音楽
寺島拓篤「more than W」発売記念インタビュー【後編】

カップリング曲「夏の夜の夢」は“夏休みにつぶやく戯言(たわごと)”!? ぜひこの夏に聴いて、共感してほしい|『異世界黙示録マイノグーラ』ED主題歌「more than W」発売記念・寺島拓篤さんインタビュー【後編】

2025年7月より放送中のTVアニメ『異世界黙示録マイノグーラ~破滅の文明で始める世界征服~』。

本作のED主題歌であり、寺島拓篤さんの約2年ぶりとなるシングル「more than W」が8月27日(水)に発売となります。

今回、シングルのリリースを記念し、寺島さんにインタビューを実施! 歌詞に込めた想いや、レコーディング時のエピソードなどを前後編に分けてお届け中です。

後編では、カップリング曲「夏の夜の夢」の制作秘話や、7月5日(土)に開催された「Original Entertainment Paradise -おれパラ- 2025 夏場所」(以下、「おれパラ2025 夏場所」)の感想などを伺いました。

 

前編はこちら

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2025年7月より放送中のTVアニメ『異世界黙示録マイノグーラ~破滅の文明で始める世界征服~』。本作のED主題歌であり、寺島拓篤さんの約2年ぶりとなるシングル「morethanW」が8月27日(水)に発売となります。今回、シングルのリリースを記念し、寺島さんにインタビューを実施! 歌詞に込めた想いや、レコーディング時のエピソードなどを前後編に分けてお届けします。前編では、表題曲「morethanW」の制作秘話を中心に語っていただきました。  『異世界黙示録マイノグーラ』は、ダークさとコミカルさのバランスが絶妙な作品──『異世界黙示録マイノグーラ~破滅の文明で始める世界征服~』の原作やアニメをご覧になった感想をお聞かせください。寺島拓篤さん(以下、寺島):まず原作を読んだ時、主人公の拓斗が「邪悪な文明と国家を作ろう」としていることで、ヒールっぽい設定やダークな雰囲気になるのかなと思いきや、そういった部分を織り込みながらも、ライトかつコミカルに拓斗と仲間たちの会話が展開されていて。真逆に位置するものをうまいバランスで配合しているのが絶妙で、おもしろいなと思いました。それをアニメでどう描くのだろうと興味深くもあり、楽しみでした。(取材時点では)...

 

カップリング曲「夏の夜の夢」は、夏休みにつぶやく戯言(たわごと)!?

──カップリング曲「夏の夜の夢」は、シェイクスピアの戯曲のタイトルでもあり、サウンドもおしゃれ感やクラブっぽい心地よさがありますが、一言で言うと「学生の夏休みにつぶやく戯言(たわごと)」ですよね?

寺島:大正解です!今のキャッチフレーズは完璧です!いつもタイアップ曲を担当させていただく時のカップリングは、リード曲で歌っているアニメのエッセンスを持ってくるようにしていますが、今回は「ゲーム」をテーマにしようと思って。このシングルは夏の発売ですし、発表直後に「おれパラ2025 夏場所」もあったので、「夏の曲にしたいな。ゲームで夏か」と思ったら、夏休みに何も考えないでずっと夜中までゲームをやっている思い出が浮かんできて。「楽しかったな」というその思い出だけで書きました。

聴いて「ん!?」と気付かれるか、気付かれないかくらいですが、日本語も少し崩しているので、「英語?それとも……」と歌詞カードを見ずに聴いているとわからないようにして、おもしろいものになればと思って作りました。

──夜中に友人と飲んでいたり、麻雀しながら会話していると時空が歪んできて、何をしゃべっているのかわからなくなる時がありますが、曲頭の「4:00 AM 夜とも朝ともいえない」がまさにそんな時間で。クラブっぽい浮遊感があるサウンド感もピッタリです。

寺島:このイントロからの流れってすごいんです!「おれパラ2025 夏場所」で歌った時に劇的に難しかったのは、リズムと上もの(メロディーとボーカル以外の音)が裏表、逆の拍になっていて。バンドチームとも「これ、難しくない?」と話していたくらいでしたが、精一杯歌いました。

この「何だこれ!?」というふわっとした酩酊状態、あるいはまどろみ状態のぼんやり感が冒頭から感じられたので、「4:00AM」というワードはすぐに浮かんできました。朝の4時ってすごく大事な時間なんですよね。誰しも思い出がよみがえってくる時間帯だと思うので、この入りはすごく気に入っています。

──音のおしゃれ感や英詞でカッコいいなと錯覚してしまいますが、ただ徹夜でゲームしていることを歌っているだけなんですよね。

寺島:そうです(笑)。でもこの曲も英語がきれいにハマるんですよね。

──しかも歌詞に「伝説へ」など有名ゲームのタイトルっぽい言葉も入っていて。

寺島:気付きましたか?実はちょこちょこゲームの名作を想起させるフレーズが入っていますが、どこにどう入れようか、画策しながら書きました。「世間で言われている名作ゲームって何かな?」と考えるところから始めて、僕の学生時代や子供時代までにさかのぼって、何も考えずにゲームを楽しんでいた頃のイメ-ジで作りたかったので、懐かしい感じのゲームをあえて入れました。

──でも歌詞を見て、寺島さんの学生の頃とは違うんじゃないかなと思ったのは「今じゃ冷暖房完備 快適 all the time」です。今でこそ当たり前ですが、当時はエアコンがある家庭も珍しかったのでは?

寺島:確かに子供の頃は部屋に扇風機があったくらいで、エアコンではありませんでした。今はエアコンなしでは厳しいですが、僕は夏の暑さが好きなので、子供の頃を思い出すと、汗だくになりながらゲームをしたり、だらだらしていたので、その時の雰囲気が盛り込めたらいいなと。

 

 

──あと一人のはずなのに、誰かに語っているような。相手はゲームのキャラクターなのかわかりませんけど。

寺島:部屋にいるのでクローズドのはずなのに、話す対象がいたり、世界が広がっていたりするのは、ゲームを一人でやっている時特有の感覚だと思うんですよね。

 

おしゃれなテクノポップに電子音も加えて、一人で陶酔している時間に聴ける曲

──浮遊感がある、おしゃれなテクノポップっぽい曲ですが、随所に電子音が入っているのもおもしろいですね。

寺島:あのゲームっぽい音はデモの段階では入っていませんでしたが、ゲームをテーマにしたかったので、「聴いて一発でピンとくるようなサウンド、チップチューン(80年代のTVゲームに使われていた音声チップを用いた曲)に繋がる音を入れてほしいです」とお願いしました。

──内容的にも音色的にも、今年の夏の明け方までゲームや仕事をしている傍らで流したい曲です。何度もリピートで。

寺島:ちょっとハイになっているタイミングで聴くといいかもしれませんね。個人的にはPerfumeの「ワンルームディスコ」感があるというか、一人で陶酔している時間に聴ける、良い曲だと思っています。

──ただ、シングルの発売が8月27日ということは、大学生や専門学生はともかく、小中高の学生さんはこんな気分では聴けないかも。

寺島:「ゲームやってる場合じゃない!早く宿題やらなきゃ!」と切羽詰まっている時期ですよね。そういう意味では悪魔的な曲でもあるかも(笑)。

でも僕ら大人にとっては「こういう時があったな。良かったな」と。年代が近い声優の人と最近よく話すんですが、ちょっと懐古主義というか、「あの頃良かったね」の気持ちが強すぎて。今も最高に幸せなはずなのに、今とは違う価値観や感覚、センスで生きていた「あの頃」は今ではもう手に入らないものなので、美化されているところがあって。なので形にしておこうと思い立ったんです。

──懐かしさや郷愁を感じさせる曲は、ふるさとの景色や家族との思い出などを歌っているものが多いですが、こういう視点で懐かしさを感じさせられるのは寺島さんならではです。

寺島:ありがとうございます。サウンドも気持ちよくて、ノレるけど過去を思い出してちょっぴり切なくなるという、とても不思議な曲になりました。

 

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