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『アクアリウムは踊らない』橙々×花守ゆみりインタビュー

『アクアリウムは踊らない』制作者・橙々さん×レトロ役・花守ゆみりさんインタビュー|レトロは最初「のじゃロリ」キャラだった!? ラストの“あの”名台詞に込められた想いとは?

「のじゃロリ」から「王子様」へと変わったレトロのキャラクター性

──レトロのキャラクター性は、どのように固まっていったのでしょうか。

橙々:実は、当初は中性的な女性ではなく、実年齢100歳くらいの、いわゆる「のじゃロリ」口調の小さな女の子にしようと考えていたんです。

ただ、相方のスーズが結構“抜けてる”性格なので、彼女に合わせるとふわふわしすぎてしまうなと思って。スーズと正反対の、パキッとした印象のキャラクターを入れたいと思ったのが始まりですね。

──今のレトロとはかなりイメージが違いますね。そこからどのように今のキャラクターに?

橙々:王子様的なイメージは初期の方から固まっていて、頼りがいはあるけど不器用なキャラクターにしようと思っていました。スーズも不器用ではあるんですけど、より不器用な人と組み合わせることで、良い化学反応が生まれるのではないかという狙いもありました。

──レトロの正体は「打ち上げられたサメ」ですが、この着想はどのようにして生まれたのでしょうか?

橙々:私自身、擬人化モノが大好きでして(笑)。頼りがいがあって、強くてカッコいいというところで、サメという存在がまず浮かんで、そこに不器用というギャップを合わせるのはどうか、という発想で思いついたキャラクターでした。

サメは、やはり有名映画の影響もあって、ホラーだと恐ろしい存在として描かれがちだと思うんです。そのイメージとは正反対のキャラクター性にすることで、さらにギャップを表現したいという狙いもありましたね。

──ところで、本作のキャッチコピーにもなっているほど、橙々さんがホラーが苦手という話はよく知られていますが、花守さんはホラーは平気なタイプですか?

花守:ゲーム実況の話から少し察されているかもしれないのですが……(笑)。見るのは好き、でも、自分の手で動かしたり体験するのは苦手……というタイプです。

実際のお化け屋敷に入るのは無理なのですが、お化け屋敷を題材にした映画やビデオであれば見られます(笑)。

──よく分かります。見るだけなら平気だけど……と。

花守:ホラーが好きなのか嫌いなのか、よく分からないんですよね。前に友だちの家に行った時、友だちにホラーゲームをプレイさせて、その横で画面を見て楽しむという、とても厄介な存在になったりしていました(笑)。

……先生、良かったら今度私の隣でホラーゲームやりませんか? 私が隣でリアクションを担当するので!

橙々:いやいや! そこは一緒にやりましょう!(笑) 絶対私の方が苦手だと思うから……。

花守:私、「次あそこの角から出るよ!」みたいなリアクションだけやってたいです。

橙々:であれば、二人でリアクション役をして、誰かプレイしてくださる方を募集する形で……(笑)。

──肝心のプレイ担当がいない状態に(笑)。「自分の手で動かしたり体験するのは苦手」というと、役を演じる時は?

花守:キャラクターは自分とはまた別ですし、「ホラーを体験するのが苦手な自分」が入らないように壁を作ったりするのもあって、怖くはないですね。例えば、先程お話させていただいた、スーズに本当のことを言いたくても言えないという葛藤を抱えているレトロと、それに納得して共感している自分はまた別なので、どのようなキャラクターでも、その切り分けは意識してやっています。

ホラー作品の場合、同じ「怖い」でも、俯瞰視点で見ている自分自身と、作品の中にいる子が感じている怖さは、別物として認識しています。

──キャラクターというフィルターが挟まることで、より冷静になれる、のようなイメージでしょうか。

花守:そうですね。自分が苦手としていることやできることは、キャラクターとはまた別なので、その違いがフィルターのような役割をしてくれているのかもしれません。

──花守さんは、レトロのように中性的でカッコいい系の役を演じられることも多い印象がありますが、以前はかわいらしい系統の役のイメージが強かったように思います。そうした“カッコいい系”の声も演じられると感じた、ご自身の中での転機やタイミングがあれば教えてください。

花守:実は10代の頃、大先輩の高乃麗さんに声優としての指導をしていただいていた時期があり、そのレッスンの時に「声域自体は高いところにはあるけど、話し方だったり節々から出るものは少年に近い」というお話をいただいたことがあったんです。

もちろん、年齢を重ねることで声質が変化していくというのはあるのですが、そのときに高乃さんからいただいたお話が印象に残っていて。ちょうど、そういった役柄を少しずついただくようになった時期でもあったので、「もしかしたら、ここが転機なのかも」と感じるようになりました。

実際に、その後あたりからオーディションでも、そうした系統の役を振られる機会がどんどん増えていったんです。

気づいたらそうなっていたという部分もあるのですが、このような予感が先にあったので、20歳くらいの頃には、「そういうお芝居もできるようにならないといけないんだ」という意識が、ずっとあったように思います。

──最後に、花守さんから『アクおど』ファンへのメッセージをお願いします。

花守:今回、レトロという役を通して『アクおど』に携わらせていただき、綺麗で、怖くて、愛おしい世界が、より一層私にとっての宝物になったと感じています。

声がつく前にゲームをプレイされていた方が抱いた感動や愛おしさを、決して損なうことのないように、キャスト一同、心を込めて声を吹き込ませていただきました。新たな『アクおど』の風景を、皆さんにお届けできればと思っています。

その一方で、皆さまが変わらずにあってほしいと願う『アクおど』の魅力はしっかりと受け継がれており、今回初めてプレイされる方にも、これまで愛してくださった方にも楽しんでいただけるコンシューマー版に仕上がっているかと思います。

これからも『アクおど』を、どうぞよろしくお願いいたします。

【インタビュー・文:米澤崇史】

『アクアリウムは踊らない』作品情報

タイトル名:アクアリウムは踊らない
ジャンル:謎解きアドベンチャーホラーゲーム
プラットフォーム:Nintendo Switch™ / Steam®
Nintendo Switch / Steam ダウンロード版発売日:2025年8月1日(金)
Nintendo Switch パッケージ版発売日:2025年10月30日(木)
価格:
【ダウンロード版】2,200円(税込)
【パッケージ版】4,950円(税込)
販売形態:ダウンロード版、パッケージ版
CERO:「C」(15才以上対象)
プレイ人数:1人用
対応言語:日本語、英語、韓国語、中国語(簡体字・繁体字)
原作:橙々
開発:Gotcha Gotcha Games、フロンティアワークス
パブリッシャー:フロンティアワークス

『アクアリウムは踊らない』Nintendo Switch / Steam版 PV


Nintendo Switch・Nintendo Switchのロゴは任天堂の商標です
©2025 Valve Corporation. SteamおよびSteamロゴは、米国および/またはその他の国のValve Corporationの商標および/または登録商標です

Information

『アクアリウムは踊らない』公式サイト
『アクアリウムは踊らない』公式X
制作者・橙々 公式X

(C)daidaisan,Frontier Works,Gotcha Gotcha Games,2025
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