カップリング曲「夏の夜の夢」は“夏休みにつぶやく戯言（たわごと）”!?　ぜひこの夏に聴いて、共感してほしい｜『異世界黙示録マイノグーラ』ED主題歌「more than W」発売記念・寺島拓篤さんインタビュー【後編】

憧れの日比谷野音のステージに立つことができた「おれパラ2025 夏場所」を振り返る

──前編でも少し触れましたが、7月5日に行った「おれパラ2025 夏場所」を振り返った感想をお聞かせください。

寺島：「野音最高だな。やっぱり好き！」に尽きます。僕は野外のライブへの憧れも強くあって、2020年にコニファーフォレストで「おれサマー」をやらせていただいたり、2014年の「ランティス祭り」のナガシマスパーランド芝生広場でのライブに参加させていただきましたが、「おれパラ2025 夏場所」は小野大輔さん、鈴村健一さん、森久保祥太郎さんと僕の「おれパラ」メンバーの4人だけでやらせていただいたこともあって、未知の感覚で。

当日、現場に入っても楽屋から見える外の景色やステージ脇から見える抜けた空など「やっぱりいいな」と思いました。僕は日比谷野外音楽堂にも憧れがあったので、4人でステージに立ててすごく嬉しかったし、当日、晴れたことも嬉しかったです。2週間前から天気予報を見ていても雨予報で、僕と鈴村さんは晴れ男、小野さんと森久保さんは雨男で分かれていたんですが、今回は僕も鈴村さんも負けを覚悟しました。でも日を追うごとに予報が晴れになって、当日もすっかり晴れて。水鉄砲も気持ちよく撃てて、最高でした。

──日比谷野音は去年改修工事に入る予定でしたが、延期されたことで今回実現できたことも奇跡的ですね。

寺島：そうなんです！そういう不思議な力を持っているな、というのは2023年に中野サンプラザでやれた時にも感じました。2008年のライブの時は、僕はまだ参加していませんでしたが、中野サンプラザの改修前のサヨナラ公演の一環で「おれパラ」始まりの地に後続のホストとして立てたことはすごく嬉しかったです。今回の日比谷野音も、「おれパラ」のみんなで初めて乗り込むステージにそういうきっかけで上がれたことは、もはや縁や運命的なものを感じずにはいられませんでした。

──今まで「おれパラ」として立った野外ステージはどれも大きかったので、約3千人のキャパシティの会場は貴重で、見られなかった方も多かったと思います。それでも音漏れを聴きに来た人もいるのでは？

寺島：そうかもしれませんね。野外のいいところは会場に入れなかった人にも歌や音楽を届けられるし、「おれパラ」のいい宣伝になったかなとも思います（笑）。

あとおもしろかったのは、楽屋でステージの様子を見た時と、実際にステージに立って見たサイズ感が3倍くらい違って感じて。配信だとコニファーフォレストくらいの大きさに見えて、「1万人くらい入っているんじゃない？」と思うけど、実際にステージに立つと意外と近い距離感で、お祭りのステージくらいの感じで、その近さがとても心地よかったんです。なので、実際に会場にいらした方と配信で視聴された方では印象がだいぶ違うのではないでしょうか。とにかく、またやりたいなと思いました。

──では改修が終わった時は、こけら落とし公演で。

寺島：できたらいいですね。「おれパラ」でもソロでもどちらかで実現できたらいいですね。でも真夏にやるのはちょっと考えたほうががいいなと思いました。僕たちがというよりも来てくださる皆さんのことを考えると真夏にやるのは難しいかなと。

──では11～12月とか2～3月にやるのも手かもしれませんよ。実際に日比谷野外音楽堂で冬にライブをしたアーティストもいるので。

寺島：それはすごいですね!?　でも理想は10月なんでしょうね。何度でもおかわりしたくなるくらい、いい会場でした。

──そして毎年、冬の風物詩となっている冬の「おれパラ」は？

寺島：今は「冬は何をしようかな？」と考えている段階で、詳しく決まっていることもお話しできることもまだなくて。でも「おれパラ」として何かおもしろいものを届けようという想いはずっと大切にしているので、発表まで楽しみにしていてください。

「夏の夜の夢」はぜひこの夏に聴いて、共感してほしい

──10月5日（日）にはシングル発売記念イベントが開催されますが、どんな内容になりそうですか？

寺島：告知している内容以外としては、このインタビューでお話ししたような「more than W」についてのお話をできたらいいなと思っています。

──毎回インタビューするたびに、新しいことを教えてもらってオタク知識を蓄えていますが、ファンの皆さんもそんな感じなんでしょうね。それか寺島さんと同じレベル、もしくはそれ以上なのかもしれません。

寺島：僕の熱いオタク魂をたっぷり込めてお話しさせていただきます。

──では歌詞カードを持参して説明を聞くとしましょうか？

寺島：それでは怪しいオタク集会になってしまいます（笑）。でもイベントに来てくださる方は、僕がオタクであることを受け入れてくださる方だと信じていますので（笑）、楽しいお話ができるかなと思って、僕も楽しみにしています。

──最後に、皆さんへメッセージをお願いします。

寺島：今回『異世界黙示録マイノグーラ』という新しい世界に音楽で関わらせていただくことができて光栄ですし、ビジュアル面でもサウンド面でも今までの自分になかったものを得ることができました。

僕の音楽を普段聴いてくださっている方にはきっと楽しんでもらえると思っていますし、僕が書いた歌詞も作品の世界に寄り添って、いろいろなエッセンスを散りばめていますので、アニメや原作ファンの方も聴けば聴くほど、新たな発見があったり、違う視点で作品が見えてくると思います。『異世界黙示録マイノグーラ』をぜひ最後まで視聴していただきつつ、「more than W」に僕が込めた想いや意図をたっぷり受け取ってください。

そしてカップリング曲は、できることなら今年の夏の間に聴いてほしいです。この曲の雰囲気を感じたり、一緒に共感できるのは今が絶好の時期ですよ！この夏を逃したら次は来年ですよ！……などと言いつつも、冬に聴く「夏の夜の夢」も格別だと思います。

夏休みの儚さを感じながら、あなたにこの言葉を送ります。「Wish summer vacation would never end.」