
ふたり“らしさ”が表現された“山下大輝×畠中祐”初のコラボソング「Go ahead!」が生まれるまで。制作秘話やマインドの共通点などを聞く/山下大輝さん、畠中祐さんロングインタビュー
音楽に関するふたりのマインド、その共通点
──山下さんが「心の活力になる」とおっしゃっていましたが、畠中さんが「励まされる気持ちになる」と話されていたのも、そういう部分に関係しているのでしょうか?
畠中:そうですね。やっぱり、どんなに頑張っていても、虚勢を張っても、ボロボロになる時ってあるじゃないですか。いろいろと考えすぎてしまって、結局怖くなったり、自分で自分を止めてしまう瞬間っていうのもある。そういう時に「本当は何が好きなの? 何が楽しいの?」って自分自身に問いかけたら、やっぱりそこに向かいたい気持ちがあるんですよね。でも、現実的に物事を考える大人たちから「それはどうなの?」って言われると、不安になったりして……。
──学生時代なんかは、特にそういうことが多いですよね。ただ、もちろん年齢やライフステージに関わらず、その時々にいろいろなことがあって。
山下:うんうん。そう思います。
畠中:だからこそ、〈駄⽬だと思考が⾔っても気にするな 君が横にいれば go ahead !!〉というメッセージがすごく響く。僕もひとりでアーティスト活動をしていると、不安になることが多くて……。
山下:意外!
畠中:めちゃくちゃ不安になりますよ(笑)。どうやったら僕は、ステージでみんなを楽しませることができるのか、どうすればいいのか、すごく考えちゃうんですよ。正直。でも(バースデーライブで)ふたりで歌った時は、その不安がまったくなかったんですよね。なんだろうなあ……「ライブって楽しいよね」って思いながらも、どこかで「でもちょっと怖いかも」っていう気持ちが勝ることもあったんですけど、それが完全になくなって、「楽しい!」が勝る瞬間があったんです。本当に、心が軽やかになる感覚でしたね。
──ひとりじゃなくてふたりというのは、この曲のテーマにも重なりますね。
畠中:そうそう。この歌詞の中には、そういうものが詰まっていて。誰かと何かを共有できるって、すごく励まされることだなって改めて思いましたね。何かを一人で考え込んでしまうことはよくあるんですけど、単純に「楽しい!」って気持ちだけで乗り切れる瞬間って、実はたくさんあるんですよね。この曲の歌詞を歌っていて、そういうことに気づかされました。
──先ほど山下さんから「意外!」が飛び出していましたが、畠中さんは不安を感じることが多いんですね。
畠中:もう常に感じているかもしれないです(笑)。
山下:でも言われてみたら、常に一生懸命で、そういう瞬間があるのかなって。でも、それが良いんですよね。そういうところがあるからこそ、あれだけ全力で歌えるんじゃないかなって思いますね。
畠中:常にそんな感じです。結局、不安だからこそ頑張るし、不安だからこそ「どうしよう」って悩んでしまう。でも、そういう姿をはたから見て「頑張ってるな」って思ってくれる人がいるのは、すごくありがたいなと思いますね。
山下:全力でやれるって、めちゃくちゃ良いこと。素敵なことですよね。そうやって全力で取り組める人って、実はそこまで多くないと思うんです。
畠中:ああ……。
山下:みんな、どこかで「ここまでにしておこう」とか、「これ以上はやらなくてもいいかな」ってセーブしちゃうところがある。でも、畠中くんはそれをしない。これまでの芸歴も長いのに、今でも全力で突き進めるっていうのはやっぱりすごいことだと思います。なんか……「これだぞ?」って言いたい(笑)。
畠中:いやいや、それはもうお互い様ですよね(笑)。だって、山下さんもそうでしょ? どんなに大変でも、ステージに立ったら楽しくなっちゃうし、夢中になって打ち込んでいると、結果的に「まあいっか!」ってなる瞬間って絶対ありますよね?
山下:はい、あります(笑)。もうその瞬間「明日死んでも後悔しないように生きよう!」みたいな気持ち(笑)。全力でやっちゃうんだよね。
畠中:そう、それをはたから見てると(優しい声色で)「大丈夫?」ってなるんですよ(笑)。燃え尽きない!?みたいな気持ちに。
──畠中さんがお母さんのように(笑)。
山下:あはははは。でも、人のことは冷静に見られるけど、自分も……っていう。
畠中:そうそう(笑)。自分もそうなってる瞬間が絶対あるんですよね。でも結局、それがやりがいになってるんだよね。
山下:うんうん。そこがやりがいなんだよね!
畠中:そうなんですよ。結果的に、日常生活で抱えている不安や恐怖なんて、「結果関係ないんだけどね!」ってなるんです。楽しい!って気持ちに浸った瞬間、それまでの悩みとか全部吹っ飛ぶんですよね。
山下:そうだよね。全部、どっかになくなっちゃうもんね。
畠中:で、そういう感覚があるからこそ、何かを作るときの原動力になるし、頭で考えたものなんて結局関係なくなることが多いんですよね。
山下:常にそうありたいなとは思ってやってるところはあるかもしれない。結局、キャラクターだったり作品に僕らって引っ張ってもらってるんですよね。そのおかげだなって思います。
畠中:確かに。
山下:作品やキャラクターに携わっているときは、自分の悩みやうじうじした部分が消えて、「無敵」な気がしちゃう(笑)。お互いに同じような感覚があるんだろうなって思っています。
──“アーティスト・山下大輝”も、同じように曲に向き合っているんでしょうか。
山下:そうですね。シンプルに言うと、「アーティスト・山下大輝」っていう肩書きは、いわば名刺みたいなものだと思ってるんです。「アーティスト・山下大輝です」っていう表現はあくまで外側に見えるもの。でも、やっていること自体は、それほど変わらないんですよね。
僕が演じるキャラクターたちがいるのと同じように、楽曲もまた一つの世界として存在している。キャラクターと同じく、曲にもいろいろな顔があって。だから、歌うときも「この曲にはどんな物語があるんだろう?」って考えながら向き合ってるんです。例えば、どんな時代の話なのか、ファンタジーなのか、現代なのか……そういうことを考えるのって、キャラクターを演じるときと同じ感覚なんです。特にデジタルシングルとして出しているファンタジー系の楽曲は、その世界観を作り込んで歌う意識が強いですね。
だから……「アーティストとしての自分はどうあるべきか?」って悩んだ時期もあったんですけど、最終的には「自分が演じてきたキャラクターたちも、自分自身の一部なんだから、それを生かして歌えばいいじゃん!」って思えるようになって。すごく楽に歌える。
──つまり、「アーティスト・山下大輝」と「人間・山下大輝」は、すごく近い存在なんですね。
山下:うん、それでいいかなと思ってます。結局、僕が一番自然に歌える方法が「キャラクターを演じるように曲と向き合うこと」だったので。自分なりの歌を見つけなきゃいけない! みたいに考えていた時期もあったんですけど、それよりも「この曲のはどんな感じかな?」って考えたほうが、自由に歌えるんですよね。
──そういう向き合い方にたどり着いてからは、迷いがなくなった?
山下:そうですね。迷いがなくなりました。もちろん、技術的にはまだまだ高めたい部分はありますけど、メンタルの部分ではすごく楽になりました。だから、もし僕の歌を聴いて、「山下大輝らしいな」「すごく良い曲だな」って思ってくれたら、それはすごく嬉しいですね。
──歌を通してさまざまな挑戦をされてこられていますが、以前お話を伺ったときよりも、歌もなんだかすごく自然体な印象を受けます。そういうことも関係されているのでしょうか?
山下:ああ、確かにそうかもしれないですね。最近、いろいろな意味でレコーディングにも慣れてきたというのが大きいかもしれません。実は、ずっと“耳中”、つまりはヘッドホンの音量調節が苦手すぎて(笑)。
畠中:そうだったんだ!
山下:そう(笑)。アフレコって基本的に生の声を聞いて演じるので、録音された自分の声をヘッドホンで聴くのが最初はすごく違和感だったんです。どのくらいの音量が一番自然に聞こえるのかもよくわからなくて、いろいろ試してました。
「この音量でいいのかな?」と思って調整しても、なんか違う気がする……とか、「この設定が正解なのか? いや、やっぱり違う!」みたいな感じで(笑)。いろいろな人のアドバイスを試してみたりもしましたけど、結局しっくりこなくて。
──それが最近しっくりくるようになったんですか?
山下:そうなんです! ここ1〜2年くらいかけて、「このくらいのバランスがベストかな」っていうのがようやく見つかったんですよね。もう完全に「このぐらい」っていうのが決まってて、例えば片耳のヘッドホンを少し外すとか、音量を半分くらいにするとか……。だから、ほぼ生音に近い。結局そこに落ち着く。そしたら、すっごく歌いやすくなって。
畠中:わかるわ〜!
──山下さん、ライブのときもよくイヤモニをはずされていますよね。
山下:そう、イヤモニが苦手なんです(笑)。会場が大きすぎる場合はイヤモニをつけていないと難しいので必須なのですが、ころがし(モニタースピーカーのこと)でできるような場所では、それでやりたいなって気持ちがあります。逆の人もいるとは思うんですよね。イヤモニがあったほうがやりやすいって人も。ただ、イヤモニをすると僕は壁ができちゃう気がして……。
──畠中さんが頷かれていますが、共感するところが?
畠中:そうですね。僕も片耳を外すことがあります。もうひとつの耳のほうが半分だけ浮かしたりして、ただ俺の場合は、ダンス・ミュージックだから、完全にはずしてしまうとリズムがずれてしまう危険性があるんですよね。だから基本的にはイヤモニをつけていますね。逆にころがしで歌った経験ってないんですよね。
山下:えーっ! 意外!
畠中:だからころがしで歌ってみたい!
山下:めちゃくちゃ聴いてみたいなあ〜。絶対良いと思う。
畠中:アコースティックで歌うこともほぼないし、ずっとクリックを聴きながら踊って歌ってきたので……だから、実は舞台に立ってるときって冷静なんですよね。
山下:それはすごい、めちゃくちゃ難しいことだもん。それって、歌とはまた違う技術が必要だと思うから。
畠中:改めて気づきました。いわゆる“歌って踊る”世の中のアーティストさんたちが、あんなに軽やかに魅せられるって、めちゃくちゃすごいことだなって。化け物だよ、っていうくらい(笑)。
山下:わかる……!
──おふたりも、それこそ化け物級にめちゃくちゃすごいんですが……(笑)。
畠中:僕はまだまだですよ。アコースティックの話に戻りますが、僕はアコースティックでの山下さんの歌声がすごく好きで。カチカチっと決まっているものより、楽器と一緒に、能動的に泳げる環境で聴きたいなって。感性のまま泳いでいる、その繊細な歌声もたまらないんですよね。
山下:嬉しいなあ。
──今回の曲も、ふたりが目を合わせながら自由に歌っている姿が思い浮かびました。5月4日(日) 山下大輝 × 畠中祐 LIVE 2025 “Share”(東京・LINE CUBE SHIBUYA)も控えています。
山下:まだ細かい部分は詰めている最中なんです。いま言えることとしては「楽しみにしててください!」ということですね(笑)。でもふたりで歌う姿が想像できるというか……早く歌いたい。マジで、Dメロを皆さんに覚えてほしいです。覚えてもらえるかな?(笑) 結構歌詞の量が多いですけど……。
畠中:〈⻩昏 思い出の影 さよならいつか 頂上 ⾒渡してさ〉……結構ちゃんと歌詞ありますね(笑)。
山下:当日、MVを一分出したりしながら、何かしら皆さんが歌いやすいように工夫したいな。そこはあとで相談しようと思います(笑)。



























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