【今週の『ONE PIECE』の話題は？】ロックスが語ったデービーの意志とは？ “Dの意志”や“ジョイボーイ”との関係に注目＜1164話＞

海賊王を目指し海へ出た主人公モンキー・D・ルフィとその仲間たちの活躍を描く、週刊少年ジャンプで連載中の漫画『ONE PIECE』（原作：尾田栄一郎氏）。

未知の島の心躍る冒険や強敵との痛快なバトルを通して仲間たちと絆を深め強く成長していく様は、まさにジャンプの三大原則「友情・努力・勝利」のど真ん中。その一方で、消された歴史や差別・奴隷制度などをめぐる世界の闇をも緻密な伏線と壮大な世界観で描き出す本作は、最終章へ突入した連載28年目の現在も怒涛の展開で読者の心を掴んで離しません。

11月4日（火）発売の週刊少年ジャンプに掲載された『ONE PIECE』第1164話“デービーの血”では、ロックスに異変が……！ デービー・ジョーンズにまつわる新情報も登場し話題となっています。本記事では、SNSでの反響とともに、最新話のポイントを振り返っていきます。

　
※本記事には『ONE PIECE』最新話（第1164話）のネタバレを含みます。コミックス派やアニメ派の方等、ジャンプ未読の方はご注意ください。

デービー・ジョーンズの正体が判明？ Dの意志との関係は

イム様に「黒点支配（ドミ・リバーシ）」されてしまったものの、なんとか自我を保つさすがのロックス。

そしてロックスは、デービー・D・ジョーンズについて語りはじめます。彼いわく、デービー・D・ジョーンズは「かつての“世界の王”の名」なのだそう。受け継がれるデービーの意志はいつか「約束」を果たしに来るらしい。

イム様はすかさず「あいつが王だった事など一瞬たりともない！！！」と反論していますが、つまるところイム様にとってデービー・D・ジョーンズとは、空白の100にかかわる因縁の相手であるようです。

空白の100年に関連する「世界の王」「デービーの意志」「約束」は、素直に考えるならば、それぞれ「ある巨大な王国」「Dの意志」「ジョイボーイの約束」と対応しているように感じられます。

ある巨大な王国の王で、Dの意志の祖となり、「約束」をした人物がデービー・D・ジョーンズ。ある巨大な王国に生きた人物で、Dの意志を伝えるべく海賊として旅をし、「約束」を果たせなかった人物がジョイボーイ。そんな仮説も考えられそうですよね。

そもそもデービー・D・ジョーンズとジョイボーイがどんな関係だったのかという疑問も浮かんできますが、両者は目的を同じくする同志だったのでしょうか。もし本当に“王”と“海賊”であったのなら、ハラルドとロックスのような友情で結ばれていたのかもしれません。

デービーの意志とDの意志がイコールで繋がるのかどうかも気になるところですが、デービー・D・ジョーンズがイム様支配以前の世界の王だったなら、その意志を残すことに賛同したネフェルタリ家をはじめとした当時の人々が名前に“D”を入れることで現代まで伝えてきたのでしょうか。

となると、Dの意志の直系はティーチ（黒ひげ）ということに。デービーの意志（血）を継ぐのがティーチ、ジョイボーイ（血縁にかかわらない広義のDの意志）を継ぐのがルフィというのは運命的な構図です。

本来ならティーチとルフィの2人は、イム様打倒のために手を取り合うべき関係と言えるのかも。

今回明かされたデービー・D・ジョーンズの情報については、SNSでもさまざまな意見が飛び交っています。

とくに、「デービーの意志とDの意志は別物な気がする」「デービーとジョイボーイとイムがそれぞれ対立してた可能性もあるか」「デービー・D・ジョーンズとジョイボーイは仲間だったのかな」「デービーの意志は血縁、Dの意志は血縁関係なく、思想に賛同した者同士？」など、デービーの意志とDの意志がそれぞれ別の意味を持つものだと考える読者も多いようです。

たしかに、デービー・D・ジョーンズの名前に「デービー」「D」どちらも入っている点から考えても、デービーとDはそれぞれ内容の違う“意志”である可能性は否めません。

悪魔化していくロックスに「死ぬな！！」「大好きなのに…」

「黒点支配（ドミ・リバーシ）」になんとか耐えていたロックスでしたが、イム様からハラルドへの支配をチラつかされ、動揺した隙を突かれてしまいます。

この窮地にもハラルドのことを想うロックスが切なく、ハラルドとの友情は奇妙でも本物だったのだと感じさせられるシーンでした。

ついに悪魔化してしまったロックスは、自我のコントロールを失い仲間であるカイドウ、リンリン（ビッグ・マム）を襲います。見かけたニューゲート（白ひげ）がロックスに立ちはだかります。

「てめェ何を」「味方に何やってんだ！！」と驚くカイドウとリンリン、険しい表情を浮かべつつも薙刀を使わずおさえるニューゲート。それぞれロックスの暴走に驚きつつも、仲間として培ってきた絆があることを感じさせる言動がこれまた切ない……。

とくに、ロックス海賊団二番手としての責任を持って船長を討つ覚悟を決めたかのようなニューゲートの様子には心が締め付けられるようでした。いつもロックスのツケで飲んでいるからとこの戦いに参加することにした矢先、こんなロックスの姿を見ることになったニューゲート自身もきっと苦しかったでしょう。

さらに守るべきエリスとティーチをも襲いかけたロックスは、まだ微かに残る自我でロジャーとガープに「おれを殺してくれ…！！」と涙ながらに頼みます。

当初は「ロックス海賊団では仲間殺しが横行していた」などの噂から破天荒で極悪な海賊だと予想されていましたが、じつは夢と信念を持ち妻子のために命を賭けるような熱い男だったロックス。この回想が進むごとにロックスの魅力が明かされ読者からの支持も高まっていきました。

それだけに、ロックスが夢半ばで悪魔化し仲間や妻子を襲う結末にSNSでは悲しみの声が続々。「読者みんなロックスのこと大好きになっちゃったところでこれはキツい」「完全に“シテ…コロシテ…”じゃん、つらい」「ロックス死ぬな！！！」「ロックス主人公すぎるよ…こんな終わりは悔しい」といったコメントが集まっています。

ワノ国でサンジがゾロに「お前がおれを殺せ」と頼んだときしかり、ロックスもせめて互いの力を認め合うライバルであるロジャーとガープに殺してもらおうと考えたのでしょうか。ロックス自身の悔しさは想像するまでもありませんが、その海賊らしい心意気は自我を失ってもなお変わらないようです。

そしてもしかすると、エルバフでハラルドが殺害されたときも、今回だけ同じような状況が展開されていたのかもしれません。

くまはティーチの命も救っていた

悪魔化し己を制御しきれなくなったロックスは、いちばん守りたかった妻子にも襲いかかろうとします。

その瞬間、なんとくまがニキュニキュの実の能力を使ってエリスとティーチをゴッドバレーから逃していたことが判明しました。

つまり、くまはその人生においてティーチとルフィ両者の命を救っていたということ。デービーとジョイボーイの意志を現代まで繋いだ張本人とも言えるかもしれません。くまがいなければ、彼らの意志は途絶えていたはず。まさに、解放の戦士ニカのようなヒーローですね。

ゴッドバレー事件後のエリスとティーチは、くまの手によって一度ソルべ王国へ渡ったということになるでしょう。

ここで生きながらえたはずのエリスですが、なぜその後ティーチは孤児となってしまったのでしょうか。親子のその後の動向も気になります。

そして、現在のティーチはロックスが成そうとしたことをどう思っているのか？どこまで知っているのか？　ニューゲートを裏切ったり、ガープを襲ったりとロックスと縁のあった者たちとも平気で敵対しているところをみると、あまり父へのリスペクトは持っていないようにも感じられますが……。つらい生い立ちを背負うことになった立場だからこそ、父とは違うやり方でイム様へのリベンジを狙っている可能性も考えられるかもしれませんね。

次回はいよいよセンゴクが語ったロックスvsロジャー、ガープの実情が明らかとなりそうです。

　
[文/まりも]