彩なメディア展開を遂げ、累計500万部を突破した桜日梯子先生原作の大ヒット作『抱かれたい男1位に脅されています。(だかいち)』(月刊マガジンビーボーイ連載/リブレ刊)。

『だかいち』がついにタイで実写ドラマ化!アジアで高品質なエンターテインメントを提供する動画ストリーミングプラットフォーム「WeTV」と、中国のトッププロダクション「Tailai Entertainment」がタッグを組み、映像化に挑みます。主演は、新鋭俳優のスマートさん&ブームさん。『Top Form~抱かれたい男1位に脅されています。~』というタイトルで、2025年にWeTVにて配信予定です。

そこで今回は、本作のプロデューサーであり、現在来日中のShang Na氏に、実写化の舞台裏や制作のこだわりについて伺いました。

 

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キャリアの源にあったのは日本のアイドル?

──本日はインタビューのお時間をいただきありがとうございます。まず、自己紹介を簡単にお願いできますか?

Shang Naプロデューサー(以下Shang Na):私は中国出身の独立制片人(プロデューサー)で、これまで20年以上にわたりエンターテインメント業界で活動してきました。また、映画やテレビドラマの制作だけでなく、インターネットプラットフォームの運営にも関わってきました。

以前はインターネット企業でエンタメ分野の編集長を務め、その後は中国版Netflixのような動画配信サイトの編集長として働いていました。その後、独立しプロデューサーとなり、現在に至ります。

 

 

──Shang Naプロデューサーは日本との関係も深いですが、日本での作品についてもお聞かせいただけますか?

Shang Na:2018年に日本で撮影した『唐人街探案3(唐人街探偵 東京MISSION)』が最も印象深いプロジェクトです。この映画では総制片人(エグゼクティブプロデューサー)を務めました。当時、日本に1年間滞在し、日本の会社と協力をしながら、準備段階からキャスティング、撮影、ポストプロダクションまで携わりました。撮影はすごく順調でしたね。私にとっても誇りに思える作品です。

特に日本の俳優陣との共同作業がとても充実していました。例えば、浅野忠信さんや妻夫木聡さん、長澤まさみさんらと一緒に仕事をしました。

一方で、日本での撮影は挑戦が多かったです。特に東京でのロケは制限が多く、さらに私たちは大規模なアクションシーンや特殊なロケ地を必要としていました。

もともと渋谷で撮影をする予定でしたが、それは難しいとのことで、栃木県の渋谷スクランブル交差点を実物大で再現したセット(足利スクランブルシティスタジオ)で撮影したんです。このプロジェクトにはNetflixも資金協力をしてくれました。渋谷のハチ公像周辺のセットにはNetflixが費用を負担し、それ以外の部分は私たちが資金を出しました。

──日本の制作チームとどのように協力されたのでしょう?

Shang Na:準備期間はタイトでしたが、日本の制作チームはとても協力的でした。松竹や東宝といった日本の主要な映画スタジオと連携し、迅速かつ効率的にプロジェクトを進めていきました。また、日本のプロデューサーやスタッフのプロ意識の高さには感銘を受けました。

──他に日本と関わりのあるプロジェクトはありますか?

Shang Na:はい、『ドラゴン桜』の中国版である『鳴龍少年』をプロデュースしました。また、『問題餐厅』(問題のあるレストラン/问题餐厅)も中国版にリメイクしました。

日本のIPを中国で映像化するプロジェクトには、多くの可能性があると感じています。とても重要な一歩だったのではないかと、私は感じています。

 

 

──中国と日本のエンタメ業界の違いをどのように感じられますか?

Shang Na:中国と日本のエンタメ業界は、それぞれ独自の文化や市場の特徴があります。例えば、日本では企画から完成までの時間が比較的長く、細部までこだわる一方で、中国ではスピードと規模感が求められます。それぞれの強みを活かしつつ、両国の協力を深めていければと思っています。

──今後のプロジェクトについて教えていただけますか?

Shang Na:具体的な発表はまだできませんが、引き続き日本とのコラボレーションを検討しています。また、アニメや漫画IPの映像化にも力を入れていきたいと思います。

──Shang Naさんの日本のエンタメ業界に対する印象を教えていただけますか? 撮影中の印象や、ご自身の若い頃の日本エンタメへの影響など、どちらでも。

Shang Na:まず若い頃、具体的には20代前半頃に、日本のエンタメに強い影響を受けました。当時は頻繁に中国から日本に飛んで、例えば東京ドームで行われる男性アイドルのコンサートを観に行っていました。KAT-TUNの亀梨和也さんと赤西仁さんが好きだったんです。東京ドームの最前列でライブを観たこともあります。

日本に通うようになってからBLというジャンルの存在を知るようになりました。

──ライブにも熱心に通っていらっしゃったんですね。

Shang Na:写真集や抱き枕、枕カバーなど、いわゆるグッズは全部揃えていました(笑)。

 

 

──そのようなファン文化は当時の中国市場ではどのように受け入れられていましたか?

Shang Na:当時の中国では「哈日(ハーリー)」という言葉がありました。日本文化が好きな人たちを指す言葉で、二次元のアニメや漫画が主流でしたが、リアルな芸能人やドラマ、映画も小規模ながら人気がありました。ただ、韓流ほどの影響力はなかった印象はありますが、それでも日本のエンタメや文化産業は当時、アジア全体に多大な影響を与えていました。

──若い頃の日本エンタメへの情熱が今に繋がっているのですね。

Shang Na:その頃はほぼ毎日のように日本のエンタメニュースをチェックして、日本の番組や映画、ドラマを観ていました。ライブや音楽も楽しみましたが、漫画だけは読んでいません。縦書きの漫画の形式に慣れず、うまく読めなかったからです(笑)。

──香港のエンタメに影響を受けたともうかがっています。

Shang Na:日本でBLというジャンルを知る前は、香港のエンタメに夢中でした。例えば、劉徳華(アンディ・ラウ)さんと梅艷芳(アニタ・ムイ)さん、梁朝偉(トニー・レオン)さんと張曼玉(マギー・チャン)さんといった男女カップルのケミストリーが大好きでした。その後、日本のジャニーズやBL作品に目を向けるようになったんです。

──BL作品を制作しようと思ったきっかけは何でしたか?

Shang Na:ファン文化が私に与えた影響がポジティブだったことが大きいです。子どもの頃から、アンディ・ラウさんのように一生懸命働き(※)、目標を持つ生き方に憧れていました。その影響で、私自身も努力を重ねてきました。そして、BLというジャンルもまた、ファンの愛や努力が形になった文化だと感じ、制作への意欲が湧いたのです。

※アンディ・ラウさんは幼少期から俳優活動をしていて、幼い頃は睡眠時間を削りながら両親の屋台を手伝っていたというエピソードがある。

──Shang Naさんは、感情の描写について特に重きを置かれているようですが、それはどのような考えから来ているのでしょうか?

Shang Na:私が大切にしているのは、本物の感情です。それは作り物ではなく、真実の感情が伴うものです。特に、私自身の経験や価値観が深く影響しています。たとえば、アンディ・ラウさんが私の子どもの頃の偶像で、彼のように努力を重ねて成功を収める姿に強く影響を受けました。彼は歌やダンス、演技の全てにおいて最優秀というわけではありませんでしたが、努力で常にトップに立っていました。その姿勢は、私の仕事観や人生観に深く刻まれています。

 

 

──そのような背景が、BL作品や感情をテーマにした作品への関心に繋がっているのですね。

Shang Na:そうです。私は常に、自分に正の影響を与えるものからインスピレーションを受けています。そして、それを自分のモチベーションに変えて新しい挑戦を続けています。それは今も変わっていません。中国国内やタイ、そして日本で大規模な映画を撮影してきましたが、常に新しいアートやアイディアを探し続けています。

──BLというジャンルに注目されたきっかけについて教えていただけますか?

Shang Na:BLというジャンルに興味を持ったのには、いくつかの理由があります。一つは「タブー」の要素です。かつてのBL作品は、社会的なタブーや困難を背景にした関係を描くことが多く、そのタブー性が物語をより感動的なものにしていました。たとえば、『ブロークバック・マウンテン』が描いた男性同士の禁断の恋のように、禁忌の中にある愛や関係は人を強く惹きつける力があります。これはBL作品の一つの魅力だと感じています。

そして、もう一つはBLが多様で自由なジャンルである点です。BLの枠組みの中で、ファンタジー、SF、犯罪ドラマ、歴史もの、さらにはサブジャンルまで、あらゆるテーマが展開可能です。これは私が特に魅力を感じる部分で、可能性に満ちた広大なジャンルだと思っています。

当時、あまり日本の作品は読んでいなかったのですが、いちばん印象に残っているのは、木原音瀬さんの小説です。木原音瀬さんの小説は、まさにいろいろなテーマで展開していて、さまざまな世代の人たちが楽しむことができます。

──特にコロナ禍の間にBLへの関心が深まったとお聞きしましたが、その理由は何だったのでしょうか?

Shang Na:コロナ禍で私はギリシャに約1年半滞在していました。その期間、ほぼ毎日BL小説を読んでいました。BL作品には様々なジャンルが含まれ、自由度が非常に高いのです。そのため、読むたびに新たな発見がありました。この1年半の間に、私がBLジャンルでどのような作品を作りたいのかが明確になりました。特に中国ではBL小説が「愛ゆえに創作される」という熱意を持ったものが多く、そこから多くのインスピレーションを得ました。

──BL作品のどの部分が最も印象に残りますか?

Shang Na:作品によって異なりますね。例えば『抱かれたい男1位に脅されています。』は、私にとって共感できる部分が多かったです。この作品はエンターテインメント業界を舞台にしており、私はその業界の内部事情をよく知っています。プロデューサーや俳優、テレビ局の関係者など、業界特有の細かいディテールが描かれており、それがとてもリアルに感じられました。業界に身を置いている者だからこそ、深く理解できる作品だと思います。

 

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