
イクニプロデュース Reading in the dark『愛の地獄変』総合演出・脚本 幾原邦彦さんインタビュー|体験としての朗読劇、その魅力と挑戦
第二弾『愛の地獄変』――題材を選んだ理由
──続いて今作について伺いたいと思います。第二弾の題材として芥川龍之介の『地獄変』を選ばれた理由をお聞かせください。
幾原:前作『春琴』も今回の『地獄変』も、物を作ったり表現したりする“アーティスト”の物語なんですよね。アーティストが抱える“地獄”を描くのは面白いのではと思い、『地獄変』を選びました。
──物を作る側の話ということで、幾原さんご自身も「自分に重なる」と感じる部分はあるのでしょうか。
幾原:表現者やアーティストというのは、ある意味で“地獄”に片足突っ込んでいるものだと思うんです。そこからさらにアーティストのエゴ(※2)を突き詰めていくと、それが“地獄”になっていく。そんな構造が面白いと感じました。
──キャスト陣についても伺えたらと思います。前作に出演されていた村瀬歩さん、堀江瞬さん、斉藤貴美子さん以外の方とは初めてだったのでしょうか。
幾原:完全に初めましてでした。「どういう芝居をされるのだろう」というのと、「この作品のやり方を理解してもらえるだろうか」という緊張感もありました。
朗読劇の経験がある方でも、Reading in the darkはまた別物ですから、戸惑うと思うんです。だからこそ「面白い」と受け取ってもらえたら、分かち合える楽しさがありますね。
※2:前作の題材『春琴抄』について、100年前の作品でありながら現代にも通用するのは、人間感情の本質を描いているから。根底には強烈なエゴと残酷さがある物語だという点を語っている。
『Reading in the dark』の魅力とは?
──幾原さんが感じるReading in the darkの魅力はどこにあると思いますか?
幾原:まず、役者さんとの距離がとても近いことだと思います。「朗読劇」と聞くと先入観があると思うので、「Reading in the dark」という言葉を全面に出しています。
従来の、舞台の上で台本を読む朗読劇とは異なり、役者が観客の間近に迫って、耳元で囁きます。それは単純な“甘さ”だけでなく、さまざまな感情が湧いてくると思うんです。
これを体験できるのはReading in the darkだけだと思うので、ぜひ体験してほしいですね。一度体験すると、おそらくやみつきになります。
それと、淡乃さんやスタッフとも話しているのが、一番は「体験すること」。ほかの朗読劇とは異なり、アトラクションに近い“体験型”ということです。「役者を体験する」といいますか。ぜひ意を決して飛び込んでいただきたいですね。
──淡乃さんに演出面でオーダーしたことはありますか?
幾原:意見交換する中で、『地獄変』とは何かが少しずつ見えてきました。前作『春琴の佐助』からどうアプローチを変えるのか、最初は迷いがあったんです。二人で話を進めるうちに『地獄変』ならではのテーマがはっきりして、俄然わかりやすくなりましたね。
──最後に、アニメイトタイムズの読者に向けて、メッセージをお願いします。
幾原:Reading in the darkは、ほかの朗読劇とは違います。正確には朗読劇ではなく、“体験型の舞台”です。どうしたらこの面白さを伝えられるのか、僕もまだ言葉は見つかりませんが、「Reading in the dark」という単語に全てが含まれていると思います。
役者があなたのすぐそばで語る、その語りの中にどのような感情が込められているか、それをぜひ体験してほしいです。
イクニプロデュース Reading in the dark『愛の地獄変』

【公演日程】2025年12月4日(木)~12月7日(日)
【場所】六行会ホール
【原案】芥川龍之介『地獄変』より
【総合演出・脚本】幾原邦彦
【脚本・演出】淡乃晶
【イラスト】中村明日美子
【あらすじ】
むかし、堀川(現京都)の地に「愛姫」と「幸姫」という美しい娘たちがおりました。
自分の目で見たものしか描けない画師「愛姫」
彼女といつか一緒に暮らす日を夢見て待ち続ける「幸姫」
ふたりが行き着く先ーー暗闇の中で待つものは、愛か地獄か。
幾原邦彦×淡乃晶×ILLUMINUSと豪華声優陣で贈る、
芥川龍之介「地獄変」を原案にしたオリジナル朗読作品。
Reading in the dark 『愛の地獄変』

【出演】
12月4日(木)
堀江瞬〈幸姫〉
小林親弘〈愛姫〉
斉藤貴美子〈語猿/大殿〉
12月5日(金)
村瀬歩〈幸姫〉
神尾晋一郎〈愛姫〉
斉藤貴美子〈語猿/大殿〉
12月6日(土)
岡本信彦〈愛姫〉
堀江瞬〈幸姫〉
斉藤貴美子〈語猿/大殿〉
12月7日(日)
神尾晋一郎〈愛姫〉
畠中祐〈幸姫〉
斉藤貴美子〈語猿/大殿〉
【チケット】
<SS席>12,000円
<S席>10,000円
<A席>9,000円
<特典チケット>+1,500円
※特典チケットは一般販売(2025年11月2日10:00)より販売開始されます。
※特典チケットは、お座席のチケットと別途【特典チケット】の購入が必要になります。
※ILLUMINUS先行/一般発売にてチケットをご購入された方のみご購入可能です。
※特典チケットはリセール機能対象外となります。
■内容特典
①キービジュアルA4クリアファイル
②キービジュアルポストカード(2種セット)



















































