
「この作品をきっかけにいつか未来で出会いたい」──『劇場版プロジェクトセカイ 壊れたセカイと歌えないミク』Blu-ray発売記念 星乃 一歌役・野口瑠璃子さん×天馬 司役・廣瀬大介さん×ボカロP・じんさんインタビュー
2025年1月17日(金)より公開され、大きな話題となった映画『劇場版プロジェクトセカイ 壊れたセカイと歌えないミク』がついにBlu-ray化! 2025年10月29日(水)より絶賛発売中です。
Blu-rayの発売を記念して、アニメイトタイムズでは連載インタビューを実施。星乃 一歌役・野口瑠璃子さん、天馬 司役・廣瀬大介さん、エンディング主題歌「Worlders」作詞・作曲を担当したボカロP・じんさんに登場いただき、劇場版の見どころや劇中ユニット曲の好きなポイントなどを熱く語っていただきました。
ゲームのリリースから5周年を迎えた『プロジェクトセカイ』。野口さん、廣瀬さん、じんさんが、これまでの思い出を振り返ります。「ステラ」や「NEO」などの楽曲の制作秘話や歌詞に込められた想いなど、貴重な裏話も明かされました。
「『プロセカ』ってこれだ!」
──まずは『劇場版プロジェクトセカイ 壊れたセカイと歌えないミク』全体の感想をお聞かせください。
星乃 一歌役・野口瑠璃子さん(以下、野口):改めて“音楽の力”を感じる作品になっていて、とても感動しました。最初に『プロセカ』が映画化すると聞いた時は「個性豊かなキャラクター達をどうまとめるんだろう?」「どんな物語になるんだろう?」とドキドキワクワクしていたのを覚えています。
そのあと実際に完成した映画を観たら、すごくパワーを感じる作品になっていて。たくさんの方にも観ていただけて、本当にありがたい時間だったなと感じています。
天馬 司役・廣瀬大介さん(以下、廣瀬):僕も野口さんと同じく「どんな映画を作るんだろう」という気持ちからスタートしたので、こんなにも“人の悩み”や苦しさを緻密に描く作品になるとは思いもしませんでした。
人が悩みから救われるには時間がかかったり、簡単にはいかなかったりしますよね。誰かに共感してもらうことがその助けになると思うのですが、時には他の人の声が届かないこともある。そういった“人の悩み”がリアルに描かれていて、気が付いたらほろほろと泣いていました。ちゃんと、何かが残る作品でしたね。
ボカロP・じんさん(以下、じん):僕にとって初音ミクさんは最初から「歌えない自分の代わりに歌ってくれる存在」なんです。だから今回ストーリーに出てきた“歌えないミク”さんは、僕にとって他人事ではないテーマだったんです。
僕自身、19歳でそれまでやっていたバンドが解散してしまって、音楽がやりたいのに歌ってくれる人がいない。代わりに初音ミクさんに歌ってもらうことで、僕は今まで音楽を作り続けることができました。
“歌えないミク”さんに対して自分には何ができるのか。当時の自分とは真逆の立場になるのは今回が初めてで、とても感慨深かったです。今までこういった切り口の出来事はあまり起きていなかったので、面白い構造をしている作品だなとも思いました。
──本作の中で特に印象に残っているシーンを教えてください。
じん:ミクさんが絶望して、セカイが闇のテクスチャに変わっていく、飲み込まれていく瞬間ですね。あのシーンをきっかけに、作品の前半と後半でガラッと空気が変わっていたのが印象的でした。あそこを機に、ガラッと変わりましたよね?
廣瀬:観ていて、飲み込まれそうになりました。
じん:音響や絵の質感など、一気に色が変わることで壮絶さが伝わってきて……怖かったんですよね。
でも、やりたいことや夢が潰える瞬間は、それくらい恐ろしいものなんだなと。「一人の夢がなくなってしまう瞬間はこれくらい怖いものなんだ」と、制作陣が本気の表現をしているなと思いました。他人事と思っていないことが伝わってくる、痺れるシーンでした。お二人はいかがですか?
野口:私は閉ざされた窓のセカイのミクが、泣きながら歌を届けようとしているシーンで目頭が熱くなりました。もう、もう……「ミクさん、笑って……」と(笑)。
廣瀬・じん:(笑)。
野口:閉ざされた窓のセカイのミクに対しては、終始そんな気持ちを抱きながら観ていましたね……。
ほかに印象に残っているシーンは、ワンダショ(ワンダーランズ×ショウタイム)のセカイのKAITOさんが汽車に乗って助けに来てくれるところです。あそこ、めちゃくちゃ好きで……!
じん:気持ち良すぎるシーンですよね!
野口:本当に! それぞれの世界のバーチャル・シンガーの個性を楽しむことができました。
各セカイのミク同士が会話しているシーンもこの作品ならではだったと思いますし、ライブシーンも大好きで……どのシーンも全部心に残っています。
廣瀬:ライブシーンというと、僕は劇場版を見る前に、全ユニットの曲を一度聴かせていただいたんですよ。最後にレオニ(Leo/need)の曲を聴いたのですが、野口さん演じるいっちゃんの声に「『プロセカ』ってこれだ!」って思ったんです。野口さんの声って『プロセカ』を象徴するような声だなって。
じん:わかります! “プロセカ声”ですよね!
野口:称号が重すぎます……(笑)。
廣瀬:それくらい伸びやかで、スッと入ってくる声なんです。「『プロセカ』と言えばこの声だ」と、自然と認識している自分がいて、改めて声の力に気付かされました。それまでも野口さんの声を近くで聴く機会はありましたが、作品を通して聴いてみると「やっぱり野口さんだよな」って。
じん:決して貴賤はありませんが、野口さんの声は“真ん中にあるタイプの声”といいますか。だからこそ他のキャストさんたちが表現されている、ある意味での尖り方が魅力的に映るんですよね。
だからなんというか……「これからも頑張るんだよ」という気持ちです(笑)。
野口:(笑)。引き続きよろしくお願いいたします!
──これが5年の積み重ねであり、重みであり……。
じん:(ゲームリリースから)5年経ってますもんね……! まさか劇場版にまでなっているなんて思わなかったなぁ。






















































