
「この作品をきっかけにいつか未来で出会いたい」──『劇場版プロジェクトセカイ 壊れたセカイと歌えないミク』Blu-ray発売記念 星乃 一歌役・野口瑠璃子さん×天馬 司役・廣瀬大介さん×ボカロP・じんさんインタビュー
「『プロセカ』ってアツいんですよね」
──ゲームリリースから5周年を迎えた『プロセカ』ですが、特に思い出深かった出来事を教えてください。
廣瀬:ボカロPの皆さんがこんなにお優しい方々だとは思ってなくて……(笑)。
野口・じん:(笑)。
廣瀬:本当に衝撃だったんですよ!(笑) レコーディングでお会いするまで、ボカロPの方をどうしても楽曲先行のイメージで想像してしまっていて。「曲はこうだから、ちょっと怖いのかな」と思っていたら、とても朗らかな方がいらっしゃったり。
しかも皆さんがもちろん音楽を愛していて、加えて僕たちのことも愛してくださるので、レコーディングが毎回楽しかったです。僕たちがやりやすいように配慮いただきながら、良いものを目指してくださっているのが伝わってきて、皆さんのことが大好きです。
──ちなみに廣瀬さんとじんさんの初対面は「NEO」の収録のときだったのですか?
廣瀬:そうですね! 「NEO」を録るときにお電話をさせていただきました。
「NEO」はちょっと異例で「アナザーボーカルver.」と「セカイver.」でキーが違っているんです。「セカイver.」の収録が終わったあと、「アナザーボーカルver.」を収録する日にお電話で「『セカイver.』めちゃめちゃ良かったです!」というお言葉をいただいて……もう緊張でガッタガタですよ(笑)。震えちゃって震えちゃって。
──そのお電話を経た初顔合わせの時、じんさんは廣瀬さんに対してどのような印象を抱かれましたか?
じん:司くんのイメージもあったのですが、実際にお会いして「格好良いな。でも怖い人だったらどうしよう」と思っていました(笑)。
廣瀬:(笑)。
じん:お話ししてみたらめっちゃ良い人じゃん!と(笑)。
廣瀬:お互いに同じようなことを思っていたんですね(笑)。野口さんはどうですか?
野口:プロジェクトの立ち上げから思い出すと、胃が痛くなりますね……(笑)。特に一歌は基盤、基準になることが多かったので、レコーディングを何度もやり直すなど本当に色々なことがあって。でも今では、本当に色々なところに『プロセカ』ファンの方がいてくださるので、頑張って良かったなと思います。
立ち上げのころは、人間の声とボカロの共存が受け入れてもらえるのかなど、不安な気持ちも大きかったんですよね。でも皆さんに受け入れていただけて、ボカロを好きになってくださる方もいるし、『プロセカ』キャラのことも好きになっていただけて……。
気づけば5周年を迎えるコンテンツに成長していて、様々な好きが集まった作品になってくれたので『プロセカ』に出会えて本当に良かったです。
廣瀬:ちなみに野口さんって、5年前はおいくつだったんです……?
野口:25歳です。だから立ち上げの時は24歳でした。
廣瀬:24歳でプロセカを背負っていたんですか!? それは不安な気持ちにもなるよ……!
野口:それが30歳になるまで続いていて嬉しいです(笑)。
──最初期というと、やはり「ステラ」の存在は外せない要素かなと思います。
野口:そうですね。「ステラ」がきっかけで『プロセカ』を始めた子もいるんですよ。なんて良い曲なんだ……!
廣瀬:(大きく頷いて)
じん:ありがとうございます(笑)。
野口:「ステラ」の収録はプロジェクト立ち上げの時に行ったので、私たちも『プロセカ』を深くわかっていない状態だったのですが、とにかく曲が良いことだけはわかっていて(笑)。名曲に出会えたということにすごく感動していました。
じん:野口さんがおっしゃったように、「ステラ」を作った時は情報がほぼ何もない状態で、スタッフさんの熱意だけがありました(笑)。「この子たちはLeo/needというユニットで、こんなに良い子たちで……!」と力説されて。
廣瀬:(笑)。5年前はミクさんと人間が歌うという発想自体もちょっと特殊でしたよね。
じん:ボカロPは人間とボカロの混ざり方に対して、一人ひとり強い考えを持っていますからね。ボカロPは化け物の群れなので……。
廣瀬:じんさんもその中に?(笑)
じん:わたくしもその中に(笑)。そんなボカロPを相手に、スタッフさんたちも覚悟をしてきたのだろうなと感じました。カッコよかったですね。その熱意がガツンと刺さって、僕も「ステラ」を書くことになりました。
廣瀬:スタッフさんも嬉しいだろうな……!
じん:「ステラ」を作った時のことは鮮明に覚えていますね。新しく生まれたプロジェクトって、長く続くとは限らないじゃないですか。時間が経って続けられなくなってしまうことも珍しくなくて。「それでも本気で取り組めるのか」といった悩みはどうしても生まれてしまうものだと思うんです。
でも先ほどもお話ししたとおり『プロジェクトセカイ』のスタッフさんはとんでもない熱量だったんです。最初から「良いものにするんだ!」と。
廣瀬:アツい……!
じん:「ステラ」の2番のサビに好きな歌詞があるんです。〈所詮僕は僕だった〉なのですが……普通は書かないですよね(笑)。余所行きならこんな歌詞は書かないハズなんです。
でもスタッフさんが本気で来てくれたから、僕も本気で書いた。曲のテーマに対して言葉を選ばないといいますか。自分が正しいと思った言葉を書く、おべっかを使わない……だから2番の歌詞は特に暗くなってしまいました。
でもそれがあるからこそ歌うんだ、という気持ちは伝わるだろうと思っています。小さい子が「『ステラ』がすごく好きです」と言ってくれているのを聞くと「小さいうちから良い曲を聴いたね」って褒めたくなりますね(笑)。
野口・廣瀬:(笑)。
じん:それくらい自信を持って出せるような作品をご一緒させていただけて、本当にありがたいです。
『プロセカ』ってアツいんですよね。「こんなアツい生まれ方をするコンテンツが令和にもちゃんとあるんだ」と知らしめた作品なんじゃないかなと思います。
廣瀬:それをじんさんが言ってくれるのが本当に嬉しいです。
じん:多分皆さんが思っていることですよ。
──最後に、Blu-rayで本作を見届けるファンの皆さんに向けて、メッセージをお願いします。
廣瀬:Blu-rayをご購入してくれようとしている方、そしてご購入してくださった方、本当にありがとうございます。このインタビューでかなり密度の濃い会話をしていたのですが、それくらいアツい想いの詰まった作品の劇場版となっております。
どのシーンも素敵で、どの楽曲も胸に刺さるものがたくさんあると思います。そして最後には「本当に良いものを見たな」と思っていただける自信がありますので、ぜひご自身のみならず、多方面に宣伝していただけたら嬉しいです!
野口:何度も劇場に足を運んでくださった皆さんも、Blu-rayを手に取ってくださる皆さんも、本当にありがとうございます。「ここを見てください」というシーンが選べないくらい見どころ満載で、スタッフの方々含め、多くの方々の情熱が一つに詰め込まれた作品となっています。
「音楽っていいな」「時には言葉より伝わるものがあるよな」と思わせてくれるような力のある作品なので、何かに悩んだ時には特に見てほしい作品です。ぜひ何度でもご覧になっていただければと思います!
じん:このインタビューを読まれている方は、きっとBlu-rayをご購入されていることでしょう(笑)。物語はもちろん、キャラクターの魅力や皆さんの演技、さらに監督さんのお見事なビジョン、音楽家の考え方や情熱など、たくさんの魅力が込められた作品です。我々が頑張ってこういうものを作っていることをぜひ感じていただけたらと思います。
また、こういった作品を作ったり人に届けたりといったことに興味のある方と、この作品をきっかけにいつか未来で出会いたいと思っています。もちろんどんな方でも必見の内容になっていると思いますので、楽しみにしていてください。
【インタビュー:西澤駿太郎 撮影:MoA 文:柴山夕日 編集:太田友基】
Blu-ray情報
特装限定版
封入特典・仕様・特典内容
■特製Blu-ray BOX(キャラクターデザイン 秋山有希 描き下ろし)
■5面デジパック(キャラクターデザイン 秋山有希 描き下ろし)
■オリジナルサウンドトラックCD2枚組(41曲収録)
■特製原画集
■Blu-ray描き下ろしイラストBIGアクリルスタンド
アニメイト限定セット
アニメイト限定版特典
Blu-ray描き下ろしイラスト アクリルブロック(128㎜×91㎜×8㎜)
アニメイト特典
■ワンダーランズ×ショウタイム ジャケットイラスト A3クリアポスター
■ワンダーランズ×ショウタイム ミニキャライラスト 缶バッジ4個セット(56㎜)
※アニメイト通販では本特典は終了しました
『劇場版プロジェクトセカイ 壊れたセカイと歌えないミク』作品情報
あらすじ
「キミのことを、教えて。そうすれば、歌がわかるのかもしれない」
CDショップで聴いたことのないミクの歌を耳にした星乃一歌。彼女はモニターに、見たことのない姿の”初音ミク”を見つけ、「ミク!?」と思わず声に出す。その声に驚いたミクは、一歌と目が合ったものの、ほどなくして消えてしまう。
後日、路上ライブを終えた一歌のスマホに、以前見かけたミクが姿を現す。寂しそうに俯くミクに、一歌はそっと話を聞いてみると、歌を届けたい人たちがいるのに、いくら歌っても、その歌が届かないという。
ライブで多くの人の心に歌を届ける一歌の姿を見て、彼女のことを知れば自分も同じように出来るのではと考えたミクは、一歌のもとにやってきたのだった。ミクの願いに「私でよければ」と微笑みながら一歌は答え、初音ミクと少年少女たちの新たな物語が始まる―。
キャスト
初音ミク:ORIGINAL CV BY 藤田 咲
鏡音リン・鏡音レン:ORIGINAL CV BY 下田 麻美
巡音ルカ:ORIGINAL CV BY 浅川 悠
MEIKO:ORIGINAL CV BY 拝郷 メイコ
KAITO:ORIGINAL CV BY 風雅 なおと
星乃 一歌:野口 瑠璃子
天馬 咲希:礒部 花凜
望月 穂波:上田 麗奈
日野森 志歩:中島 由貴
花里 みのり:小倉 唯
桐谷 遥:吉岡 茉祐
桃井 愛莉:降幡 愛
日野森 雫:本泉 莉奈
小豆沢 こはね:秋奈
白石 杏:鷲見 友美ジェナ
東雲 彰人:今井 文也
青柳 冬弥:伊東 健人
天馬 司:廣瀬 大介
鳳 えむ:木野 日菜
草薙 寧々:Machico
神代 類:土岐 隼一
宵崎 奏:楠木 ともり
朝比奈 まふゆ:田辺 留依
東雲 絵名:鈴木 みのり
暁山 瑞希:佐藤 日向






















































