
カップリング曲「夏の夜の夢」は“夏休みにつぶやく戯言(たわごと)”!? ぜひこの夏に聴いて、共感してほしい|『異世界黙示録マイノグーラ』ED主題歌「more than W」発売記念・寺島拓篤さんインタビュー【後編】
お気に入りポイントは、サビにうまくハマった「Digi-dum」
──ステージで歌った時、かなり苦労されたとおっしゃっていましたが、ということはレコーディングも?
寺島:歌詞を書いている時からずっとつかめなくて、レコーディング中もクリック(リズムを外さないためのガイドで刻まれる音)を結構大きめにしました。普段は入れないんですが、ズラさないように聴きつつ、でもこの曲が持っているふわっとした感じもちゃんと乗せていくにはどうしたらいいかなと考えた結果、日本語のパキパキした感じではなく、少し崩して流れを汲んでいく英語っぽい歌い方になりました。
──Shinnosukeさんには、どのようにオーダーされたのですか?
寺島:「夏っぽくて、チルっぽい感じなんだけど、ノレる曲がいいな」とディレクターに話したら「それならShinnosukeさんがいいんじゃない?」ということで、お願いしました。そして追加で「ゲームの要素もお願いします」と。でも僕からは直接お話しはしていなくて、レコーディングでもお会いできなくて。「久しぶりに会いたかったな」とちょっと残念でした。
──直接話さないで、そのオーダーだけでこんな良い楽曲が上がってくるのは、寺島さんをよく知っていて、信頼感があるからなんでしょうね。
寺島:それはお互いよくわかっていると思いますが、それにしても「すごい曲がきたな」と。制作中は必死でしたが、終わって振り返ったり、こうやってお話ししていると「とんでもない曲だな」と改めて思いました。
──この曲のお気に入りポイントを教えてください。
寺島:サビの折り返しの「Digi-dum」です。「オノマトペ(擬音語や擬声語の総称)」っぽい英語ってどんなものがあるのか、「ツクタン」など口で言うのは簡単だけど、歌詞にしたらどうなるんだろう?と思って探したら、「Digi-dum」を見つけて。うまくハマったので、個人的には「やった!」とすごく嬉しかったです。
あと、曲頭の「4:00AM」から始まるところも曲と想起される時間帯のハマり具合がうまくいったなと思えて、僕にとっての満足ポイントです。
──今、寺島さんには家族がいますが、この曲のようなことはできますか?
寺島:無理です!そういう哀愁も少し出てしまっているのかも(笑)。社会人として働きながら家族と過ごせる今も最高だけど、もう手に入らないものだからこそ欲しくなる瞬間があります。もしかしたら50代、60代くらいになったら子供も巣立って、こんな生活ができるのかもしれないけど。
でも家庭を持って、子供もいて、40代になった今もあの頃と変わらないオタク的なメンタリティーはまったく衰えないので、しばらくしたら戻れるんじゃないかなという気持ちもあって。そんな時が来て、この曲を聴いて「良い歌詞書いたな」と思えたらいいですね。僕にとって、タイムカプセルみたいな曲なのかなと思いました。
ソロデビュー時から変わらないオタク魂。これからも曲を通して宝探しのワクワクを!
──シングルCDのリリースは2021年8月発売の「Reincarnate」以来ですが、寺島さんのシングルは、表題曲はもちろんカップリング曲がいつも楽しみで。表題曲やタイアップ作品と地続きになっている曲もあれば、少し変わった視点の曲があったりするので、やっぱりCDで聴きたいんですよね。なので今回、待った甲斐がありました。
寺島:すごく嬉しいです! カップリング曲やアルバム用の新曲は遊びどころというか、自分の評判や売れる売れないなどを考えないで、自分の趣味や思い付きで作れる枠だと思っていて。今回も楽しみながら作れた感じが出せたかなと思っています。
──そもそも10年以上ソロ活動をしていて、1st EPが去年9月というのも信じられませんでした。
寺島:以前からコンセプトミニアルバムを作ってみたいなと思いつつも、そんな贅沢を言っていいのかなという気持ちもあって。去年はシングルをリリースするタイミングがなかったので、「ここで出そう」とリリースすることができました。コンセプトでぎゅっとまとめるおもしろさを実感してしまったので、(ディレクターのほうをチラっと見て)またやりたいなと思っています。
──寺島さんがソロアーティストとしてデビューした時から何も変わらないんですよね。いい意味で成長も変化も感じなくて。
寺島:本当にそうだと思います(笑)。今までずっとインタビューしてくださっている方にそう言ってもらえると、変わっていないことが果たしていいのか、悪いのかわかりませんが、変わらないものを持ち続けているということは、ここまで来たらむしろ価値があると自分でも自覚しているので、このままいけたらいいですね。
──きっと50代、60代になっても変わらないと思いますよ。
寺島:周りにいる作り手のおじさんたちが結構そうなんですよ。僕が観て楽しんでいたものを作っていた憧れの人と今、一緒に仕事や趣味で繋がることができて。そのおじさんたちとお酒を飲みに行って「俺が好きなものを作っていた人たちって、ずっと変わらない想いで作っているんだな」と知ることで、自分がそちら側にいられるのがすごく嬉しくて。
これからも変わらずにいたいなと思いますし、変わらない自分をほめてあげたいです。僕のファンの人や僕を知ってくれる人に「オタクは楽しいんだよ」と伝えていけたらいいなとすら思っています。
──最初はオタクでも、この業界で働くうちに「仕事」になって、オタク的な気持ちや見方が薄れることもあると思います。でも寺島さんの楽曲はタイアップもそうでなくても、自分が好きなものへの深い愛情と凝り具合、オタクである自分への誇りを感じるほど、いつも頭も労力もフル回転していて、やり切っていると思えるのはデビュー時も今も変わりません。
寺島:ありがとうございます。自分でも「これでいいじゃん」と思うこともありますが、「こんなにすっとハマるわけないじゃん!」みたいにどこかで自分を疑っていて。「もっともっとこだわれよ!」と自分を叱咤激励する熱さが湧いてくるんです。
この年齢になったら「じゃあそれで」といけそうな肩の力の抜け具合もあると思うけど、どこかで踏ん張ってしまう自分がいるのは、オタクであることが自分の中で相当大きな比重を占めていることを改めて感じます。
──そんな寺島さんだからこそ、アニメやゲームの制作サイドも安心してタイアップを任せられるし、原作やアニメファンの方が共感したり、納得できるのではないでしょうか。
寺島:きっとそうだと思うし、そうあってほしいですね。タイアップの曲を聴いて「コイツ~!」とか「ニクいことするな」と思われたくて歌詞を書いたり、曲を作っているというよりは、自分で歌詞を書いていて、「ニクいことするね」と思ったり、考えたり想像する時間が楽しくて。そのオタク感というのはアニメ業界でやっていく上で、とてもとても大事にしていきたいし、オタク感も世代と共に変わっていっていると思うけど、どんどん掘り下げていったところに「あった!宝物!」みたいな発見がある冒険や探索をこれからも続けていきたいです。



















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