マンガ・ラノベ
「プロジェクト・クロス・コネクト」smileさん×まころんさん クリエイターインタビュー

イラストレーターの作品を投稿した小説の表紙にできる「プロジェクト・クロス・コネクト」インタビュー。smileさんとまころんさんは、どんな想いで企画に参加を決めたのか?

大きな怪我がきっかけとなりイラストの道に

――そもそも、お二人がイラストを描き始めたきっかけは何だったのでしょうか?

smileさん:実は、僕は昔は身体を動かす系の趣味が好きだったんですが、ちょっと大きめの怪我をして、趣味ができなくなっていた時期がありまして。

その時「怪我が治ったとしても、年齢を重ねていったらこういう趣味ってあまりできなくなっていくのかな」という考えがふとよぎって、歳をとってからも続けられそうな趣味はないかと、絵を書きはじめたのがきっかけなんです。

ただ、その後絵を描けるようになると、プレゼン用の企画書を作る時とか、仕事ですごく役に立つことに気づいて。段々、もう絵の道に本格的に進む方がいいんじゃないかと考えるようになって、しっかり練習の時間を確保して、本格的にイラストレーターを目指し始めました。

――となると、絵を描き始めたのは社会人になられてから?

smileさん:そうです。なのでタイミングとしてはめちゃくちゃ遅いんですよ。

絵描きの知り合いはもっと早くから描いてる人が多くて、話の中で絵の専門用語とかが出てくると理解できないことが結構あります(笑)。

――昔から絵を描いてみたかったという願望はあったんでしょうか?

smileさん:いや、それもまったくなかったんですよ。強いていうなら、大学時代にダンスをやっていたのは、ちょっとアート的な繋がりはあったかなと思いますが。実際に絵を描いた経験は、小学校や中学校の美術の授業くらいでしたね。

――まころんさんは何かきっかけに?

まころんさん:実は、自分もsmileさんとちょっと似ているところがあって。基本的にいろんなスポーツをやったり海に潜ったりするのが趣味なんですけど、きっかけになったのが中学の頃に大怪我をして、3、4年くらい運動できない足になってしまったことだったんです。

それでスポーツの道は諦めて、じゃあどうしようかとなった時、その時から絵を描くことは好きだったので、そっちでやってみようと。そこから高校も美術の専門コース、美大と進学していって、アニメの美術の道に進んだ……という経緯でした。

――怪我をきっかけに、一気にのめり込んでいく流れがすごいですね。では本格的に始めたのはその中学から?

まころんさん:そうですね。中学生での怪我を機に一気に絵の世界にのめり込みました。油絵とか水彩とか歴史的な絵の技法も好きで、自分で木を切って布を貼って、自作のキャンパスを作ったりもしてましたね(笑)。絵を飾る額縁とかも自分で作ったりしました。

――自作で……!? 絵に限らず、美術全般がお好きな感じなんでしょうか。

まころんさん:確かにそうかもしれないです。彫刻とかも好きで、今もアクセサリーとかガラスアートとかにも挑戦したりしてますし。

――そしてアニメの道に。

まころんさん:そうですね。ただ、社会人になってからは、自分で絵を描くよりもディレクション的な、人を育てる仕事が多くなってしまって。それで尚更「自分の絵が描きたい」という想いが強くなってきたところがありました。

――なるほど。確かに、現場で働きたいクリエイターの方が一度管理職に回って、やっぱり現場に戻りたくなった……みたいなのは結構聞く話です。

まころんさん:ただ、今はクリエイターとして個展とかを開かせていただいたり、いろんな経験できたのもあり、これまでの経歴を活かして、講師として人に教えるようなところもやってみたい気持ちも強くなって来ています。

――それにしても、お二人とも身体を動かされるのが好きという共通点があるんですね。

smileさん:いや、そうなんですよね。実は僕、お絵描きされる方でそういうタイプの人とお話するの初めてで。趣味が近い人がなかなかいなかったので、お話できて嬉しいんです。

まころんさん:僕は、前からsmileさんの絵はよく拝見させてもらっていたんですけど、その時からシンパシーみたいなものを感じていたんです。もしかしたら、そういうアクティブな趣味が共通しているのが影響していたのかなと思ったりもしました。

――風景画を描かれるところも共通されていると思うんですが、やっぱり風景を描く上で外に出るというのは大事なんでしょうか。

smileさん:どうなんでしょうね。僕の絵描きの友人たちはほとんど外に出ないですし(笑)。これは良い悪いじゃなく、単にタイプの違いだと僕は思ってます。

実際に外に出てインスピレーションを受けることもあることはあるんですけど、風景よりは人と話してる時とかに、不意に思いつくようなタイプなので。必ずしも外に出ないといけないみたいな感じではないです。

まころんさん:自分の場合も、旅行にいった先とかでインスピレーションを受けることは多いんですけど、景色そのものよりもそこで出会った人からの方が多いかもしれません。

あとは、本当にスポーツが好きで今もいろいろな競技をやっていまして、一応プロとして活動させていただているものもあります。

――プロ!? 今、すごい情報がさらっと出ましたが……。

まころんさん:マイナースポーツなんですけど、一応そうなっています。名義が違うので何かは言えないんですが、6年くらいやっていて、そっちの方面でもいろんな出会いがあって、色々刺激をもらっていますね。

あと、皆で遊ぶボードゲームとかも好きで、一時期は運営みたいなことをやってた時期もありました(笑)。本当にいろんなところからインスピレーションを受けているような感じですね。

――なるほど……。風景だから外の景色からだろうというのは、大分安直な発想でした(笑)。

smileさん:(笑)。絵描きってずっと家で作業する分、結構メンタルに来たりするので、そこをスポーツだったり他のことで発散したり、イラストのモチベーションにしている人は多いんじゃないかと思います。

――作品の方向ではいかがでしょうか。アニメでも漫画でも何でも良いんですが、「これはすごい」と感じたような作品はありますか?

smileさん:やっぱりすごいと思ったのはスタジオジブリの作品ですね。ただ、同じことをやったら絶対に敵わないので、近づけようとするのではなく、違った方向で勝負しようという考えは、絵を描き始めた頃から持っていました。

あと、これからは技量がものというよりは、絵を描く人間本人に価値が生まれるような時代になるだろうとも思っていたので、イラストだけではなく、自分自身のキャラクター性というか、ブランディング的なところは意識しながら活動しています。

まころんさん:自分の場合、アニメには仕事として2~30作品くらいは関わっているんですが、やっぱり自分で携わった作品は全部想い出深いです。他の方の作品だと、細田守さんとか新海誠さんの作品からは影響を受けています。

ただ、自分もsmileさんと同じで、既存の作品と同じ路線には行きたくないと思ってたりするんですけど、実際には似てると言われることも多いので、気付かない内に影響を受けている部分はたくさんあるんだろうなと思ったりもしています。

今後、ネオページはどんな未来を目指すのか

――今後、こんな絵を描きたいとか、こんな仕事をしてみたいという展望はありますか?

smileさん:ちょっと商業的な話になってしまいますが、大きいIPやタイトルに関わってみたいという想いはありますね。

イラストとしては、人間の心象風景みたいなのを描いてみたいなと。実際にはそんな景色はないんですけど、人間の中の「寂しい」という感情を具現化したらどうなるか、みたいな表現に挑戦してみたいです。

まころんさん:自分としては、旅行を通じていろいろな作品を作っていくという目標に今取り掛かっている最中でして。

去年は御蔵島っていうイルカの島にいって、実際に泳いだ場所を絵に描かせていただりたりもしたんですけど、今年はクジラを描きたいなと思っていて。実際にクジラを見たことまではあるんですけど、まだ一緒に泳いだことはないんですよ。

なので今年はクジラと一緒に泳いで、その体験を元にして絵を描きたいというのが目標ですね。

――……あまりにも話のスケールが大きすぎて、ちょっとビックリしました(笑)。

まころんさん:やっぱり相応に危険もあるらしいんですけど、それも含めて体験してみたいというか。クジラの声を実際に聞いてみたいんです。

あとは、やっぱり元々アニメに関わっていた人間なので、自分にとっての顔になるようなアニメ作品にもどんどん携わっていけたらという想いはありますね。

――それぞれがご提供されたイラストが使われるのを見てみたい、作品のジャンルはありますか?

smileさん:自分は恋愛モノでしょうか。実は自分で創作する時、恋愛を絡ませるのが恥ずかしくてほぼできてないんですよ(笑)。そこを代わりにじゃないですけど、作家さんに手伝ってもらいたいなというところはありますね。

具体的な恋愛のシーンとしては使えないと思うんですけど、キャラクターの感情的なところをすくい取ってもらって、作品全体をイメージしたような方向性で使っていただけないかなと、密かに期待しています。

まころんさん:逆に、自分は恋愛に絡めて描いたイラストが多いですね。実は、すでに表紙に使っていただいた作品もあって、そのイラストはクジラに花が刺さっているような絵なんですけど、自分としては秘めた想いに気づいた瞬間みたいな意味を込めて描いたもので、実際にも恋愛モノのジャンルで使っていただけていて。そういうのを感じ取ってもらえたかもしれないと思えたのは嬉しかったです。

あと、自分はサスペンスものも好きなんですが、そういう予想していないジャンルの作品にも使っていただけたりするのも楽しみですね。

――今後、この『クロスコネクト』というサービスが、「こんな風になって欲しい」という希望はありますか?

smileさん:今ってWEB小説がすごく流行っていますよね。WEBの中で当たり前に読めるものがメディアに出てアニメ化されるって、「自分も何者かになれるかもしれない」と思えるような、すごく夢がある素晴らしいことだなと思っていて。

ネオページも、そんな場になってくれたらすごく良いなと思いますし、自分もそのためのお手伝いが少しでもできれば良いなという気持ちを持っています。

まころんさん:サイトの知名度が上がると共に、この企画が広まっていってくれたら嬉しいですね。小説のアニメ化やマンガ化、グッズ化や舞台化だったり、いろんなメディアに展開される最初のきっかけとして、自分の表紙が使われたらすごく光栄なことだなと思っています。

――より具体的に、こういう展開があったら良いなという希望はありしますか?

smileさん:もう少し具体的なところなら、例えば銃と魔法の世界観なら、作中に出てくる銃の実物大のレプリカとか、その世界観のジオラマができたりとか。

どのくらい需要があるかのか難しいところはあると思うんですけど、サイト内で人気のある小説の世界モチーフにしたジオラマがそれぞれ作られたりすると面白いのかなと思ったりしました。

まころんさん:僕も展示会をやっているくらいなのでそういうのは好きですね。イラストだけではなく、その作品の世界を表現した展示会みたいなのがあると、より世界観の深みが増すと想います。

あとは、楽曲とかMVとかを作るのも良いと想いますし、何よりアニメ化は本当にやってみたいですね。僕自身、今でもアニメ業界に関わっているのもありますし、短編の短いものでも、何か映像を作りたいという気持ちはずっと持っています。

ネオページ担当:ありがとうございます。ご期待に答えられるように頑張ります!

――最後に、小説投稿サイトとして、ネオページはどのような位置付けを目指しているのか教えてください。

ネオページ担当:私たちの目標は、「最も面白い作品と読書体験を提供する、最高の小説創作コミュニティになること」です。これは非常に大きな挑戦ですが、それに挑んでいきたいと考えています。実現に向けて、すでに下記のような、より具体的な目標に落とし込んで達成に向け動きを進めているところです。

・現在の小説投稿サイトの枠を越え、作家と読者の交流・作品との出会いが増やせるプラットフォームの構築を目指しています。

・作家様へのサポート面では編集部としての経験や知見を活かし、作家様とともに面白い作品を生み出す「二人三脚」の姿勢を大切にしています。

・(アプリ)プロダクト面では、SNS時代にふさわしいテンポ感と高いインタラクティブ性を兼ね備えた読書体験を設計していきたいと考えています。

ぜひ、今後のネオページにもご期待ください。

――ありがとうございました。

(インタビュー・文:米澤崇史)

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